計画
「ただいまー」
おかえりー、とリビングから母の声が聞こえる。
俺は脱いだ靴を揃えないまま、広いとも言えない廊下を歩いて自分の部屋に向かった。
ガチャッ
入った瞬間、いつもの見慣れた光景に安心する自分がいる。うちはマンションだし、そう広くはない自分だけの部屋だけど。
「はぁー……」
俺は鞄を散らかった床に放り出し、ベットに倒れこむ。
このベットが広くない部屋にあるお陰で、約半分のスペースが失われている。
「ん﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏っ」
大きく伸びをする。
背中が真っ直ぐになった感じが気持ちいい。
ごろりと寝返りを打ってベットの下に転がっていたデジタル時計を手探りで探して掴む。やべー……。ベットの下に落ちてたけど大丈夫か?
掴んだ時計を寝っ転がりながら見る。
五時十二分。
時計を頭上にある、ベットの物を置けるスペースに置く。
六時間目が三時頃に終了したのに、その後部活動のPRを見せられた。だがもう俺は、バスケ部に入ると決めている。だからそんなものを見るのは正直言って時間の無駄だった。
それに、見る時間があったのならランニングとバスケの練習が沢山出来たのに。
今からでも時間は少ないが、出来ることは出来る。一日休むと力が落ちるからだ。
だけど、今日はそんな気になれなかった。
ごろりとまた寝返りを打ち、たまたまあったタオルケットに顔を埋める。
考えているのはもちろん凛のこと。
あんな怯えた顔をされたのは、正直言ってダメージハンパなかった。女子に怯えられるって結構傷つくんだ、という事を今日初めて知ることになった。
話しかけると怯えさせてしまう。渡そうとすると手を伸ばすことさえ出来ない。
そんな彼女の攻略方法。
正しいやり方は分からない。
だけど、俺は――――――君と一緒にいる為に実行する。
帰り道、考えた計画を。
圭太の考えた計画とは、どんなものなのでしょうか……!?
お楽しみに。
予想ついちゃった人もいるかな?(汗)
感想、アドバイスプリーズ……!