表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それでも、やっぱり君が好き。  作者: 水原琴葉(元・空野ことり)
Mission1 相手のことを知ろう
4/18

仲良くなる為には?

 ほんのり熱くなった頬にグーの手で触れる。

 じんわりとした熱が伝わってきて、触れた部分に微かに熱が残った。


 俺は見ていることを誤魔化すために、まるで誰かを探すように教室内を見渡した。


 見てるってことを知られたくないじゃん。

 ……まぁ、すでにバレちゃってるけどな……。何人かに。


 暗い目で、ちらっすぐ斜め右を見る。

 そこには、真ん中の短髪のスポーツ男子。と、その他。どれくらいなのかっていうと、手で触ったらチクチクするくらい。なんだか熱血系、という言葉がすごく似合う男だ。


 そんな男達がさっきから懸命に、変なジェスチャーを送ってくるのだが、無視している。

 彼女を指さして、手でバツをつくる。

 明らかに『俺が彼女のことが好きだからお前は諦めろ』って意味だろ! そんなの、素直に「はーい、諦めまーす」とか言うわけないっつーの。


 俺は暑苦しい男達を視界に入れないように、前を見つめた。

 いつ見ても、という言い方は、まだ少しの時間しか見ていないからおかしいのだが……彼女の周りには必ず女子がいる。

 その女子達でも、あの子を見つめて頬を赤く染めている人も少なくはない。っていうかそういうことが言いたいんじゃなくて、喋りかける暇がない。


 どうしたら話せるんだ……と考えながら、教室の扉を背凭れにしゃがみ込む。

 いきなり座り込んだ俺に、廊下に立つ人達は異様の目を向けた。だけど、俺は周りの目なんて気にしてない。


 どうしたら、どうしたら……喋れるんだ?他のクラスということがこんなにも大変だという事を初めて知った。


 でも、いいんだ。


 漫画のように、次々と壁が出てくる恋愛がしたいから。

 そんな恋愛をすることが、俺が(ユウ)に出来る唯一の償いだから。


 それに、違うクラスだから何なんだ。さっきみたいに自己紹介して、話せばいいだろ!


壁 に寄り掛かって座っていたら、上から女子の、俺を呼ぶ声が声が聞こえた。


「ちょっと、朝倉」


「……え?」


 急に名前を呼ばれ、驚いて上を向く。

 するとそこにあった、教室のドアから出た顔は、彼女と楽しそうに喋っていた黒髪のポニーテールの女子。普通に可愛らしい顔立ちで、あまりメイクも濃くない。だが、俺を見る目線はとても冷たく、睨んでいる、とも言えるほど。声もそうだったが、ちょっと不機嫌そうな、ツンツンした態度だ。


 ……てかこいつ誰だよ。何故かあっちは俺の名前知ってるし。


 ポニーテールの女子は大きめの胸の下で腕を組み、ちらっと教室を見てから俺に向き直った。


「朝倉さ、凛のこと好き?」


「好き!?」


 思わず『好き』というワードに反応してしまった。


 もしかして凛、って……彼女のことか? やった、名前知れた。……じゃなくて、気付かれてたんだ。この女子にも。

 っていうかいきなりなんてことを聞きやがるんだよコイツ。初対面だよな。



 てっきり「嘘つけ」などと言われ探られるのかと思っていたが、ポニーテールの女子はあっさり引き下がった。


「そう。ならいいけど……凛と両思いだなんて、甘い事考えない方がいいと思うよ? ――――凛、男子嫌いだから」


 それだけ言うと「ごめんね」と、凛も含めた今まで一緒にいた女子達に謝り、お喋りを再開しに教室に戻った。



 今の、何だったんだよ……。

 聞きたいことだけ聞いて、言いたいことだけ言って。俺の言葉なんて聞きたくないとでも言うように、台風みたいに去っていった。


 それに、…………凛……が男子嫌い? そんなの、男子から凛を守る為の嘘であって欲しい。



圭太の過去にちょびっと触れました。

何があったのか……それについてはいつか出てきます。いつか。


新キャラ登場?!

結構この人、重要キャラかもしれない。

……また名前もわからない人ですがね(笑)


あと、男子ならこういう行動に出るか……!? と少ない知識を総動員して私なりに書きました。ちょっと、いや結構書くのに躊躇いました。


更新が遅くなりがちですが、これからもどうぞよろしくお願いします!!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ