表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それでも、やっぱり君が好き。  作者: 水原琴葉(元・空野ことり)
Mission2 相手と接触しよう
11/18

「どうしてそうなった!?」

 さんざんだった授業が終わり、俺が号令後机に伏せて(倒れて)いると、勇輝が苦笑いしながら俺の机へやってきた。


「よ、圭太。大丈夫か?」


 俺の前の席の椅子を引き、勇輝は横に座った。

 俺は体を机に倒したまま、右手を上げる。


「んー。大丈夫……けど、成績下がったなー」


「だなー」


 ははは、と勇輝が笑う。俺も俯きながら笑った。


 何て平和な会話なのだろう。さっきあんなことがあったため、この平和がとても愛おしく思えてくる。なんの変哲のない会話を交わすのは平和の象徴だ。


 が、その平和はすぐに終わりを告げた。


「どうして遅刻したんだ?」


俺は正直言って、さっきのことを言うかを迷っていた。


 ミナから貰った情報では、やはり凛はモテるそうで、『涼峰凛には誰も手を出さない条約』というものがつくられているらしい。何だそれ。

 俺はそれを知った上でさっきのことをしたのだが、あまり面倒臭いことにはなってほしくない。面倒だからだ。


 それに、恋愛については人に広めたくない。公認カップルとか、冷やかされたりとかまっぴらだ。凛もそういうのは嫌がるだろう。


 だが、勇輝にはもう好きな人を言ってしまったし、何より俺の親友だ。一人くらいならいいだろう。


 鼻でゆっくり息を吸いながらゆっくり顔を上げ、上げるとゆっくり鼻で息を抜く。ポイントはゆっくりやることだ。因みになぜこんな行動をしたのかは不明だし、メリットはない。


 俺は黒板横に貼ってある予定表をチェックする。さっき終わったのが二時間目、三時間目は国語か……。


 俺は時計を見ながら勇輝に提案する。


「なぁ、次の時間サボらねぇか?」


 勇輝は一瞬目をぱちくりさせ、含み笑いした。


「え、何? 成績下がるんじゃないの?」


「まぁいいんだよ」


 勇輝はいいのかよ、とケラケラ笑った。


 勇輝は別にいいらしく、俺と勇輝で教室を出ようとすると、友達と喋っていたミナが唇を尖らしながら声を掛けてきた。


「朝倉と渡部サボりー!?」


「まぁなー」


 勇輝が喋らないので俺が返事を返す。


 ミナはなぜか気落ちした様子で俺を見つめた。


「あたしも、サボりたいなぁ……」


 俺は仕方無いな、と溜息をつき、ミナの頭をくしゃくしゃと撫でた。


「お前はちゃんと授業受けろよー」


 そう言い残し、俺は教室を離れていく。勇輝も俺の後をついてくる。


 俺はその時、ミナの顔が赤くなったのに気が付かない振りをしていた。


ミナと圭太に変化が……!?

前々から分かっていた方も居るかもしれません。


すいませんね……。

いきなり圭太と凛と茜が待ち合わせみたいなことをしてて、ビックリしたでしょう。

しかも茜って誰だよ、みたいな。


それまでの経緯をやっと次話で知れますよ。

お楽しみにしてくれれば幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ