表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リリス・サイナーの追憶  作者: Reght(リト)
第一章 少女の転生、神のゲーム
5/116

樋代愛佳というヒト科についての記述_Ⅲ


 黄色の混じった橙色の髪は、結んでいると膝裏まであって、ゴムを取るとギリギリ地面につかないくらいの長さがある。サラサラ、というよりツヤツヤ、のほうが正しいと思う。長くて鬱陶しいとは思わないが、一度秋名のように短くしてもいいかもしれない。

 薄ら桃色のついた頬、形のいい唇はいつも自慢げに三日月に歪められていた。


 そして、それら全てを引き立て役にした金色のネコ目。

 全てを魅せられる目に、まるで神様の作った最高傑作だと、誰かが言ったことがあった。


 否定はしない。自覚している。

 自分にはそれほどの美貌があり、それほど人を魅せる目を持っている。


 成績は完全記憶能力のおかげで全教科満点。覚えていても理解しないといけないため、流石に少しも勉強しないと言うわけにはいかないが、それでも習慣になっている復習が苦だとは思わない。

 運動神経だけを極めれば文武両道と(たた)えられ、凄いねと言われ慕われる。何が凄いのか正直分からなかったが、とりあえず曖昧に笑っておけば人気者になり。

 文字を読むように大学の問題を解けば、神の最高傑作だなんて崇められたこともあった。


 意味がわからない。

 でも、意味が分からなく、変わり切って、腐りきって、それでも生き続けているのが世界のリンネ。


 何も考えない、ただ生きている。そして、廻っている

 それが、この世界――――〈イル・モンド・ディ・ニエンテ〉での普通。

 そして何より、樋代愛佳という全て。


「愛佳?」


 秋名に声をかけられ、我を取り戻す。

 えらい真剣な顔をしていたのか、秋名と越智くんも驚いたような、半分惚けたような顔をしてこちらを見ていた。また、曖昧に笑っておく。


 それよりも、私はその隣の〝ある光景〟を見て、少し顔が引きつった。

 ――――嗚呼、不快感。違和感。既視感。


「なんでもないさ」


 ダウト。心の中で呟いておく。


 あまりにも自然に、それはそこにあった。

 あまりにも不自然に、それはそこにあった。


 ねぇ、皆。期待してないけどさ?

 教室の隅に、










 ――――死体なんてものがあっても、無反応って何なんだい?












2013/01/13 文章追加

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
投票にて相手が決まります→「http://enq-maker.com/eDHyfqt」
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ