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リリス・サイナーの追憶  作者: Reght(リト)
第一章 少女の転生、神のゲーム
37/116

epilogue_Y.O




 教室は朝からざわめいていた。教室だけではない、学校中が朝からさわがしい。まるで文化祭当日か

と思うほどに、周りには笑顔しかない。


 その理由を、この学校でしらないものはいなかった。そもそも、俺の席があると言う時点で、それは決まっている。


 今日、転入生が来るらしい。

 二人とも、女らしい。

 しかも、美少女らしい。

 それでもって、神の目と純血の二人らしい。


 その内の一人は、俺の隣の席に来るらしく、クラスはそわそわしている。勿論、俺も例外じゃない。


 満面の笑みの担任が、転入生を呼ぶ。

 皆の期待が中、ソイツは堂々と胸を張って、不敵な笑みを浮かべて入ってきた。


 ソイツは、美少女なんて言葉でおさまるような容姿ではなく、至高の美貌だ。


 黄色の混じった橙色の髪は、膝裏まであって、今結んでいるポニーテールを下すと、ギリギリ地面につかないくらいの長さがある。サラサラ、というよりツヤツヤ、のほうが正しいと思う。薄ら桃色のついた頬、形のいい唇は不敵に歪められている。


 そして、それら全てを引き立て役にした金色の目。

 全てを魅せられる目に、まるで神様のようだと誰かが言った。


 神の目を持つソイツは、本物の神様に思えた。



「初めまして。陰東都(いんとうと)中学校から来た、樋代 愛佳だ。よろしく」



 凛とした声でそう言った。


 皆が聞き惚れるその声が、何故か堪らなく愛しく思える。


 自己紹介が終わって、視線の中笑っているソイツが、俺の隣の席に座った。



「やぁ、お隣さん。これからよろしく。名前は?」



 出された手に握るのは躊躇われた。

 おずおずと握った手は暖かさに包まれていて。



「俺は、俺は――越智悠馬(おちゆうま)。よろしくな!」



 笑った顔は、明らかに赤かっただろう。

 それでも、ソイツは――樋代は、笑い返して、何も言わなかった。




 これが、英雄であるリリス・サイナーとのファーストコンタクト。





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