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第八巻 脱獄ひぐらし

点いては消える蛍光灯。それはまるで僕の人生のようだ。時に光を放つけれど、次には輝きを失ってしまう。そして輝きを完全に失えば……。僕は堪らなくなってそいつを取り付け直してみると、やはり外れかかっていたのか、今度は光るようになった。僕も少し、生き方を変えてみようか。 #twnovel




帰りのバスを待っている間、何処から聞こえてくるのか分からないくらいに、ひぐらしの歌が響いていた。彼らはきっと、儚い命だからこそ歌うのだろう。でも嘆いてはいないはずだ。だって歌えるのだから。だとしたらコイツらに負けられない。握る携帯で、俺はついのべを打ち出した。 #twnovel




雨の帰り道。あの時あいつに言った一言は誤解されたのだろうか。後悔が頭の中でぐるぐる回っていた。ついでに傘もぐるぐる回してみると、その飛沫は暗くて見えないが、水溜まりに落ちたのが反射で分かった。あの時あいつの顔に広がった波紋が鮮やかに蘇る。後でメールを送っとくか。 #twnovel




濡れた髪の毛にドライヤーを当てる。このムシャクシャも吹き飛ばしてはくれないか、なんて独り言が出そうになった。その時ふと、俺はその中身が気になった。しかし、温風が目に当たって覗けない。それでも無理やり瞼をこじ開けると、そこには逆風が見えた。なんだ、お前も敵か? #twnovel




人目につかない所で、ガードレールが曲がっているのを見つけた。ちゃんと仕事しろよ、なんて言って蹴ってやろうかとも思ったのだけれど、止めた。コイツはずっと誰にも気付かれずに放置されていたのだろう。それでも、こいつはまだ立っている。なら、俺も負けられないじゃねぇか。 #twnovel




ケータイのアラームで目覚める朝。今日は目覚めが良くない、と駄々をこねていると、不意にアラームが止まった。どうやら充電が切れたらしい。もうすぐ出かけるのに、ついてない。しかも充電器が見当たらない。最悪だ。全身に力が入らない。あぁ、俺の充電器は、一体何処にある? #twnovel




「それじゃ、またどこかで会おうぜ」彼はそう言って電話を切った。こんな日も仕事に行くなんて彼らしいけれど、やっぱり悲しい。TVではカウントダウンが始まった。その時、画面の群衆の中にプラカードが。「また会えたかな?」本当に彼らしいや。 #twnovel #もし明日地球が滅亡するなら




スーパーは閉まっている。交番もガラ空きだ。車も疎らで、道路を野良猫が闊歩している。そんな道沿いで僕はゴミを拾う。道行く人にその理由を尋ねられたら、こう答えるつもりだ。「一度やってみたかったんですよ。だって僕、不良じゃないですか?」 #twnovel #もし明日地球が滅亡するなら




大学の講義室。先生の前に、生徒は一人。それは俺だ。やはりこの先生はやってくれる。「では、先週出した課題を提出するように」それは「生きるとは何か」がテーマのレポートだ。もちろん、俺はレポート用紙に一行こう書いた。「人生を楽しむこと」 #twnovel #もし明日地球が滅亡するなら




私はよく、講義に行ってみたら休講だったり、図書館に本を返却しに行こうとしたら閉館日だったりする。でも今日は大丈夫。ちゃんと念入りに調べたんだ。あれ? でも大学に誰もいないな。ん? この張り紙は……? 一体これは何のドッキリなの? #twnovel #もし明日地球が滅亡するなら




受験勉強を放り投げて一週間が経った。一日中ゲームをしていても、親は「あまり遅くまで起きてるんじゃないのよ。風邪ひいても病院開いてないんだから」としか言わない。時計はあと十分くらいで明日を迎える。何となく、俺は机に向かうことにした。 #twnovel #もし明日地球が滅亡するなら




今日のTLはいつもより速い。皆、どこかで残り時間を静かに過ごしているのだろう。そこで不意に流れてきたRTに目が留まった。「#もし明日地球が滅亡しないなら」あっという間に、TLがこのタグで埋まっていく。何だか明日が来そうな予感がした。 #twnovel #もし明日地球が滅亡するなら




彼は独り、考えていた。この部屋は直線に溢れている、と。天井は四角に切り取られ、窓は枠に押さえつけられている。だが、その外の自然はどうだ。樹の幹はうねり、光でさえ乱反射する。なら人生はどちらだろうか。その囚人はおもむろに立ち上がると、直線の鉄格子を曲げにかかった。 #twnovel




夏なのに、朝起きると雪が積もっている。そんな夢をみた。それはまるで自分のひねくれた心の中に入ってしまったみたいだった。それはすぐに夢だと分かったけれど、そこから逃れる方法は無く、ただただ呆然と朝陽に溶けゆく雪を眺めていた。この夢が早く溶けるようにと願いながら。 #twnovel




並んだ野菜の前で空っぽのカゴを提げながら、俺はただ立っていた。だってどれも活き活きとしているのだ。本当なら畑で輝く野菜たちが、ライトを浴びて無理に新鮮さをアピールしている。俺はもうたまらなくなって、片っ端から野菜をカゴに入れることにした。 #twnovel #とあるスーパーで




私はレジを打つ。打って、打って、打つ。そう、私はロボットだ。ただレジだけができればいいし、私にはそれしかできない。そんなある日、いつも見る客に初めて話しかけられた。「今日は暑いですね」「……そうですね」あれ? 今日は何だかレジ打ちが、楽しい。 #twnovel #とあるスーパーで




「今日は何にする?」「何でもいいや」「何でもいいのね? それならナンだけにしてあげようかしら」「分かったよ。じゃあカレー」「それは昨日食べたでしょ」「なら麻婆茄子」「よ~っし。そうと決まったら早速ナスを……、あれ? 野菜が全部無い!?」 #twnovel #とあるスーパーで




節約のために、僕はいつものように安売り中のスーパーへ行った。ところが、である。いつも安売り商品が激戦なのは熟知しているが、なんと今日は既に野菜が完売状態。一体どんな戦闘があったというのだ。だから僕はレジの人にこう言った。「今日は熱いですね」 #twnovel #とあるスーパーで




住宅街を男が駆けていた。その理由はこの雨ではない。脱獄犯だからだ。公園を見つけた彼は雨宿りしようとした。だが段ボールが邪魔で入れない。苛立った彼は蹴飛ばそうとして、止めた。中の子猫と目が合ったのだ。その日、空に虹がかかる頃には彼も子猫も公園から姿を消していた。 #twnovel




本の海。それが友人の部屋の第一印象だった。それでも全てを把握しているならまだいい。だが彼は、ただ自慢するためだけにハワード・カーターの著書を”本飛沫”を上げて探していた。そこで僕はあることに気付いた。「ねぇ、さっきから足元にあるその本は?」「ん? あ、あった!」 #twnovel

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