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第四巻 絶望過多

「夢を喰う男がいる」それは最初、都市伝説として囁かれ始めたが、やがて事実であると信じられるようになった。「夢を見ないようになった」と訴える人々が増えているという。警察もついに重い腰を上げるらしい。馬鹿馬鹿しい話だ。最近の夢は全く喰っていないのだよ、不味いから。 #twnovel




浜辺で亀が子供達に虐められていた。しめしめとばかりに、俺は亀を助けた。帰りに渡される玉手箱さえ開けなければいいのだ。しかしどうだ。あれ以来、亀を助け、竜宮城へ行き、玉手箱を貰う日々の繰り返し。この毎日から逃れるため、ついに俺は玉手箱を開けた。何も変わらなかった。 #twnovel




秋の涼しい風の中、葉が落ちていくのを、彼はじっと眺めていた。「何か待っているのですか?」「嫌いな奴が、この樹の葉が全て落ちたら死ぬ、と言うのでね。私はその絶望の瞬間が見たいのです」私も楽しみになった。この樹が葉を落とし続けるホログラムだと気付いた絶望の瞬間が。 #twnovel




「私の大事な記憶あげます」見知らぬ男が飴玉を一つ差し出す。「要らないなら」口の中に苦味が広がる。「騙されてやんの。それは俺の不幸の記憶さ」男は駆け足で逃げていく。私は笑顔で男を捕まえると、私の記憶の飴玉をお口に入れて差し上げた。本当の不幸のお味は初めて? #twnovel




夜の海を歩く。微かに差し込む月明かりの中、海藻をかき分けて進むと、砂地の海底が姿を現した。私はそこに横になった。懐かしいベッドの感覚が蘇る。海面の向こうの満月を眺めていると、自然と涙が溢れて海水に混じる。なぜ私は、海に沈んだ世界に生き残ってしまったのだろう。 #twnovel

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