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第三十三巻 夜想曲のスケッチ

或る少女が物語る。

その日、私へのいじめは最高潮に達し、そして終わった。文化祭前日、お化け屋敷の準備をしていると、通路を作っていた机の壁が不意に崩れてきた。もう駄目だと思ったその時、ある男子が私を庇ってくれた。以来、いじめは止んだ。その男子とよく会話していたのが原因だったのだろう。 #twnovel




文化祭当日。私は美術部の展示で受付をしていた。クラスの出し物の方がギスギスしてしまったから、こっちの仕事で気を紛らわせるしかなかった。その時、私の絵を眺めている同じクラスの男子に気付いた。途端に鼓動が速くなる。いつもは絵を見られても恥ずかしくなんてならないのに。 #twnovel




私は受付に座りながら、後ろに置いてあるスケッチブックとペンを見遣った。文化祭では美術部の作品展示だけでなく、似顔絵描きも行っている。今しかない。私は覚悟を決めて、それらを片手に彼の所へと歩いて行く。しかし途中で足が止まる。見知らぬ女子との会話を邪魔しないように。 #twnovel




運悪く、私は担任の荷物運びを手伝うことになった。この口数の少ない担任は、ちょっと苦手だ。無言で階段を上っていると、担任がぼそっと言う。「俺がまだ学生だった頃、この階段で女子生徒が亡くなったんだ。それが俺の片思いの子でね」案外私たちは、似た者同士なのかもしれない。 #twnovel




片思いの彼と放課後に会う約束をした、2月14日。その日彼は事故に遭い、記憶を失くした。ずっと臆病だった私への罰なのだろう。もう帰ろうと自由登校期間で人の少ない教室を出ようとして、メールが来ていたことに気付く。「放課後、教室で待ってて」誰かの走る音が近付いてくる。 #twnovel

その一歩で、あなたの世界を変えられるかもしれない。


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第二章 第十八巻 セレナーデはチョコレートの匂い

第二章 第二十四巻 地縛霊さんの学校生活について

第二章 第二十六巻 地縛霊さんの文化祭について

第二章 第二十八巻 美術教師はロボットにつき

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