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第十五巻 空を飛ぶクジラ

空を飛ぶクジラなんていない。常々そう断言していた私は、証人として捜索隊に加わった。海上で生活し始めて三ヶ月。未だ目立つ成果はない。唯一私が知ったのは、深夜の甲板にて一人でパイプを吸う喜びである。とその時、マストの先のカンテラが、船の上を覆う巨大な物体を照らした。 #twnovel




空を飛ぶクジラがいる。そんな簡単な嘘で本が売れ、沢山の取材が舞い込んだ。浮浪者が瞬く間に世紀の大探検家だ。あとはあの懐疑派の教授さえ騙せればいい。船室に部下が帰ってきた。「偽物の気球で上手く騙せたか?」「それどころじゃねぇんで。マジもんが飛んでるんでさぁ」 #twnovel




やはりスクープは記者冥利に尽きる。探検家の空飛ぶクジラ探しに同行して三ヶ月。ついにクジラに似せた気球を樽の中に見つけた時は、胸が高鳴った。もちろん証拠は旅行鞄に確保した。しかし夜中だというのに甲板が騒がしい。え、クジラが空を飛んでる?そりゃ大スクープじゃないか。 #twnovel




カメラのフラッシュを焚きながら、記者が尋ねてきた。「教授、どうです。空飛ぶクジラを見た感想は?」少し考えてから答える。「なぜクジラは空を飛んだと思う?」「空を飛びたくなったか、あるいは海から追い出されたか」「いい答えだ。でも、どちらも不正解だとは思わないかい?」 #twnovel




ついに本紙は、空を飛ぶクジラの撮影に成功した。しかしなぜクジラは空を飛ぶのだろうか。その理由について、同乗していた教授が興味深い考察を残している。「クジラに空を飛んで欲しいと乗員全員が無意識に願ったからなのかもしれない。あの探検家も、君(記者)も、そして私も」 #twnovel

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第二章 第十六巻 つながっていく物語

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