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第十四巻 ブレイク・タイム

「やっぱりここか」友人は飲料パックを僕に投げ渡すと、隣のベンチに座った。「そんなに好きか?」コロニーの展望台の上には宇宙が広がっている。「うん。自分がちっぽけだって思えるから」「ふーん、そうかい」そこで僕は気付く。「ねぇ。珈琲は嫌いなんだけど」「そうだっけか」 #twnovel




士官学校の卒業式に、友人の姿は無かった。寮にもいない。僕は直感的に展望台へ向かった。するとベンチに見知った影があった。隣に腰掛けると、友人は言った。「お前さ、自分がちっぽけに思えるって言ってたけど、何となく分かった」軍に入るのは、政治家の父親に反対されたらしい。 #twnovel




月面第三師団。それが僕の配属先だった。任務は、氷の海一帯にはびこるゲリラ集団の壊滅である。初めは量、質ともに圧倒する我が軍が優勢だったが、しばらくして形勢は逆転した。ゲリラはこちらの作戦を読み、弱点を的確についてくる。そんな指揮をする奴を、僕は一人しか知らない。 #twnovel




僕一人でのゲリラ基地への侵入作戦は、あっさり許可された。上官は、生意気な小僧が勝手に死んでくれる、とでも思っているのだろう。だが僕には確かめなければならないことがある。昨日、友人からメールが返ってきた。今は父の秘書をしているらしい。僕は、その言葉を信じたかった。 #twnovel




「どうだ。でっかくなっただろう?」ゲリラの首領のソファに座って、友人は葉巻を燻らせていた。僕は答えずに銃口を向ける。「まぁ待てよ。珈琲でも飲むか?」「珈琲は嫌いだ」「そうだったな」沈黙の後に僕は言った。「君はまだちっぽけだ」友人は、それを待っていたように笑った。 #twnovel

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第二章 第十六巻 つながっていく物語

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