第十一巻 視点のカレイドスコープ
夜の防波堤に惹かれたのは私だけではなかった。少年が一人、硝子瓶を手にして暗い海を眺めていた。瓶には紙片が入っていた。聞けば、次の世界の住人への手紙なのだと言う。私の見守る前で、小さな手から離れた瓶は月光を乱反射させながら宙を舞い、海面に波紋を描いた。 #twnovel #全滅亡祭
同窓会を開いたものの、集合場所に来たのは話したことのない女子だけだった。長い沈黙が続く。これではお互い気まずいだけだと解散を切り出そうとした時、彼女は言った。「私、一度でいいから同窓会に参加してみたくて、でも自分では言い出せなくて、だから、その……」 #twnovel #全滅亡祭
視点の違いは、経験のdifferenceだろう。For example, 英語話者はJapanseが読めず、日本語話者 can not read English. Only bilinguals can find 無意味さ of this sentence. #twnovel
怪盗から犯行予告が届いた。ダイヤの入ったガラスケースを多数の警備員が囲んでいる。すると突然煙幕が広がり、次の瞬間にはケースの中は空になっていた。いや、代わりに怪盗からのカードが入っていたことにして……、でも始めから空だったトリックだからカードを入れる方法が……。 #twnovel
路地裏で突然ナイフの男に襲われた。入手した麻薬の密輸業者リストが目当てだろう。しかし格闘の間に、封筒が懐から落ちた。それを拾ったのはホームレスの少年。「それを市警察に届けてくれ」「いや、倉庫街の俺達のアジトへ運べ」少年は不気味な笑みを浮かべて路地裏の陰に消えた。 #twnovel