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第二十一巻 斜陽に溶け込む色時計

「頼むから出てくれよ」巨匠と敬われる特撮監督が新人俳優に頭を下げている。「嫌だよ。まるで差別じゃないか」彼が脚本を叩きつけると監督は飛び上がったが、負けじと説得を続ける。「君が必要なんだ」最近文明を受け入れた巨人族とのコミュニケーションは、まだ始まったばかりだ。 #twnovel




映画というものが禁止されたのは、随分昔らしい。せっかく政府の方針で健全な方向に養成された国民が、道に迷うのを助長するからだという。つまり今の国民は道に迷っていないということらしい。確かに、それは正しい。道に迷う前に、道を歩こうとする人間さえいないのだから。 #twnovel




我ら撮影クルーは小川をカヌーで進んでいた。目的地は恐竜伝説が眠るジャングルの奥地。恐竜を捕まえるドキュメンタリー映画を作り子供達に夢を与えるのが仕事なのだと、監督は息巻いていた。悪いとは思っている。でも撮影を邪魔して恐竜の存在を隠すことが、我が機関の仕事なのだ。 #twnovel




久しぶりの休日、今日は友人と一緒に映画館へ行く約束をしていた。宇宙バスに乗り、映画館のある惑星へと飛んだ。いつもと同じように軽く挨拶を交わし、受付でチケットを買う。ただ僕だけは特別な眼鏡を渡された。ここの惑星の映像は、ヒトの可視光にちょっと合わないのである。 #twnovel




「この鳥を鳴かせてみよ」彼の前に置かれた鳥籠に入っていたのは、折り鶴だった。「いいでしょう」不安と期待の顔が並ぶ中、彼は鳥籠を開けて折り鶴を手に取ると、不意にぐしゃっと潰してしまった。「何をしている!?」「これでもう鳥籠は空っぽ。ほら、閑古鳥が鳴き始めましたよ」 #twnovel




お気に入りの雑貨店で変な物を見つけた。水晶玉のような形で、中にオレンジの光が揺らめいている。「それは時間を色で教えてくれる色時計です。今は夕方だから夕焼け色なんですよ」感動した私は、早速一つ買ってしまった。ディスレクシアで悩んでいる友人にプレゼントしてあげよう。 #twnovel




遂にヒトも、蛹化ホルモンを注射することで蛹になれるようになった。やがて蛹を経たヒトの方が優秀だと噂されるようになったが、その真相は極めて単純だ。昆虫と同じように、蛹になると体中のほとんどの細胞が作り変えられる。つまりは汚れていない状態に戻るだけなのである。 #twnovel




調べてみると、「コロッケ」の語源は仏語の「croquer」という言葉らしい。意味は「バリバリと食べる」。実はこの言葉、他に「大まかに描く」という意味もあり「クロッキー」はその派生だという。なるほど。「台風にコロッケ」が通用してしまう大らかさが、ここにあった。 #twnovel




砂浜に野次馬が集まっていた。宇宙船が漂着したらしい。やがてハッチが開き、怯えた様子の宇宙人が飛び出した。すると何かに誘われるように一人の男が中へ。と、突然ハッチが降り、宇宙船は飛び去った。きっとまたどこかの星に漂着するまで出られないに違いない。 #twnvcon #twnovel




今夜の賑やかな食卓は騒然となった。「食器をぶつけて食べるなよ。痛いんだぜ」フォークはチクリと刺すのが性分だったから、我慢ならなかったのだろう。もちろん人間は驚き、沈黙が流れる。と、そこでナイフが声を上げた。「フォークなのに、おちないんだな」重い空気は断ち切れた。 #twnvcon


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