第11話 「姫様たちがおにぎりディベート①の総評をするようです」
今回は総評回なので、誰の一人称でもない客観的な視点(神視点)で執筆しています!
「うむ!これで4人のディベートが終わった訳だが……、投票の前にわちゃわちゃ意見交換タイムを設けるのだ!!」
「また妙なことを言い出したわよ、この子」
「おにぎりディベートバトルは仁義しかない戦い。後で後悔しない為にも、疑問は解決しとくべき」
「えっとぉ……、食べたいおにぎりを選ぶ前に質問して良いってことですか?」
全員がおにぎりに舌鼓を打った結果……、他のおにぎりが気になって仕方がない。
それぞれ、自分が食べたおにぎりが世界一美味しいとは思っている。
だが、他人の庭の芝は青く見えるもの。
あんなにも幸せそうな顔を魅せられては、興味を抱かない方がおかしいのだ。
「レイミス!さっきのおにぎりに使われていたマヨは、他にどんな食品と合うと思う!?」
「そうねぇ、マヨに何を混ぜるかにもよるけど……、グリルチキンとかは美味しいんじゃないかしら?」
「お肉にも合うとか聞いてない。そんな重要な情報を隠すなんて同盟協定違反だと思う!」
「植物であるお米に、海産物であるエビ、それにお肉まで……?はわわ、凄いですぅ」
おにぎりランチの提供者はルートルイン。
本来ならばメニューを解説し、他の姫に情報を与える立場だ。
だが、ルートルインが知っているおにぎりはアスパラペッパーベーコンと日本産のみ。
もし仮にライラからマヨに関する説明を求められても語れるほどの情報はなく、微妙な空気が流れるだけ。
だからこそ、場をかき乱すことで有耶無耶にする作戦を決行している。
「私はリリカルのおにぎりが気になっているのよね」
「銀シャケバターが……?」
「バターもご飯も甘いじゃない?一緒に食べるのはどうなのかなって」
「確かに、バターだけだと重く感じるかもしれないですぅ。でも、香ばしいガーリックのおかげでぱくぱく行けちゃうんですぅ!」
3人ともが白米のおにぎりだったのに対し、リリカルの銀シャケバターソースはご飯にも調理が施されている。
そういった意味では一歩先に行っているようなもの――、そんな未来の可能性を軽んじられない姫達は、それぞれが固唾を呑んでリリカルを見つめている。
「あのぉ、私も質問なんですけどぉ……、ライラさんは生姜焼きおにぎりを毎日食べたいんですよね?どこら辺が気に入ったんですかぁ?」
「味。……は当然のこととして、どんな飲み物に合うかを試したいと思った」
「紅茶ですか?」
「いや、全て。薬膳茶からフルーツジュースまで念入りに考察したい。なお、現時点の最有力候補はオレンジジュース」
ロイヤルディッシュでは、高級茶葉以外のドリンクを提供することがある。
季節の果実ジュースや、新鮮な牛乳。
各国で開発された変わった飲料水……、それらは手軽に試せてバズりやすく、流行となることも多い。
「ルートルインにも聞いておきたい。アスパラペッパーベーコンはどのくらい辛い?」
「うむ、作った料理人の正気を疑ったぞ!!」
「そんなの姫に食べさせるとかヤバすぎてうける」
「確かに!だが美味かったのも事実!!それこそ、オレンジジュースとは抜群の相性だと思うしな!!」
4人ともに質疑応答を終え、笑顔の裏でアイコンタクトを交わし合う。
彼女達はライバルであり戦友。
それぞれが国という重責を背負っているものの……、なんだかんだ仲が良い。
今も『ロイヤルディッシュ配信成功』の為に、スムーズな進行を心掛けている。
「ここらへんでよかろう。ということで、食べたいおにぎりを発表するのだ!!」
「そうね、ライラとリリカルからでいいわよ」
配信企画的には、『どのおにぎりも順位を付けられないくらいに美味しい』という決着が最も効果が高い。
視聴者それぞれに推し姫がいるとはいえ、他の姫の勧めを嫌う訳ではない。
だからこそ、『全て美味しい』と太鼓判を押されれば、国民は全てのおにぎりを試さずにはいられなくなる。
それを分かっているからこそ、レイミスは企画者であるルートルインと共に、票の調整役に回った。
ライラとリリカルが同じおにぎりを選ばない限り、1ポイントずつの同列一位を演出できる。
「えっと、それじゃあ……、オーロr」
「エビマヨ。僕は絶対に譲らない。エビマヨ一択」
不運にも重なった声。
ライラの食い気味なリクエストに弾き飛ばされたリリカルが、おろおろと狼狽した。
リリカルちゃん不憫可愛い!!っと思った方は、なぐさめの評価やリアクションをどうぞよろしくお願いします!!




