第十二話《青天の霹靂》
関係者との挨拶も終わり、頼人は帰り支度をしてスクールの事務室に寄った。
頼人が入ってくるなり、事務員は全員振り返って丁寧に挨拶をする。
「お疲れ様です、社長」
「お疲れ。いい発表会だったよ」
「生徒のみんな、社長に見ていただけて喜んでましたよ」
「それは俺じゃなくてあいつらにじゃない? 憧れの先輩達に早く追いつけるように、みんな頑張って欲しいね。まぁ、また様子見に来るよ」
「ありがとうございます」とお辞儀をする事務員に背を向け、事務室を出ようとしたその時。
頼人はモニターに映し出されているとある映像を見て、足を止めた。
「これは?」
「前回の発表会の映像です。販売はしていないんですが、記録用に毎年映像には残しているので」
今日の発表会のように、若い少年少女がステージで歌って踊る姿が流れている。
その中のある少年に、頼人は目を奪われた。
「……この子は?」
「はい?」
「このセンターの子。今日の発表会にいた?」
明らかに、他の子達とは違う。
歌、ダンスのスキルに加え、思わず魅入ってしまうスター性をも持ち合わせていた。
それに──。
「……あぁ、この子はもう辞めてしまったんです。確か、この発表会の直後くらいに……」
「連絡取れる? 都内の子?」
「えっと……それが……」
言いにくそうに話す事務員の言葉の後に、頼人はとある頼み事をしてすぐさま動き出した。
その瞳は、希望を見出したような輝きに満ちていた。




