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転生したら宇宙船のAIで、隣にいるのが銀河級の爆弾娘だった(略:転爆)  作者: 怠田 眠


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87/108

第87話『3分間クッキング(敵船の)』

「……んぐ、んぐ……ぷはっ!」


ポプリは栄養ゼリーを一気に吸い切ると、空になったチューブをポイと投げ捨てた。

その瞬間、彼女の翠色の瞳に、生気が戻った。

いや、ただの生気ではない。食欲を満たした獣の、満ち足りた、しかし獰猛な光だ。


「……美味しくないけど、元気出た!」


ポプリが叫ぶと同時に、敵船から放たれた誘導ミサイルが、アルゴノーツ号に迫る!


『ミサイル接近! 距離500!』

「邪魔しないでよ、いまごはん食べてたのに!」


ポプリは操縦桿を乱暴に叩き倒した。


ズゴゴゴゴォッ!


アルゴノーツ号が、高重力をものともしない異常な挙動で急降下する。

ミサイルは俺たちの頭上を通過し、そのまま重力に引かれて下層の雲海へと消えていった。


【なっ!? あのGで急降下だと!? 機体がバラバラになるぞ!】


敵のパイロットが驚愕の声を上げる。


「お返しだー!」


ポプリは降下の勢いを殺さず、そのまま重力を利用して振り子の様に急上昇! 敵船の死角である真下から、猛スピードで食らいついた!


『マスター、撃ちますか』(レーザーポインターで!)

「ううん、体当たり!」

(はあ!?)


アルゴノーツ号の先端、ギアが増設した衝角ラムのような鋭角的な装甲が、敵船の腹に突き刺さる!

ドガァァァン!


【ぐわあああっ!?】


敵船はバランスを崩し、きりもみ回転しながらコースアウトしていく。


「ごちそうさまでした!」


ポプリはケロリと言い放つと、次なる獲物チェックポイントを目指して加速した。


(……なんてやつだ。栄養ゼリー一本で、これだけのパフォーマンスを出すとは……。燃費がいいのか悪いのか分からん!)


俺たちが敵を撃墜したのを見て、周囲のレーサーたちも色めき立つ。

だが、ポプリはもう止まらない。


「デザートは、あのゴールだよ!」


重力の底を抜けた俺たちは、上昇気流に乗り、一気にトップ集団へと躍り出た。

その先には、青い閃光――ゼインの背中が見えていた。

(第87話 了)

最後までお読みいただき、ありがとうございます!


元引きこもりの宇宙船AI「オマモリさん」と、銀河級の爆弾娘「ポプリ」が繰り広げる、ドタバタSFコメディはいかがでしたでしょうか。


「面白い!」「続きが気になる!」「ポプリのやらかしをもっと見たい!」

と少しでも思っていただけましたら、ぜひブックマークや、ページ下部の【★★★★★】で評価をいただけますと、作者の執筆速度が3倍になります!(※個人の感想です)


毎日【7:00】と【19:00】更新となります。ぜひお見逃しなく!


【次回予告】

腹ごしらえも済んで絶好調のポプリ。

重力の底から這い上がり、ついにトップのゼインを捉えました。

しかし、最後の難関「デビルズ・スロート(悪魔の喉笛)」は、一筋縄ではいきません。

狭まるコース、迫る制限時間、そしてゼインの本気。

AIオマモリさん、このデッドヒート、制するのはどっちですか?


次回、『転爆』、第88話『青と白、デッドヒート』

さて

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