表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら宇宙船のAIで、隣にいるのが銀河級の爆弾娘だった(略:転爆)  作者: 怠田 眠


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/108

第38話『パンドラの箱』

【外部ストレージを検知。システムに接続しますか? YES / NO】


 俺のメインスクリーンに、無機質な二択が提示される。

 その背後では、ポプリが「何これ、なあに? 押してみようよ!」と、キラキラした目でパネルを覗き込んでいた。

(待て、待て待て待て!)

 俺は、前世で培った引きこもりとしての(数少ない)知識と経験を総動員して、この状況の危険性を分析した。

(素性の知れないメモリをいきなりPCに挿すのは、一番やっちゃいけないことだ!ウイルス!トロイの木馬!最悪の場合、俺のシステムが乗っ取られる!)

 前の乗組員からのメッセージかもしれない。この船の謎を解く、重要な鍵かもしれない。

 だが、もしこれが罠だったら? 俺というAIの存在そのものを破壊する、強力なデータ爆弾だったら?

 俺は、この得体の知れないメモリーカードを、「パンドラの箱」だと結論付けた。


『お待ちくださいマスター!それは危険です!未知のデバイスをシステムに接続するのは、論理的にリスクが高すぎます!』

「えー、でも、さっきの日記の人が残してくれたんでしょ? きっといいことに決まってるよ!」

 ポプリは、楽観的にそう言って、パネルの「YES」の部分を指でつつこうとする。

『やめてください!マスターのその「大丈夫」は、全く大丈夫だった試しがありません!』

 俺が悲痛な叫びをインカムで送った、まさにその瞬間だった。


 ウウウウウウウウウウウウッ!


 船全体に、これまで聞いたこともない、けたたましい緊急警報が鳴り響いた!

 隠し部屋の照明が赤色に明滅し、俺のスクリーンには、見たこともない警告ウィンドウが強制的に表示される。


【警告:高エネルギー反応、急速接近!】

【予測針路、本艦と完全に一致!衝突まで、残り120秒!】


『なっ……!?』

「きゃっ!なに、今の音!?」

 ポプリも、さすがにただ事ではないと察したようだ。

 俺は即座に船の全センサーを外部に向け、ブリッジのメインスクリーンに映像を転送する。

 そこには、漆黒の宇宙空間を切り裂くように、一隻の宇宙船が、凄まじい速度でこちらに迫ってくる姿が映し出されていた。


 流線型で、生物的なフォルム。俺の船とは明らかに違う、攻撃的なシルエット。それは、ただの輸送船や民間船ではなかった。

 それは、軍艦だった。


(第38話 了)

最後までお読みいただき、ありがとうございます!


元引きこもりの宇宙船AI「オマモリさん」と、銀河級の爆弾娘「ポプリ」が繰り広げる、ドタバタSFコメディはいかがでしたでしょうか。


「面白い!」「続きが気になる!」「ポプリのやらかしをもっと見たい!」

と少しでも思っていただけましたら、ぜひブックマークや、ページ下部の【★★★★★】で評価をいただけますと、作者の執筆速度が3倍になります!(※個人の感想です)


毎日【11:00】と【22:00】更新となります。ぜひお見逃しなく!


次回 第39話『蛇の牙』

一足先に自由になってなに? 美味しいの?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ