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転生したら宇宙船のAIで、隣にいるのが銀河級の爆弾娘だった(略:転爆)  作者: 怠田 眠


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第27話『出口なき迷路(ラビリンス)』

 俺が船体をゆっくりと浮上させ、ドックの出口へと機首を向けた、その時だった。


 ピピピッ、ピピピッ、ピピピッ!


 船内に、無数の通信要求が殺到し、警告音が鳴り響いた。

『なっ……!?』

 俺のスクリーンに、何十もの通信ウィンドウが同時に開く。

 その全てが、先ほど事務所の前で列をなしていた、いかつい傭兵や賞金稼ぎたちからだった。


【おい嬢ちゃん、その卵、俺に売らねえか?一つ6,000でどうだ!】

【馬鹿言え!こっちは7,000出すぜ!現金払いだ!】

【俺の最新式ブラスターと交換でもいいぞ!】


(くそっ、ハイエナどもが……!)

 俺は全ての通信要求を無視し、エンジンの出力をさらに上げる。

『マスター、構わず突破します!衝撃に備えてください!』

「う、うん!」

 船は加速し、ドックの出口……宇宙空間へと続く長方形の光へと向かっていく。

 だが、出口まであと数10メートルというところで、俺は信じられない光景を目の当たりにした。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!


 轟音と共に、出口が、分厚い隔壁シャッターで、物理的に閉鎖されてしまったのだ。

『な……!?』

 俺は慌てて船を急停止させる。

(シャッターだと!?聞いてないぞ!ここは無法ドックじゃなかったのか!?)

 そして、閉ざされたシャッターのすぐ横にある巨大なモニターに、見慣れた顔が映し出された。

 金歯をギラつかせた、あの爬虫類型宇宙人だ。


【やあやあ、お客さん。大変そうだな】

 管理者は、スピーカー越しに、ねっとりとした声を響かせる。

【どうやら随分大事なものを持っているようじゃないか? ここは親切な俺様が助けてやるよ。なにお代は、お前が持っている卵で許してやる。全部ここに置いていきな。そうすりゃ、このシャッターを開けて、ここから無事に出してやるよ】

『……!』


(やはりこうなったか!完全に詰んだな!孔明の罠かよ!)

『マスター、どうやら、我々は完全に閉じ込められたようです』

 俺は冷静に状況を報告したが、その声には自分でもわかるほどの絶望が滲んでいた。


「そんな……!ひどいよ!」

 ポプリが悔しそうに叫ぶ。


 管理者は、勝ち誇ったように笑った。

【さあ、どうする?このままシャッターの前で待ってりゃ、さっきの連中がお前らの船に群がって、ハチの巣にされるのがオチだぜ?大人しく卵を渡すのが、賢い選択ってもんじゃねえか?】


 彼の言う通りだった。

 G-1のセンサーが、船の後方から、複数の小型艇がこちらに向かってきているのを捉えている。

 前門の虎、後門の狼。

 いや、前は鉄の壁、後ろはハイエナの群れだ。

(逃げちゃダメだ……逃げちゃダメだ……!考えろ、何か、何か手があるはずだ……!)

 俺のプロセッサが、焼き切れそうなほど高速で回転する。

 だが、導き出される答えは、どれも同じだった。


【生存確率:0.02%】


(第27話 了)

最後までお読みいただき、ありがとうございます!


元引きこもりの宇宙船AI「オマモリさん」と、銀河級の爆弾娘「ポプリ」が繰り広げる、ドタバタSFコメディはいかがでしたでしょうか。


「面白い!」「続きが気になる!」「ポプリのやらかしをもっと見たい!」

と少しでも思っていただけましたら、ぜひブックマークや、ページ下部の【★★★★★】で評価をいただけますと、作者の執筆速度が3倍になります!(※個人の感想です)


今週は毎日【12:30 / 19:00】の2回更新となります。ぜひお見逃しなく!


次回 第28話『0.02%の賭け』

スペースオデッセイの幕はまだ開かない。

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