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転生したら宇宙船のAIで、隣にいるのが銀河級の爆弾娘だった(略:転爆)  作者: 怠田 眠


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第11話『作戦名は「とつげき!」』

 なんとか気をとりなして演算機能を取り戻した俺は、『お待ちくださいマスター!作戦が必要です!最低でも3分、いえ、30秒ください!成功確率を再計算します!』

 と悲痛な叫びをインカムで送るが、ポプリはすでにクラウチングスタートの姿勢をとっていた。


「大丈夫だよ、オマモリさん!ちゃちゃっと取ってくるから!」

(ダメだこの子!バカボンのパパ並みに話が通じない!)


「いっくよー!」

 ポプリの小さな体は、弾丸のように飛び出した。


『マスター!?』

 もはや、俺にできることは一つしかない。

 この無謀極まりない突撃を、万に一つの可能性でも成功させるための、全力のサポートだ!

(こうなったらやるしかない!俺は引きこもりだが、タワーディフェンスをやりこんだ経験がある!このドローン一つで、活路を開いてみせる!)


『G-1、プランBに移行!陽動を開始します!』

 俺の思考とドローンが直結する。

 ポプリの進行方向に密集する子虫の群れに、G-1が閃光弾を投下。

 パァン!という炸裂音と強烈な光に、子虫たちが混乱し、道が開く。


「すごい!」

 ポプリはその隙間を駆け抜ける!

 だが、すぐに左右から別の群れが壁のように迫ってくる。


『マスター、右です!』

「えいっ!」

 ポプリは手に持った「万能ツール」――ただの鉄パイプ――を、まるで薙刀のように振るい、迫る子虫たちを次々となぎ払う。その一撃は、見た目に反して恐ろしく重いらしい。

(なんだその身体能力は……強化人間か何かか……?)


 俺はG-1をポプリの頭上でホバリングさせ、音波ソナーで周囲の子虫の動きを立体的に把握する。

『次は左後方から来ます!3体!』

 俺の指示に、ポプリは振り返りもせずにパイプを振るい、的確に子虫を叩き潰した。

(いける……!この子、戦闘センスが異常だ!)

 まるで二人で一体のロボットを動かしているような、奇妙な一体感。


 そして、ついにポプリは金色の卵が固まる巣の中心部にたどり着いた。

「わーい、ゲットー!」


 彼女は肩に下げたボロい鞄に、金色の卵を器用に次々と鞄に放り込んでいく。どうやら見た目はボロくても、中は特殊な仕掛けで卵が割れるのを防げるようになっているようだ。


 1、2、3……8、9、10!


『やりましたねマスター!目標数を上回る量を確保!すぐに離脱を!』

 俺が安堵の声を上げた、その時だった。


 グヂュルルルルル……ゴオオオオオオオオオッ!


 今まで天井で沈黙していた親玉が、卵を奪われたことに気づき、怒りの咆哮を上げた。

 天井に張り付いていた巨体が、ゆっくりと、しかし確実に、動き出す。

 その巨体から剥がれ落ちた粘液が、床をジュウジュウと溶かしていく。

 俺のセンサーが、危険を示す赤色で埋め尽くされた。


(まずい、まずい、まずい!怒りのゲージがMAXだ!ライガーだ!これはもう逃げられない!)

 巨大な影が、卵を抱えて喜ぶポプリの真上に、ゆっくりと落ちてきた。


『マスター、上です!』


(第11話 了)

最後までお読みいただき、ありがとうございます!


元引きこもりの宇宙船AI「オマモリさん」と、銀河級の爆弾娘「ポプリ」が繰り広げる、ドタバタSFコメディはいかがでしたでしょうか。


「面白い!」「続きが気になる!」「ポプリのやらかしをもっと見たい!」

と少しでも思っていただけましたら、ぜひブックマークや、ページ下部の【★★★★★】で評価をいただけますと、作者の執筆速度が3倍になります!(※個人の感想です)


スタートダッシュ期間として、毎日複数回更新で物語はどんどん進んでいきますので、ぜひお見逃しなく!


*18日(土)・19日(日)の2日間は1日3回【7:30 12:30 19:00】の予定です。


次回『それは、ホームラン』

まだまだキャスティングは未完了。

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