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「ウエディングドレスのベールを孤児院に依頼?」


「はい」


私は頷く。


「そうすれば、孤児院の収入になりますし、

 子供達に牛肉を食べさせてあげれます」


私が考えたのは、ウエディングドレスのベールを、

孤児院に頼んで、そのお金で、

子供達に牛肉を食べさせてあげる事だった。


「本当にいいのか?」


「はい、レースの宣伝にもなりますから」


俯きながら答える私に、分かったとレイナルド様が答える。


「ではそのように手配する、

 多少ちぐはぐでも文句は言うなよ」


「ありがとうございます!」


私は心から礼を言った。


「それとルーシィが優秀だと褒めていた」


「本当ですか?」


「最近まで平民だったと聞いたが、

 教育は受けていたんだな」


「中央教会はほとんど貴族なので、

 そこでまざっていろいろ教えてもらいました」


「ダンスも基本はできている、

 あとはこの地方の貴族の名前を覚え、

 不文律をマスターするだけだ」


えへへと微笑む。


「領主の妻として、どこに出しても恥ずかしくない、

 平民出身であれ、それだけの知識と能力を

 身に付けたのは誇っていい」


「レイナルド様は優しいですね」


「は?」


「レイナルド様は優しいです」


私はもう一度くり返す。


「野獣だ、猛獣だと言われた俺だぞ?

 優しくした覚えはないが?」


私はにこにこと笑い。

それにつられたように、レイナルド様も微笑むのだった。

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