第八章:深まる信頼
風間 悠真が生徒会を掌握し、黄間 桐と紅羽 鷹をひざまずかせたという知らせは、まるで翼が生えたかのように、超能力に近い速度で秘境学園の隅々まで広まった。
かつて名も知れず、誰からも虐げられていた「落ちこぼれ」は、一夜にして学園で最も注目され、最も畏敬される人物となり、彼の名前は様々な誇張された描写と共に繰り返し語られ、生徒会長鹿島 小雨をも凌駕し、新たな話題の中心となった。
この全てはあまりにも非現実的で、まるで不条理な夢のようでありながら、しかし全ての生徒の目の前でこれほどまでに現実として起こっていた。
風間 悠真という名は、忘れ去られた片隅から、学園の波乱の中心へと押し上げられたのだった。
口をあんぐり開けて驚く者、恐怖で震え上がる者、畏敬の念から直視できない者など、多くの視線の中で、一つだけ明らかに異なる視線があった。
それは里見 心愛の視線だった。
彼女は人混みの中に立っていたが、その姿は繊細でありながら、風の中の小さな白い花のように、ひたむきに毅然としていた。
彼女は風間 悠真が落ち着いた足取りで生徒会室へ向かう後ろ姿を見つめていたが、その背中は堂々として揺るぎなく、彼女の記憶の中のいつも俯いていた少年とはまるで別人だった。
彼女の目には複雑な光が宿っていた。
風間 悠真が隠していた実力への驚き、彼の巨大な変化への好奇心、心からの安堵、そして彼女自身も気づいていない、初春の陽光のような温かい……慕情が。
彼女が知る風間 悠真は、痩せて口数が少なく、いつも俯いて何もかもを黙って耐える少年だった。
彼は人目につかない場所で、いじめられた後に残った傷をこっそり拭い、誰も見ていない時に一人でその微弱な「上昇気流」の練習をしていた。
彼女は何度も彼を助けに行こうと、そして「あなたは一人じゃない」と伝えようと思ったが、黄間 桐や紅羽 鷹といった不良少年たちの報復を恐れてためらい、その無力感に苛まれていた。
彼女はただ密かに、彼が傷ついた時に絆創膏を渡したり、嘲笑された時に励ましの視線を送ったりするなど、些細な気遣いで自分の善意を示せるだけだった。
だが今、彼女が密かに気遣っていたあの少年はもういなかった。
彼に代わって現れたのは、直視できないほど強く、ただ一瞥するだけでかつての悪党たちをひざまずかせ、竜崎 厳のような巨大な体躯を空に巻き上げられる存在だった。
彼の出現は、夜空を切り裂く流星のように、瞬く間に学園全体を照らし、里見 心愛の心中の彼に対する認識を完全に覆した。
彼女は驚いた、風間 悠真がこれほど深く隠れていたことに、まるで彼の痩せた外見の下に広大な海が潜んでいたかのように。
彼女は好奇心を抱いた、彼が一体何を経験し、なぜこれほどまでに大きな変化を遂げたのか、まるで一夜にして生まれ変わったかのように。
そしてそれ以上に、心からの安堵を感じていた。
あの優しい少年が、ついにいじめられることがなくなった。
彼は立ち上がった。
しかも、誰にも到達できないほどの高みで、皆の前に立ち、自身の存在を宣言したのだ。
昼休み時間、学園全体が風間 悠真の出来事で沸き立っていたが、里見 心愛はかつてないほどの平穏を感じていた。
彼女はいつものように友人と混雑した食堂で食事をせず、一人で空っぽの教室に座り、脳裏では風間 悠真が竜崎 厳を打ち破る場面、空気を引き裂くあの黒い旋風、そして生徒会長の席に座る彼の姿、その生まれ持った王者たる威厳が繰り返し再生されていた。
彼女は長い間ためらい、心は不安でいっぱいだった。
今の風間 悠真は、かつて些細な気遣いしかできなかった彼女という同級生のことを覚えているだろうか?
彼の心もまた、力の覚醒と共に変化し、冷淡で疎遠になってしまったのだろうか?
彼女には分からなかったが、知りたかった。
結局、心中の懸念と風間 悠真への気遣いが、全ての躊躇を打ち破った。
彼女は勇気を振り絞り、立ち上がると、生徒会室の方向へ歩き始めた。
その一歩一歩は、得体の知れない確かな決意を帯びていた。
里見 心愛が生徒会室の入り口に着くと、広い執務室の扉が開け放たれており、陽光が床に差し込んでいるのが見えた。
風間 悠真は学園の最高権力を象徴する広々とした会長椅子に座っており、その姿勢は堂々として威圧的で、鹿島 小雨が傍らで恭しく異常事態の最新状況を報告するのを聞いていた。
彼の横顔の線は冷徹で、眼差しは集中して深遠であり、近寄りがたい上位者としての威圧感を放っていた。
周囲の生徒会メンバーは、恭しく両脇に立ち、息をするのもためらっていた。
まるで本物の帝王を前にしているかのようだった。
彼女は入り口に立ち、少し躊躇した。
足が地面に釘付けになったように、中に入るべきか、彼らの邪魔をしてしまうのではないか、分からずにいた。
その時、風間 悠真は何かを感じ取ったかのように、わずかに首を傾け、その深遠な視線は人混みを通り抜け、正確に里見 心愛の姿を捉えた。
視線が交差した。
里見 心愛の心臓はその瞬間、一拍鼓動を飛ばし、まるで世界全体が静まり返ったかのようだった。
彼女は冷淡さや疎遠さを目にするだろうと思っていた。
なぜなら、彼はもう過去の風間 悠真ではないのだから。
彼はそのような高みに立ち、おそらく過去の全てを忘れてしまったのだろうと。
しかし、風間 悠真の顔には、淡く、そして温かい笑みが浮かんでいた。
その笑みは、冬の日のひとかけらの陽光のように、瞬く間に里見 心愛の心中の不安と戸惑いを溶かした。
その笑みは、かつて少しはにかみがちで、少し照れ屋だった少年と全く同じものだった。
「心愛?入っていいぞ。」風間 悠真の声は、慣れ親しんだ優しさを帯びており、時間と空間の距離を越えて、直接里見 心愛の心底に響いたかのようだった。
里見 心愛は鼻の奥がツンとし、目元が瞬く間に潤んだ。
彼は変わっていなかった。
少なくとも、彼女に対しては。
彼は依然として彼女を覚えており、以前と同じ優しい口調で話しかけてくれたのだ。
彼女は一歩を踏み出し、オフィスの中へ入った。
その足取りは、どこか軽やかだった。
生徒会メンバーたちは皆、好奇の目で彼女を見た。
その目には探究と憶測の色が宿っていたが、風間 悠真がいる手前、誰も口出しすることはできなかった。
鹿島 小雨も彼女を見て、その眼差しには探究の色が宿り、この少女と風間 悠真の関係を探っているようだった。
「あな……あなた、大丈夫だった?」里見 心愛は風間 悠真の前に歩み寄り、かすかに尋ねた。
その口調には、深い心配が込められていた。
彼女が言っているのは、彼が竜崎 厳を打ち破ったこと、そして生徒会との交渉のことだった。
彼女はこれらの出来事が大きなリスクを伴うことを知っていた。
風間 悠真は首を振り、笑みは依然として温和で、その目には微かな温かさが宿っていた。
「大丈夫だ。」
「全て順調だった。」
「心配してくれてありがとう、心愛。」
彼は立ち上がり、里見 心愛の傍らへ歩み寄った。
その高大な影は、彼女の目の前で止まった。
そして、彼はごく自然に手を上げ、かつて嵐を引き裂き、強敵を打ち破ったその手で、今は安心させるような優しさで、彼女の額にかかる少し乱れた髪を直した。
この親密な仕草に、里見 心愛の頬は瞬時に赤くなり、まるで熟した林檎のようだった。
心臓はさらに速く鼓動し、まるで胸から飛び出しそうだった。
周囲の生徒会メンバーたちは、さらに目を見開いた。
彼らが風間 悠真が誰かに、これほど優しくするのを見たことがあっただろうか?
特に、女性に対してこれほど優しくする風間 悠真を見たことがあっただろうか?
これはまさに前代未聞のことだった!
「これから……これからもう誰にもいじめられないの、だよね?」里見 心愛は小さな声で尋ねた。
その口調には微かな不確かさが混じり、まるでまだ夢の中にいるかのようだった。
風間 悠真は彼女を見つめ、その眼差しは真剣で揺るぎなく、約束の力を帯びていた。
「ああ、もうない。」
「これから、俺がお前を守る。」
「誰にも、もうお前をいじめさせない。」
この言葉は、最も甘い恋の言葉のようであり、また最も固い誓いのようでもあり、里見 心愛の心を完全に虜にした。
彼女は顔を上げ、風間 悠真を見つめた。
その澄んだ瞳には、依存と信頼が満ちており、まるで風間 悠真が彼女の唯一の頼りであり、彼女の世界の唯一の光であるかのようだった。
「私……私、何かあなたのお手伝いできますか?」里見 心愛は勇気を振り絞って尋ねた。
彼女はただ守られるだけではなく、風間 悠真のために何かをしたい、彼の傍で価値ある存在になりたいと願った。
風間 悠真は少し考え込んだ。
システムはかつて、里見 心愛が何らかの補助系あるいは治癒系の超能力を秘めている可能性があると示唆していたが、現時点ではまだ覚醒していないか、あるいは顕著に表れていないだけだった。
彼女の能力は攻撃的ではないかもしれないが、これからの冒険において、補助能力はしばしば決定的な役割を果たし、チームには不可欠な一員となるだろう。
それに、里見 心愛を傍に置くことで、彼女をより良く守り、これ以上いかなる危害も受けさせないことができる。
「もちろん構わない。」風間 悠真は微笑んで言った。
その目には、真剣な誘いの色を宿していた。
「生徒会は今、仕事が多く、異常事態もますます深刻になっている。
俺には信頼できる助けが必要だ。」
「それに、私はあらゆることに共に立ち向かえるチームを組む必要がある。」
彼は里見 心愛を見つめ、その目には期待が宿っていた。
「心愛、俺のチームに入ってくれるか?」
「俺の……最初のメンバーとして。」
里見 心愛はこの言葉を聞き、目に驚きと喜びの光が宿った。
まるで風間 悠真が彼女に全世界を与えたかのようだった。
風間 悠真が彼女を、しかも最初のメンバーとして誘うとは思いもしなかったのだ!
これはつまり、風間 悠真の心の中で、彼女が特別な地位を占めていることを意味した。
「喜んで!」彼女はためらうことなく答えた。
その口調は揺るぎなく力強く、まるで全身の力を込めたかのようだった。
「結構。」風間 悠真は頷き、里見 心愛の反応に満足した。
彼は知っていた。
里見 心愛の加入は、単なる一隊員の追加ではない。
彼女は彼のチームにとって不可欠な一員であり、この冷酷で力による争いが満ちた世界で、彼が温かさと信頼を感じられる源となるだろうと。
鹿島 小雨は傍らで風間 悠真と里見 心愛のやり取りを見ており、その目には複雑な感情が閃いた。
彼女は風間 悠真が里見 心愛に対して抱く特別な感情、心の奥底から湧き出る優しさと保護欲、そして里見 悠真を前にした時だけ見せる真の顔を感じ取った。
彼女はまた、里見 心愛が風間 悠真に対して抱く、盲目的なまでの依存と傾慕にも気づいていた。
彼女の心には漠然とした予感があった。
この一見柔弱に見える里見 心愛が、もしかすると風間 悠真の傍で最も重要な女性の一人となるかもしれない、生徒会長である自分よりも重要になる可能性すらあると。
そして彼女自身も……風間 悠真との関係を改めて見直すべきだと感じていた。
彼を単に異常事態を解決するための道具と見なすのではなく、もしかしたら、彼は彼女がもっと多くを捧げるに値する存在なのではないかと。
「里見 心愛さんが加入を望むのであれば、そうしましょう。」鹿島 小雨は口を開き、オフィス内のやや曖昧な雰囲気を打ち破った。
彼女の声は依然として冷たかったが、口調には強引さが減り、風間 悠真の決定に対する敬意が加わっていた。
「彼女には特殊メンバーの手続きを取り、適切な資源を配備し、速やかに生徒会の仕事に慣れるよう手配します。」
「会長、ありがとうございます。」里見 心愛は鹿島 小雨に丁寧に礼を言った。
彼女はそれが全て風間 悠真のおかげだと知っていたにもかかわらず。
風間 悠真は里見 心愛を見つめ、心に温かいものが込み上げた。
里見 心愛の加入により、彼のチームはついに第一歩を踏み出したのだ。
彼は知っていた。
これはほんの始まりに過ぎない。
未来にはさらに多くの仲間が加わり、彼のチームはますます強大になるだろうと。
彼は知っていた。
異常事態が深まり、自身の力が絶えず向上するにつれて、彼はより多くの危険と挑戦に直面するだろうと。
さらには、他の派閥からの敵とさえ。
しかし、彼はもう一人ではなかった。
彼にはシステムがあり、強大な力があり、そして今、彼を慕い、気遣い、信頼してくれる最初の仲間ができた。
そして、これは彼が最強のチームを結成し、全てを征服するための、ただの始まりに過ぎなかった。
彼の伝説への道は、里見 心愛の加入によって、温かい彩りを添えられたのだった。




