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第十六章:研究会の招待と究極のテスト

秘境学園の地下深くに位置する、研究会の訓練場。


ここは巨大で、未来的な科学技術感に満ちた空間だった。


周囲の壁は特殊合金で鋳造され、表面には複雑なエネルギー導体とデータインターフェースがびっしりと敷き詰められていた。


様々な精密機器、エネルギー発射装置、そして力場発生器が整然と並び、冷たい金属の光沢と青白い指示灯を放っていた。


空気中にはかすかなオゾン臭と、電子機器が稼働する特有の微かなブンブンという音が満ちていた。


研究会会長朝霧 璃子と数名の核心メンバーが、訓練場中央の円形プラットフォームで既に待機していた。


朝霧 璃子は眼鏡をかけ、黒い長髪はきちんと後ろで束ねられ、その目には智慧の光が宿っていたが、同時に未知への好奇心と探究の色も帯びていた。


彼女は訓練場に入ってきた風間 悠真を注意深く観察し、彼から何か尋常ならざるエネルギー波動や物理的な特徴を見出そうとしていた。


風間 悠真は落ち着いた足取りで、この科学技術に満ちた世界へと足を踏み入れた。


彼の後ろには、里見 心愛、烈火 如歌、艾莉絲、そして姫月 星華も続いて入ってきた。


里見 心愛の目には微かな慎重さが見えた。


烈火 如歌は鋭い眼差しで周囲の設備を掃くように見渡し、まるでそれらの脅威を評価しているかのようだった。


艾莉絲は好奇心旺盛な子供のように興奮しており、あちこち触れては見て回っていた。


姫月 星華はいつもの冷静さを保っていたが、体はわずかに引き締まり、突発的な状況にいつでも対応できる準備をしていた。


「風間 悠真さん、研究会へようこそ。」朝霧 璃子は微笑んで言った。


その口調は穏やかで丁寧だったが、その瞳に宿る探究心は隠しようがなかった。


「朝霧会長、こんにちは。」風間 悠真は淡々と応じ、周囲の複雑な機器に視線を向けた。


その目には微かな興味が宿り、この世界の科学技術レベルがどこまで到達しているのか見てみたいと思っていた。


「今回あなたを招待したのは、友好的な交流テストを行うためです。」朝霧 璃子は言った。


「私たちはあなたの超能力に大変興味を持っており、このテストを通じて、その原理と潜在能力を理解したいと考えています。もちろん、私たちの最新の研究成果を検証するためでもあります。」


「交流テスト?」風間 悠真は眉をひそめ、口元に遊び心のある笑みを浮かべた。


「面白そうですね。どうか、あなた方の設備が十分に頑丈であることを願いますよ。」


この言葉に、朝霧 璃子と研究会メンバーたちは微かに硬直した。


風間 悠真が能力テストで機器を破壊した「輝かしい功績」は、彼らの記憶に新しいのだ。


「ご安心ください。私たちの設備は学園で最も先進的で、SSS級超能力者の攻撃にも耐えられます。」朝霧 璃子は自信を持って言ったが、内心では少しばかり不安を抱えていた。


「そうですか?それは結構。」風間 悠真は肯定も否定もしない笑みを返した。


朝霧 璃子は風間 悠真を訓練場中央の円形プラットフォームへと案内した。


プラットフォームには様々なセンサーとエネルギー発射装置がびっしりと設置されており、まるで複雑なテスト機器のようだった。


「最初のテスト項目は、エネルギー耐性テストです。」朝霧 璃子は言った。


「あなたに異なる強度のエネルギービームを発射しますので、全力で防いでください。強度は徐々に上げていきます。あなたが耐えられなくなるまで。」


朝霧 璃子の言葉が終わると同時に、プラットフォーム周囲のエネルギー発射装置が青白い光を放ち、様々な色のエネルギービームが風間 悠真に向けて発射され始めた!


そこには灼熱の炎のビーム、冷たい氷のビーム、狂暴な雷電のビーム、そして純粋なエネルギー衝撃波が含まれていた。


風間 悠真はその場に立ち尽くし、顔には淡い笑みが浮かんでいた。


彼は【真空領域】や【風の刃】といった攻撃性や制御性のあるスキルを使うことなく、ただ心の中で念じ、体内に満ちる気流の力を動かした。


目にはほとんど見えない無形の気流が彼の体を取り巻き、まるで透明な繭のように彼を包み込んだ。


「ドカン!ドカン!ドカン!」

エネルギービームは気流の障壁に激しく衝突し、耳をつんざくような轟音を上げた。


訓練場全体がその振動で揺れた。


しかし、気流の障壁はまるで堅牢な盾のように、全てのエネルギービームを防ぎ切り、微かな波紋さえ生じさせなかった。


それらの狂暴なエネルギーは、まるで泥の牛が海に入ったかのように、跡形もなく消え去った。


研究会メンバーたちの顔には驚きの表情が浮かんだ。


彼らが発射したエネルギービームは、SS級超能力者の防御を容易に破壊し、SSS級の強者にさえ脅威を与えるほどの強度だったが、風間 悠真には全く効果がなかったのだ!


彼の気流の障壁は、あらゆるエネルギー攻撃を吸収できるかのようだった!


「エネルギー強度を上げて!」朝霧 璃子は冷静に言った。


その目には興奮の光が閃いていた。


この全く予想外の結果が、かえって彼女の研究意欲を強く掻き立てたのだ。


エネルギー発射装置の光はさらに眩く輝き、発射されるエネルギービームの強度は再び上がり、速度はより速く、威力はより猛烈になった!


しかし、結果は依然として同じだった。


風間 悠真の気流の障壁は、何らかのエネルギーを飲み込む特性を持っているかのようで、エネルギービームの強度がどれほど高まっても、貫通することはなく、障壁を微動だにさせることさえできなかった。


「そんな馬鹿な!」一人の研究会メンバーが信じられないというように叫んだ。


スクリーンに表示されるデータを見ながら、「彼の気流の障壁は、全ての種類のエネルギー攻撃を完全に吸収できるというのか!?これはエネルギー保存の法則に反する!」


朝霧 璃子の眼鏡のレンズが光を反射し、彼女は風間 悠真を凝視した。


その目には狂熱が満ちていた。


この能力は、彼女の認識を完全に超え、彼女の長年の研究成果を覆すものだったのだ!


これはまさに、生きた超能力の教科書だ!


「結構です。エネルギー耐性テストは合格です。」朝霧 璃子は言った。


その口調には、新大陸を発見したかのような抑えきれない興奮が混じっていた。


「次は力場制限テストです。」


プラットフォーム周囲の装置が再び起動し、強力な、肉眼で見える青い力場が何もない空間に現れた。


それは巨大な牢獄のように、風間 悠真をその場に拘束しようとした。


これらの力場は精密に計算され、エネルギー強化されており、SSS級超能力者の行動さえ制限できるはずだった。


風間 悠真は力場の中心に立ち、その強力な束縛力を感じた。


彼は無理に抵抗せず、力ずくで破ろうともしなかった。


彼はただ心の中で念じ、体内の気流の力が特殊な方法で脈動した。


それに【法則感知】の初歩的な応用を組み合わせた。


「ブーン――」

奇妙な、形容しがたい波動が風間 悠真の体内から発散され、周囲の力場と共鳴した。


直後、研究会メンバーたちは驚愕して見た。


元々強力で安定していた青い力場が、歪み、変形し始め、まるで何らかの目に見えない攻撃を受けたかのように。


力場の縁には亀裂が現れ、そして急速に中心へと広がっていった。


最終的に、「パキッ」という軽い音と共に、全ての力場発生器が過負荷の警報を発し、強力な力場はガラスのように砕け散り、そして……崩壊したのだ!


「力場発生器オーバーロード!」

「データ異常!力場構造が完全に崩壊しました!」

研究会メンバーたちは再び衝撃に陥った。


今回の衝撃は以前よりもさらに強烈だった!


彼らの力場発生器は、研究会が最も誇る成果であり、学園で最も先進的な設備であり、SSS級超能力者の行動さえ制限できるはずだったのに、風間 悠真には全く無効だったのだ!


彼が力場を瓦解させられるというのか?


これは単に力が強大というだけでなく、エネルギー、そして空間の……掌握だ!


朝霧 璃子の眼鏡のレンズが鼻梁から滑り落ちた。


彼女はそれを直すこともせず、ただ風間 悠真を凝視した。


彼女の顔には信じられないという思いが満ちており、まるで最も起こり得ないことを見たかのようだった。


力場を瓦解させる?


これは既に空間とエネルギーの深層原理に触れているのだ!


これは普通の気流超能力では絶対にできないことだ!


「風間 悠真さん、あなたの能力は……本当に驚嘆に値します。」朝霧 璃子は心から感嘆の声を上げた。


その口調には微かな畏敬の念と、濃密な探求欲が混じっていた。


「どうやら、私たちの科学技術は、まだあなたの力を完全に理解するには至らないようです。あなたの能力は、もしかしたら私たちが現在理解できる範疇を超えているのかもしれません。」


彼女の心の中では既に決断が下されていた。


風間 悠真の能力は、いかなる研究成果、いかなる科学技術のブレイクスルーよりも価値がある。


彼自身が、生きた、最も完璧な超能力研究のサンプルなのだ!


彼女は彼とより緊密な関係を築く方法を考えなければならない。


あるいは……彼のチームに加入するのだ!


そうすることによってのみ、彼女は風間 悠真の常識を超えた力を間近で観察し、研究する機会を得られるだろう。


「朝霧会長、お褒めいただき恐縮です。」風間 悠真は微笑んで言った。


その口調は平静で落ち着いていた。


「あなた方の科学技術も素晴らしい。超能力の別の可能性を見せていただきました。もし超能力と科学技術を完璧に融合させることができれば、おそらくより強大な力が生み出せるでしょう。」


彼は知っていた。


彼が絶対的な力で、研究会の「知者」たちを征服したことを。


彼らの知識と真理への追求が、彼らを力の前に屈服させ、探求へと向かわせたのだ。


朝霧 璃子は深く息を吸い込み、その目には揺るぎない光が宿っていた。


彼女は知っていた。


これはチャンスだ。


おそらく彼女の人生の研究方向を変えるかもしれないチャンスだと。


「風間 悠真さん、私には厚かましいお願いがあります。」朝霧 璃子は言った。


その口調は誠実で真剣なものに変わっていた。


「私は……あなたのチームに加入したいのです。あなたの能力を間近で研究させていただくと同時に、私の科学技術の知識で、あなたのチームに協力させてください。私の研究成果が、きっとあなたのチームに強力なサポートを提供できると信じています。」

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