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第十二章:新たな仲間、雷の輝き

火焔山区域の空気には、依然として熱気が残っていた。


だが、烈火 如歌の内心の衝撃は、周囲の温度をはるかに凌駕していた。


彼女はその場に立ち尽くし、体内の炎のエネルギーがかつてないほど活発になっていること、そして手の届くところに感じられる「法則」の感覚を味わっていた。


風間 悠真は軽く手を振っただけで、彼女の炎の能力に質的な飛躍をもたらしたのだ。


この手腕は、彼女の理解の範疇を完全に超えていた。


彼女は風間 悠真の泰然とした後ろ姿を凝視した。


その心には、もはやクールさや疑念はなく、絶対的な力に感服した熱意と渇望だけが残っていた。


炎の法則……それは彼女が昼夜を問わず追い求めながら、しかし常にその端緒すら掴めなかった至高の境地だ。


そして目の前のこの少年は、それを感じさせたのだ!


「風間 悠真……」烈火 如歌は朱唇を微かに開いた。


その声はもはや冷たくはなく、微かな複雑な感情を帯びていた。


風間 悠真は振り返り、微笑んで彼女を見た。


「考えはまとまりましたか、烈火 如歌さん?」


烈火 如歌は深く息を吸い込み、内心の興奮を抑え込んだ。


これは千載一遇の機会だと彼女は知っていた。


風間 悠真に従えば、本当に炎の法則に触れ、自身の力を新たな頂点へと導けるかもしれないのだ。


「加入します。」烈火 如歌の声は揺るぎなく力強かった。


「嘘ではないと信じます。私をさらに強くできると。」


「もちろんだ。」風間 悠真の笑顔はさらに輝いた。


「私は決して嘘はつかない。特に、美しい人にはね。」


烈火 如歌の頬は微かに赤くなったが、すぐに平常に戻った。


彼女は甘い言葉に容易く動かされるような少女ではない。


彼女が信じるのは力だけだ。


そして風間 悠真は、既にその力を行動で証明していた。


「結構だ。歓迎する。」風間 悠真は頷いた。


「今日から、君は私のチームの二人目のメンバーだ。」


彼はすぐに烈火 如歌を生徒会へ連れて帰らず、炎の能力の修練についていくつか簡単な質問をした。


【法則感知】とシステムから提供された資料を組み合わせ、風間 悠真は烈火 如歌にいくつかの指導を与えた。


これらの指導は簡潔だったが、全て要点を突いており、烈火 如歌を目から鱗が落ちるほど納得させ、炎の理解をさらに深めた。


烈火 如歌が風間 悠真を見る眼差しには、感服の他に、さらに敬意が加わっていた。


彼は自身が強力なだけでなく、能力の向上まで指導できるというのか!


火焔山区域での簡単な交流の後、風間 悠真は烈火 如歌を連れて生徒会室に戻った。


里見 心愛は風間 悠真が烈火 如歌を連れて入ってくるのを見て、微かな驚きの色が走った。


烈火 如歌は学園で有名なクールな天才だと知っていたので、風間 悠真が彼女を連れてこれたことに感嘆したのだ。


「心愛、こちらは烈火 如歌だ。今日から私たちのチームメイトとなる。」風間 悠真は紹介した。


「こんにちは、里見 心愛さん。」烈火 如歌はクールな性格だが、風間 悠真の前では態度が明らかに穏やかになっており、里見 心愛に頷いた。


「こんにちは、烈火 如歌さん。」里見 心愛は微笑んで応じ、心の中で風間 悠真への好奇心と感服の念をさらに募らせた。


チームが形を成し始め、風間 悠真は心の中で満足を感じた。


里見 心愛は優しく善良で、チームの絆となる。


烈火 如歌は強力でクール、チームの強力な攻撃役だ。


次に、彼はチームの構成を完璧にするため、さらに異なる能力タイプのチームメイトを必要としていた。


会長の席に戻ると、風間 悠真は再び学園の能力テスト記録を開いた。


彼は次のターゲットを探す必要があった。


「システム、潜在能力SS級以上で、かつ能力が独特で、まだいかなる大規模勢力にも加入していない女性生徒を抽出してくれ。」風間 悠真は脳内でシステムに指令を下した。


「ピッ!条件に合致するターゲットを抽出中……」

システムの高効率性により、風間 悠真は大幅な時間を節約できた。


すぐに、一つのリストが彼の脳裏に現れた。


リストの人数は多くなかったが、それぞれの名前は学園のトップ天才を意味していた。


風間 悠真はこれらの天才たちの能力や資料を一つずつ確認した。


精神制御に長けた者、特殊な治癒能力を持つ者、極限まで速い速度を持つ者、そして……。


一つの名前が再び彼の注意を引いた。


それは艾莉絲だった。


雷系超能力者で、潜在能力評価はSS+級!


これは彼がこれまでに見た中で最高の潜在能力評価だった。


能力タイプは「雷電掌握」で、実戦データは非常に際立っており、驚異的な爆発力を誇っていた。


資料には彼女の性格が「活発で朗らか、情熱的で、冒険が好き。学園の『小さな太陽』だが、時に衝動的すぎて、自身の力を制御しきれないことがある」と記述されていた。


「活発で朗らか……小さな太陽……」風間 悠真の脳裏に、元気いっぱいの少女の姿が浮かんだ。


これはクールな烈火 如歌とは全く正反対のタイプだ。


彼は艾莉絲の写真を呼び出した。


写真の少女は、金色のショートヘアで、青い瞳は晴れ渡った空のようだった。


顔には輝くような笑顔を浮かべ、青春の活気に満ちていた。


「艾莉絲か……」風間 悠真の口元に興味深げな笑みが浮かんだ。


このような性格は、チームに新たな活力を与えるかもしれない。


それに、SS+級の潜在能力は、彼自らがスカウトするに値するものだった。


次のターゲットを決めると、風間 悠真は再び会長の席から立ち上がった。


「心愛、烈火 如歌。」風間 悠真は二人の少女を見た。


「私はある人に会いに行く必要がある。君たちは先に慣れておくか、生徒会の仕事を処理しておいてくれ。」


「風間 悠真様、私たちにお手伝いできることはありますか?」里見 心愛は心配そうに尋ねた。


「いや、私一人で行く。」風間 悠真は首を振った。


「君たちはまず生徒会の仕事に慣れてくれ。」


烈火 如歌は何も言わなかったが、その目には問いかけるような色が宿っていた。


「心配いらない。すぐに新しいチームメイトを連れて帰る。」風間 悠真は微笑んで言った。


その目には自信の光が宿っていた。


里見 心愛と烈火 如歌は互いに顔を見合わせ、相手の目から好奇心を読み取った。


風間 悠真が次にスカウトするチームメイトは誰なのか?


彼自ら出向くほどだとは。


システムと生徒会の資料によると、艾莉絲は最近、学園の雷暴訓練場で頻繁に訓練を行っているようだった。


そこは学園が雷系超能力者向けに設定した特殊な訓練区域で、一年中雷雨が模擬され、環境は極めて過酷だった。


学園の雷暴訓練場。


ここの空は一年中重苦しい雷雲に覆われ、稲妻が走り雷鳴が轟き、まるで本物の雷暴の中心にいるかのようだった。


強力な雷の元素エネルギーが空気中を荒れ狂い、自然の雷電領域を形成していた。


艾莉絲は興奮しながら雷の中を駆け巡っていた。


彼女の全身は眩い電光を放ち、移動するたびに「バリバリ」という電流音が伴った。


彼女はいかなる防御手段も使わず、周囲の雷電エネルギーを直接吸収し、自身の力へと変換していた。


「ハハ!もっと来い!まだまだ!」艾莉絲は大きく笑い、両腕を広げて、まるで雷暴全体を抱擁するかのように見えた。


金色のショートヘアは電光の中で舞い、青い瞳は興奮と挑戦欲に満ちていた。


轟隆ゴウロン――!」

これまでよりもさらに太い稲妻が天から降り注ぎ、直接艾莉絲の体に落ちた。


「わお!気持ちいい!」艾莉絲は驚きの声を上げたが、顔には何の苦痛もなく、むしろさらに興奮していた。


彼女の体表の電光はさらに眩く輝き、まるでその稲妻を完全に吸収したかのようだった。


彼女が雷電の洗礼を楽しんでいる時、一つの声が突如として雷暴の中に響いた。


「雷電の感覚を楽しんでいるのか?随分と刺激がお好みのようだね。」

艾莉絲は猛然と振り返り、全身の電光を輝かせながら、警戒して声のする方向を見た。


雷暴訓練場では、彼女自身以外、軽々しく立ち入る者は滅多にいないからだ。


彼女は、雷暴の縁からゆっくりと歩み寄ってくる人影を見た。


その人物は雷電防御を一切使っていないのに、周囲の雷電の影響を全く受けておらず、まるでその狂暴な雷電が彼の前では大人しくなったかのようだった。


その人物は……風間 悠真?


艾莉絲の目に微かな驚きが走った。


もちろん、彼女は風間 悠真という名前を知っていた。


最近、学園で最も話題の人物だ。


彼女も彼が能力テストで見せたパフォーマンスを見て、彼はとても強いと感じたが、雷電と気流は全く異なる力体系だと考え、彼を眼中に入れていなかった。


彼女は体表の電光を収めたが、その眼差しには依然として好奇心と警戒心が宿っていた。


「風間 悠真?ここに何の用だ?」艾莉絲の口調には活発さが混じっていたが、警戒を緩めてはいなかった。


風間 悠真は淡い笑みを浮かべ、ゆっくりと彼女の目の前に歩み寄った。


彼は艾莉絲の体内に秘められた強力な雷電エネルギー、そして彼女の天真爛漫な冒険心を感じ取った。


「艾莉絲さん、こんにちは。」風間 悠真は立ち止まり、彼女との間に安全な距離を保った。


これは彼女の体に活発な雷電が誤って彼を傷つけないようにするためだ。


「あなたにお願いがあって、私のチームに加入していただきたいのです。」


「チーム?」艾莉絲は首を傾げ、青い瞳には好奇の光が宿った。


「何のチーム?私を生徒会の雑用係に引き込もうってわけ?それなら興味ないわよ!」


彼女は明らかに生徒会には良い印象を持っておらず、面倒事を処理する退屈な組織だと思っていた。


「生徒会じゃない。」風間 悠真は微笑んで言った。


「それは……未知を探求し、限界に挑むチームだ。


あなたをさらに強くし、雷電の力を心ゆくまで楽しませるチームだ。」


艾莉絲はこの言葉を聞き、その眼差しを猛然と輝かせた。


未知を探求?


限界に挑む?


彼女をさらに強くする?


これこそが彼女が最も興味を抱くことだった!


「おお?なんだか面白そう!」艾莉絲の興味は掻き立てられ、全身の電光はさらに活発になった。


「でも、どうして私があなたのチームに入らなきゃいけないの?私一人でも強くなれるわ!」


風間 悠真は知っていた。


艾莉絲のような活発なタイプには、言葉だけでは不十分だ。


彼女が拒否できない理由を示す必要があった。


「君は本当に強い、艾莉絲。」風間 悠真は賞賛するように言った。


「君の雷電への親和力は、私がこれまで見た中で最強だ。


だが、君の力はまだ安定していない。爆発力は驚異的だが、制御力にはまだ改善の余地がある。」


艾莉絲はこの言葉を聞き、顔の笑みを微かに収めた。


風間 悠真は彼女の弱点を言い当てたのだ。


彼女は雷電の狂暴さは好きだが、時として完全に制御しきれず、自分自身や周囲の人を傷つけてしまうことがあった。


「私には、君が雷電の力を完全に掌握できるようになる方法がある。」風間 悠真は続けた。


その口調には、有無を言わせぬ自信が込められていた。


「君が驚異的な爆発力だけでなく、最も精緻な制御力をも手に入れられるように。


さらには、……雷電の法則に触れられるように。」


雷電の法則!


艾莉絲はこの言葉を聞き、まるで稲妻に打たれたかのように感じた。


彼女の体は猛然と震え、風間 悠真を見る眼差しは、好奇心と警戒心から、極度の驚愕と信じられないものへと変わっていた。


法則!


それは伝説の中にしか存在しない領域だ!


風間 悠真が、まさか彼女に雷電の法則に触れさせられると言うのか!?


風間 悠真は説明せず、ただゆっくりと手を差し出した。


体内の超能力が脈動し、【法則感知】が発動した。


彼は艾莉絲の体内で流れる雷電エネルギー、そして雷電エネルギーの奥深くに隠された、微弱な雷電の「法則」の律動をはっきりと「見る」ことができた。


そして、彼は最高級資源に含まれる純粋なエネルギーを使い、自身の【法則感知】の応用と、自身の気流能力の掌握を組み合わせ、艾莉絲を完全に狂喜させるようなことをやってのけた。


彼が軽く手を振ると、目に見えない波動が雷暴の遮断を貫き、艾莉絲の体へと落ちた。


直後、艾莉絲は恐ろしいことに、自身の体内の雷電エネルギーが、かつてない速度で、より精純で凝縮されていくのを発見した!


まるで、彼女の雷電能力の中に何かが目覚めたかのように!


彼女は雷電の掌握力が、瞬時に一段階以上向上したのを感じたのだ!


こんなこと、ありえない!?


艾莉絲は目を見開いた。


風間 悠真を見るその眼差しは、驚愕と信じられないものから、狂熱と渇望へと変わっていた。


風間 悠真は微笑みながら手を引っ込め、何も説明しなかった。


「今も、私が大言壮語していると思いますか?」風間 悠真は言った。


「私のチームに加入すれば、想像を絶するほどの向上をあなたは獲得するでしょう。


あなたの雷電は、単なる雷電ではなく、……雷電の法則となるでしょう。」


艾莉絲はその場に立ち尽くし、体内の雷電エネルギーの変化、そしてかつてないほどの強大な感覚を味わっていた。


彼女は風間 悠真を凝視した。


その眼差しは狂熱に満ち、まるで彼女を雷電の頂点へと導ける神を見ているかのようだった。


雷電の法則……これこそが、彼女が夢見ていた力だ!


「加入します!」艾莉絲はほとんど即座に叫んだ。


その口調には、興奮と期待が満ちていた。


「風間 悠真様!あなたのチームに加入します!早く!雷電の法則に触れる方法を教えてください!」


風間 悠真は、この最強チームの三人目のメンバーを成功裏にスカウトしたことを知っていた。


艾莉絲、この活発で可愛らしい雷系の少女は、まもなく彼の配下の一員となり、彼のチームに雷電の狂暴さと「小さな太陽」のような活力をもたらすだろう。

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