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第十一章:チーム結成の始動

秦野 遠山院長と長老たちとの会合は、風間 悠真にとって実り多いものだった。


彼は学園内での揺るぎない地位を確固たるものにしただけでなく、膨大な量の最高級修練資源を獲得した。


高濃度の修練室、自由に閲覧できる禁書への権限、貴重な薬物やエネルギー結晶。


これらの資源は次々と生徒会室へ運ばれ、里見 心愛によって仮整理され、その後風間 悠真が分配・使用した。


外部の十倍ものエネルギー濃度を誇る最高級修練室の環境に身を置くと、風間 悠真は自身の力がかつてない速度で増大しているのを感じた。


彼はシステムアップグレードによって得た新能力を消化し、【風の刃】や【真空領域】の用法を習得しながら、同時に史詩級能力である【法則感知】の探求を始めた。


【法則感知】は彼に新たな扉を開いたかのようだった。


彼は空気中に流れるものが単なる気流だけでなく、さらに深層に隠された元素、空間、さらには時間の波動をもおぼろげながら感知できるようになったのだ。


現時点ではまだこれらの法則を真に掌握することはできないが、感知できるだけでも、彼はこの世界の構成について全く新しい認識を得た。


彼は、力が向上するにつれて、やがてこれらの法則の本質に触れ、さらにはそれを掌中で自在に操れるようになると確信していた。


力が着実に向上し、地位も既に確立された。


風間 悠真はシステムのメインクエストと、院長から明かされた異常事態について考え始めた。


異常事態は学園の奥深くに存在する古き封印に関係しており、その場所には、院長や長老たちでさえ容易に立ち入れないという。


これは明らかに、彼一人が単独で解決できる問題ではなかった。


それに、たとえ彼が全てを圧倒する力を持っていたとしても、未知の領域を探索し、奇妙な異常事態に立ち向かう際には、異なる能力を持ち、信頼できるチームがいれば、効率と安全性が格段に向上する。


さらに重要なのは、これからの冒険において、彼は共に戦う仲間が必要であり、喜びを分かち合い、苦悩を分かち合える存在が必要だということだった。


里見 心愛は既に彼の最初の隊員となっていた。


彼女の優しさと善良さは、チームにとって不可欠な温かさとなるだろう。


そして、あらすじやシステムが時折明かす情報によれば、秘境学園には他にも強力な潜在能力や特殊能力を持つ生徒が多数潜んでおり、その中には天賦の才に恵まれた美少女も少なくなかった。


彼を核とし、メンバーの能力が互いに補完し合い、さらに……美女が揃うチームを結成することは、物語の展開に合致し、彼の個人的な好みにも適っていた。


風間 悠真は、彼の「チームスカウト計画」を始める時が来たと決意した。


彼はまず学園の能力テスト記録を調べた。


院長から与えられた最高権限のおかげで、彼は全ての生徒の詳細なデータ、能力の種類、潜在能力評価、過去の実績などを閲覧することができた。


これらのデータと、新たに獲得した【法則感知】を組み合わせることで、彼は注目すべきターゲットをより正確に選別することが可能になった。


数多くの記録の中で、一つの名前が彼の注意を引いた。


それは**烈火れっか 如歌るか**だった。


火系超能力者で、潜在能力はSS級と評価され、制御力は極めて高く、実戦経験も豊富だ。


能力テストにおける攻撃力データは、一部のベテランSS級強者に次ぐもので、しかも彼女はまだ上級生になったばかりだった。


風間 悠真の興味をさらに引いたのは、彼女に関する記録の記述だった。


「性格はクールで、人付き合いが苦手、一匹狼。力への極致を求める性格」。


このような「クール」な属性は、ライトノベルの主人公にとって、往々にして大きな攻略の余地を意味する。


風間 悠真は烈火 如歌の写真を呼び出した。


写真の少女は、炎のように鮮やかな紅い長髪を持ち、端正な顔立ちと鋭い眼差しで、近寄りがたい氷のような雰囲気を漂わせていた。


まさに「クール」系の代表だった。


「烈火 如歌か……」風間 悠真の口元に淡い笑みが浮かんだ。


彼は、これこそが彼のチームに必要なタイプだと分かっていた。


強大で、潜在能力があり、そして……容姿も優れている。


目標を定め、次にどうスカウトするかだ。


このようなクールな性格を持つ強力な天才には、通常の誘いでは通用しないだろう。


彼女が拒否できないような方法で、心から納得してチームに加わってもらう必要があった。


風間 悠真は会長の席から立ち上がった。


その目には、必ず手に入れるという決意の光が宿っていた。


「心愛。」彼は傍らで資料を整理していた里見 心愛に目を向けた。


「風間 悠真様、何か御用ですか?」里見 心愛はすぐに手を止め、彼を見た。


「烈火 如歌の最近の行動履歴を調べてほしい。」風間 悠真は言った。


「彼女に会ってみたい。」


里見 心愛は少し好奇心を抱いたが、それ以上は尋ねず、すぐに承諾した。


「承知いたしました。すぐに調べてきます。」


生徒会の資源と里見 心愛の効率のおかげで、すぐに烈火 如歌の行動履歴が風間 悠真の目の前に提示された。


彼女は最近、学園裏手の火焔山かえんざん区域で頻繁に実戦訓練を行っているようだった。


学園裏手、火焔山区域。


ここは学園が火系超能力者向けに設定した特殊な訓練場で、環境は暑く乾燥しており、空気中には活発な火の元素エネルギーが満ちていた。


烈火 如歌は一人でここで高強度の訓練を行っていた。


彼女の全身は真っ赤な炎に包まれ、手を振るたびに、灼熱の火の波を起こし、目の前の巨大な岩を炭と化させていた。


彼女の表情は集中して真剣で、まるで世界には彼女と炎しか存在しないかのようだった。


「轟!」

再び爆音が響き、数十トンもの岩が彼女の炎の衝撃によって粉砕された。


烈火 如歌は微かに息を整え、額には細かい汗が滲んでいたが、その眼差しは依然として鋭かった。


彼女は自分の力にまだ満足しておらず、さらなる強さを求めていた。


「パン!パン!パン!」

その時、近くから微かな足音が聞こえ、火焔山の静寂を破った。


烈火 如歌は猛然と振り返り、全身から炎を立ち昇らせ、その鋭い視線は炎の矢のように来訪者に向けて放たれた。


火焔山区域で、彼女の訓練場に軽々しく近づく者は滅多にいないからだ。


彼女は見知った人影が、落ち着いた足取りで近づいてくるのを見た。


その人物は……風間 悠真?


烈火 如歌の目に微かな驚きが走った。


もちろん、彼女は風間 悠真という名前を知っていた。


最近、学園中で話題沸騰の伝説的人物だ。


彼女も彼が能力テストで見せたパフォーマンスを見ており、内心では衝撃を受けたものの、気流を操る能力は彼女の炎とは全く異なる体系だと考え、さほど驚くべきことではないと、どこか邪道を行っているだけだと考えていた。


彼女は炎を収めたが、その眼差しは依然として冷たく、警戒を緩めなかった。


「風間 悠真?ここに何の用だ?」烈火 如歌は淡々とした口調で、どこかクールな雰囲気を漂わせて尋ねた。


彼女は最近頭角を現しているこの人物と、関わりを持ちたくなかった。


風間 悠真は淡い笑みを浮かべ、ゆっくりと彼女の目の前に歩み寄った。


彼は烈火 如歌の体内に秘められた強力な炎のエネルギー、そしてその眼差しに宿る不屈の精神と力への渇望を感じ取った。


「烈火 如歌さん、こんにちは。」風間 悠真は立ち止まり、彼女と近すぎず遠すぎない距離を保った。


「あなたにお願いがあって、私のチームに加入していただきたいのです。」


「チーム?」烈火 如歌の眼差しはさらに冷たくなり、まるで何かおかしいことを聞いたかのように言った。


「私はこれまで一匹狼でやってきた。チームなど必要ない。」


「いや、必要だ。」風間 悠真の口調は落ち着いていたが、有無を言わせぬ自信を帯びていた。


「あなたの炎は強い。だが、まだ完璧ではない。私には、あなたの炎をさらに強くし、炎の本質にさえ触れさせる方法がある。」


烈火 如歌はこの言葉を聞いて、その眼差しを猛然と細めた。


自分の炎をさらに強くする?


炎の本質に触れる?


これこそが彼女がずっと追い求めてきた目標だった!


だが、目の前の、ただ気流を操るだけの少年が、そんなことを成し遂げられるとは信じられなかった。


大言壮語たいげんそうごね。」烈火 如歌は冷たく言い放ち、全身から再び炎を立ち昇らせた。


そこには微かな威嚇の意が込められていた。


「竜崎 厳を倒したからといって、私に指図できるとでも思っているの?気流と炎は、異なる力体系よ!」


風間 悠真は彼女の負けず嫌いの眼差しを見て、言葉だけでは不十分だと悟った。


このような力を追い求める天才を納得させる最善の方法は、彼女が到達しえないほどの力を見せつけることだ。


彼は何も言わず、ただゆっくりと手を差し出した。


体内の超能力が脈動した。


それは狂暴な旋風ではなく、より精緻で、より深遠な波動だった。


【法則感知】発動。


風間 悠真は烈火 如歌の体内で流れる炎のエネルギーをはっきりと「見る」ことができた。


その活発な脈動、そして……炎のエネルギーの奥深くに隠された、微弱な、炎の「法則」の律動を。


そして、彼は今しがた手に入れた最高級資源に含まれる純粋なエネルギーを使い、自身の【法則感知】の初期的な応用と、自身の気流能力の掌握を組み合わせ、烈火 如歌が一生忘れられないようなことをやってのけた。


彼が軽く手を振ると、目に見えない波動が烈火 如歌の燃え盛る炎の護体を貫いた。


直後、烈火 如歌は恐ろしいことに、自身の体外の炎の護体が、瞬く間にさらに勢いを増し、色も一層純粋になり、まるで何らかの昇華を経験したかのように変化したのを発見した!


そして、さらに彼女を驚かせたのは、彼女体内の炎のエネルギーが、かつてない速度で、より凝縮され、精純になっていくのを感じたことだった。


まるで、彼女の炎の能力の中に何かが目覚めたかのように!


こんなこと、ありえない!?


烈火 如歌は目を見開いた。


風間 悠真を見るその眼差しは、冷たさと警戒心から、極度の驚愕と信じられないものへと変わっていた。


風間 悠真は微笑みながら手を引っ込め、何も説明しなかった。


「今も、私が大言壮語していると思いますか?」風間 悠真は言った。


「私のチームに加入すれば、想像を絶するほどの向上をあなたは獲得するでしょう。あなたの炎は、単なる炎ではなく、……炎の法則となるでしょう。」


烈火 如歌はその場に立ち尽くし、体内の炎のエネルギーの変化、そしてかつてないほどの強大な感覚を味わっていた。


彼女は風間 悠真を凝視した。


その眼差しは複雑で、驚愕、困惑、そしてそれ以上に……風間 悠真が示した手腕に完全に感服した、熱いものが宿っていた。


炎の法則……これこそが、彼女が夢見ていた力だ!


風間 悠真は、この最強チームのスカウトの第二歩を成功裏に踏み出したことを知っていた。


烈火 如歌、このクールで強力な火系の少女は、まもなく彼の配下の一員となるだろう。

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