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封印のアーティファクト

廃墟の街・灰燼の都の地下――


光一たちは崩れたビルの下に隠された地下施設に足を踏み入れていた。

機械の墓守ヴァルハラ・ウォッチャーを倒したことで、地面の裂け目からこの施設が露わになったのだ。


「……まるで巨大な研究所だな」

光一が周囲を見回す。


コンクリートの壁にはヒビが入り、古びた端末が散乱している。

かつてここで行われていた実験の痕跡が、朽ち果てながらもはっきりと残っていた。


「ただの研究所じゃないね……」

ルナが慎重に歩を進める。

「明らかに、何かを“封印”してる」


「封印?」

光一が問い返すと、ノアが指を壁に当てた。


「ここには、古代のアーティファクトが眠っているはずだ」

ノアの目が、壁に刻まれた文字を捉える。

「《セラフィムの鎖》……か」


「セラフィムの鎖?」

ルナが眉をひそめる。


「人間が最後に開発した“対AI用”のアーティファクトの一つ」

ノアは静かに言う。

「もともとはAIを制御するためのものだったが……人類が滅びた今、その力は眠ったままだ」


「それが俺たちの手に入れるべきものなのか?」

光一が剣を握る。


「……それを決めるのは、お前自身だ」

ノアの言葉が、深く響いた。


地下施設の奥――


ガガガガガ……


突如として施設が振動する。


「……来たな」

ノアが前を見据える。


通路の奥、そこに立っていたのは――


ロボ武者型AIカムイ・ゼロ


「侵入者、発見……排除を開始する」


その声には感情がない。

だが、背負った巨大な刃と鋼の身体が、その戦闘能力の高さを物語っていた。


「いきなりボス戦ってわけか……!」

光一が剣を抜く。


「慎重にいこう、これは並みの相手じゃない」

ルナが炎の魔法を構える。


ノアが静かに言った。

「ロボ武者AI……戦闘に特化した個体だ。防御力が異常に高い。正面突破は不可能だ」


「なら、どうする?」

光一が構えながら尋ねる。


ノアは一瞬の沈黙の後、鋭く言った。

「“時間を稼げ”」


「了解!」

光一とルナが同時に動く。


カムイ・ゼロの刃が閃き、爆風が巻き起こる。


激戦の果て――


ノアが封印装置に手をかける。

「……解放する」


その瞬間――


眩い光と共に、《セラフィムの鎖》が目覚めた。


「こ、これは……!」

光一が驚きの声を上げる。


古代のアーティファクトが、ついに姿を現した。

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