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帰還したら平行世界(べつせかい)だった  作者: ネコバーンナックル!
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現在、会議中!

”試練の間”から、俺達は別の部屋に移動した。移動した先の部屋には円卓があり、三神官様、”グレミー”様、俺、”トト”様の順に着席した。


「あの”勇者”では、魔王”ジュドー”と戦うのは不可能であろう。」

開口一番、”トト”様が正論を言ってきた。


「仮に特例で”三種の神器”を与えても、一瞬で魔王”ジュドー”に殺されるでしょうね。」

”グレミー”様の言葉に三神官様が頷いた。


「しかし、”勇者”である塩谷様でないと魔王”ジュドー”にトドメが刺せません。塩谷様が死んでしまったら、すべて終わりです。」アノー様の言葉に、部屋の空気が重くなる。


「・・・タケル君、勇者パーティーと一緒に旅して来た君に意見を聞きたい。彼らの弱さは君が一番知っているよね、君は旅の中、どうやって魔王”ジュドー”に勝とうとしていたのかな?」

”グレミー”様が真剣な目で尋ねてきた。


「・・・俺の意見としては、俺が魔王”ジュドー”と1対1で戦い”ジュドー”を瀕死状態にして、塩谷に聖剣<ヴェスパード>で首を切り落とさせるしかないかと思うのですが。」

俺の意見に全員が頷く。


「そうだな、それが一番現実的な方法だな。ただタケルよ、お前はまだその装備で戦っているのだな。」

”トト”様が俺の剣と鎧を見る。


「その剣と鎧は、エルフの森で私が魔法で強化した物ですね。タケル君の思い出の品だとは思いますが、性能的に<バルツブルーダー神殿>付近のモンスターでも苦労していませんか?」

”グレミー”様の言葉に、図星だったので黙ってしまう俺。


俺の現在の装備は、<ファストールの鎧>と<ファストールの剣>である。旅の1/4にある<アトローム城>の近くの<ミディームの街>で入手したものである。<アトローム城>で無実の罪で1回目の投獄をされた時に、”ラムール”将軍と出会い、<ランバル流剣術>を習い、”戦士”としての自信を手にしたのだが、最近は雑魚モンスターにも少し手間取っていた。気合いだけではどうにもならなくなってきていた。


「・・・やっぱり、この装備で魔王に挑むのは、無理があるよな。」俺は苦笑しながら呟いた。


「・・・タケル、もしお前が材料を採取してこれたら、俺が”三種の神器”と同等の鎧と剣を作ってやろう。」”トト”様が、そう提案してきた。


「本当ですか!ありがとうございます!!・・・それで、その材料って何なんですか?」

俺が”トト”様に尋ねると、なぜか”トト”様は気まずげだった。


「・・・<ノーチラス鉱>ですよ、”三種の神器”も<ノーチラス鉱>で製造された物です。ただ少し、いやかなり厄介な場所でしか採掘できない鉱石なのですよ。」”グレミー”様が代わりに答えてくれた。


「<アーシタ>で唯一<ノーチラス鉱>を採掘が出来る場所は、<アトランティー>族の聖地<ブルー・ル・ノーア>だけなのです。」”シー”様が続けて答えてくれた。


「<アトランティー>族は、<ノーチラス鉱>を”神”からの贈り物。自分達を聖地<ブルー・ル・ノーア>を護る”番人”と考え、外部の人間に対して非常に厳しいです。」今度は”ブック”様が答えてくれた。


「ただ、強く強靭な男だけは<アトランティー>族の集落に入れます。<アトランティー>族は<ノーチラス鉱>の影響なのか、女子しか生まれず、小麦色の肌・蒼い髪・蒼い目をしており、身体能力はかなり高く集団戦闘が得意です。初代”勇者”様の”血”も入っているので、”魔法”を使う者もいます。」”アノー”様が締め括った。


「・・・女子しか生まれない?俺の世界の<アマゾネス>みたいなものですか?それに、初代”勇者”様の”血”って言っていませんでしたか?」俺は”アノー”様に尋ねてみた。


「・・・はい、言いました。初代”勇者”様は、”三種神器”の材料の<ノーチラス鉱>を入手する為に、三日三晩<アトランティー>族に”種”を提供しました。そして魔王”ジュドー”を倒した後は、<アトランティー>族の族長の婿になって、<アトランティー>族に”種”を提供し続けたそうです。この件は、<アーシタ>の最高機密事項です。」”アノー”様が爆弾発言をした。

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