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帰還したら平行世界(べつせかい)だった  作者: ネコバーンナックル!
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異世界<アーシタ>には、初代”勇者”の物語の絵本がある。その絵本の最後にはこう書いてある。

<”勇者”は”魔王”の一瞬の隙を突き、聖剣<ヴェスパード>で”魔王”の首を切り落とし”魔王”は滅んだ。

<アーシタ>に再び平和が戻った。>と書いてある。


魔王”ジュドー”を殺すには、<アーシタの女神>”モモス”の加護を受けた聖剣<ヴェスパード>で首を切り落とすしか方法は無かった。それ以外は心臓を突き刺そうが、体を真っ二つにしようが”ジュドー”は死ななかったからだ。そして初代”勇者”から先代”勇者”までが”ジュドー”の首を切り落とす事に成功した事で、<アーシタ>の平和を維持してきた。


問題が発覚したのは<バルツブルーダー神殿>であった。

<バルツブルーダー神殿>は、初代”勇者”が”ジュドー”の首を切り落とした後、生首の”ジュドー”の言った「必ず復活する」の言葉が真実だと確信し、<アーシタ>の王達と聖剣<ヴェスパード>・聖なる盾<ヴィムシール>・聖なる鎧<フォミュラー>の”三種の神器”を製作した当時のエルフの王とドワーフの王で、次世代の”勇者”の為に建立された神殿である。


二代目から先代の”勇者”は、<バルツブルーダー神殿>で”勇者の試練”を受けて、”三種の神器”を手に入れ”魔王”ジュドー”を倒す事に成功した。今回も”三種の神器”を手に入れる為に神殿に来たのだが、”勇者”塩谷は”勇者の試練”を断固拒否した。


<バルツブルーダー神殿>に到着した時、俺達は”三種の神器”は大神官の説明を受けた後に貰えると思っていた。<バルツブルーダー神殿>に仕える神官に神殿の奥に通されると、”試練の間”という大きな広間にたどり着いた。広間の奥の壁には3つの扉があり、サッカーボールくらいの宝玉オーブが胸の高さに埋められた、幅2メートル・高さ5メートル程の石の扉が右から”赤”・”青”・”黒”の順に並んでいた。


案内をしてくれた神官が塩谷に言った。

「”勇者”塩谷様、これより先は”勇者の試練”なので塩谷様お1人でお進みください。まずは右の”赤”の宝玉オーブに手を触れて、その先で待つ”剣の神官”から”聖剣の試練”をお受けください!」


塩谷は青ざめて神官に聞いた。

「・・・あの、パーティーで戦っては駄目ですか?俺達、今までパーティーでずっと連携プレーで戦って来たんですけど。」


塩谷の大嘘に俺はあきれた。心の中で(お前らが連携プレーしていたのは、俺が倒したモンスターからのドロップしたお金やアイテムをネコババする事や、王様たちが支給してくれる俺の装備を勝手に売り払う事だろ。)と突っ込みを入れた。


塩谷の質問に、怪訝な表情で神官は答えた。

「それは無理です。この”勇者の試練”は勇者様の実力を見るのと、<アーシタの女神>”モモス”様に三種の神器の所有を認めてもらうのが目的ですから。」


(絶対無理!塩谷に”勇者の試練”は絶対に無理!!)俺が心の中で叫んだ言葉である。

俺ならまだしも、塩谷は絶対に試練に合格出来ない。こいつは<アーシタ>に来てから、まったく戦って来なかったから”レベル”と”HP”(生命力)以外は最初の城<ホワイトベス城>からあまり上昇していないからだ。


塩谷を見ると、真っ青から真っ白に表情が変化していた。

「・・・やらない。俺は絶対に”勇者の試練”なんかやらない!たける、お前やれよ!お前は元”勇者”なんだからやれるだろ!!」と俺に詰め寄りながら無茶を言って来た。


俺は神官にダメ元で聞いてみた。

「あの、すいません。俺は元”勇者”で今は”戦士”なのですが、俺が”勇者の試練”に合格して三種の神器を手に入れて、塩谷に渡すのは無理ですか?」


神官はかなり混乱した表情を浮かべ、懐から手のひらサイズの宝玉オーブを取り出して俺達に言った。

「少々お待ちください、今から三種の神器の三神官様にお聞きしますので!」と言い、後ろを向いて宝玉オーブに向かって何か話し始めた。しばらくすると、こちらに振り向き戸惑いながら言った。


「異常事態なので、三種の神器の三神官様がこちらにいらっしゃいますので、先ほどの件を聞いてもらってもよろしいでしょうか?」と言ってきた。


間髪入れず、3つの扉の前に各1つずつ転送の魔法陣が現れた。そして3人同じ顔を持つ三神官が現れた。どうやら、三種の神器の三神官様は三兄弟らしい。







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