現在、違和感を感じ中!
「さて!後片付けでもしますかね!」家の外で”グレミー”様を俺と”プルール”さんで見送った後、
俺はそう言った。
「!!あの、後片付けは私がやりますので、タケルさんは休んで下さい。」”プルール”さんが、
そう申し出てくれた。
「いやいや、疲れていないので、大丈夫ですよ。2人でやりましょう。」俺は笑顔で、”プルール”さんに
言った。
「・・・あの、この後の事もありますし、お片付けとお風呂で、私も食休みになると思いますので、私だけの方が良いかと。タケルさんも”うどん”作りで粉だらけですし、もう1度お風呂に入ってみてはいかがでしょう。」顔を真っ赤にして、”モジモジ”しながら”プルール”さんが言った。
「!!!お風呂、行ってきます!!」俺はそう言うと、早足で風呂場に向かった。
風呂の洗い場に入ると、頭の天辺から足のつま先まで、念入りに洗った。そして、半球の浴槽に入り、
カラスの行水で風呂場を出た。
「出ました!!」俺はパンツ一丁で、台所にいる”プルール”さんに言った。
「はい、こちらも片付きましたので、私もお風呂に行ってきます。・・・少し遅くなるかも知れませんが、
待っていてくれますか?」片付けが終わった”プルール”さんが、顔を少し赤くしながら聞いて来た。
「ずっと待ってます!!」俺は、即答した。
「ありがとうございます。」恥ずかしそうにそう言うと、”プルール”さんはお風呂に向かって行った。
俺は大人しく寝室のベットの上で、”プルール”さんを正座で待った。三十分が経過し、俺は”ソワソワ”して
いた。四十五分が経過し、俺は心配になって来た。
「もしかして、お風呂場で何かあったのか?」俺は、”プルール”さんの様子を見に行こうか迷っていた。
不意に、”モンシアーノ”さんの言葉を思い出す。”女の準備には時間がかかる、男が口を出すと喧嘩に
なるから、絶対に口を出すな!”と、俺に真剣に釘を刺していた気がする。
”コンコン”と寝室のドアがノックされた。
「はい!どうぞ!!」どうやら、俺の心配は杞憂だったらしい。
「スイマセン、お待たせしてしまって。」顔を赤らめながら、貫頭衣の様な服に黒い帯の”プルール”さんが
来て、ベットの上の俺の前にペタン座りをした。
「俺も、今、来たところなので大丈夫です!!」俺は嬉しくて、意味不明な返答をした。
「???」俺の意味不明な言葉に、”プルール”さんの表情が”?”になってしまった。
「スイマセン、嬉しくて取り乱しました。」俺は素直に、”プルール”さんに頭を下げた。
「ふふふ、良いですよ。タケルさん。」微笑みながら、”プルール”さんは許してくれた。
「えっと、・・・それでは、立って貰って良いですか、”プルール”さん。」
俺は、宴の始まりを”プルール”さんに言った。
「はい。」そう言って、”プルール”さんは、普通にベットの上に立った状態になった。
「!?」俺は少し驚いた。俺が言った”立つ”とは、”プルール”さんの黒い帯を解く為に両膝立の意味だった
からだ。
(あれ!?えっと、あれ!?これは俺も立たないと、帯を解けないよな?)俺はそう思い、急いで俺もベッドに立った状態になった。
「それでは、始めます。」俺がそう言うと、”プルール”さんは顔を赤くして小さく頷いた。
俺は、貫頭衣の様な服を締めている黒い帯の端を両手でゆっくり引き、帯を外し貫頭衣を脱がせた。
俺の目の前に、透き通るような白い肌、華奢体格をしているが、立派な”Cの胸の双丘”があり、今日は
”Cの胸の双丘”の真ん中に碧色のペンダントがあった。
「あれ!?綺麗なペンダントですね。」俺は、”プルール”さんに言った。
「ありがとございます。このペンダントは、<イーフリット>討伐のご褒美に”グレミー”様が私と”プルーツ”に下さった物です。肌身離さず持っていると、願いが叶うペンダントらしいです。」
”プルール”さんが、嬉しそうに言った。
「そうなんですか!良かったですね、2人共。」俺は、”プルール”さんに言った。
「・・・もしかして、ペンダントが邪魔ですか?」不安そうに、”プルール”さんが俺に聞いて来た。
「いやいや、全然邪魔じゃないので、大丈夫です。」俺は笑顔で答えたが、内心は壊したらどうしようと
思っていた。
「良かった!ありがとうございます。」笑顔で”プルール”さんが言った。
俺は微笑みながら、ゆっくり左手を”プルール”さんの背中に回して、ゆっくり”プルール”さんを
引き寄せた。”プルール”さんの”Cの胸の双丘”が、俺の胸板で”プニュン”と潰れていく。
顔を真っ赤にした”プルール”さんの左頬を、俺の掌が優しく撫でて、少し顔を上に向けさせる。
”プルール”さんは、意途を察して両目を閉じた。
俺は、”プルール”さんの小さくて柔らかそうな桜色の唇に、”チュム”と自分の唇を重ねた。そして、一分ほど
お互いの唇の感触を楽しみ、舌先で”プルール”さんの前歯をノックした。ノックした!?ノックした???
(あれ!?”プルール”さんが、お口を開いてくれない?何故?)俺は、内心焦っていた。
もう一分ほど唇を重ねていたが、”プルール”さんのお口が一向に開かないので、俺は唇を離した。
「あの、”プルール”さん。”プルール”さんと舌を戯れさせたいので、お口を開けて貰って良いですか?」
俺は苦笑しながら、”プルール”さんに聞いた。
「ふぁい!!」顔を真っ赤にして、恥ずかしいのか目が潤んでいる”プルール”さんが言った。
俺はもう1度、”プルール”さんと唇を重ねた。舌先で”プルール”さんの前歯をノックすると、今度はお口を開けてくれた。俺の舌先が、”プルール”さんの舌先に触れると、”ビクン”を”プルール”さんの身体が震えて、目が
見開かれた。そして、”プルール”さんの見開かれた瞳から、”ポロポロ”と涙が零れた。
「あれ!もしかして、嫌だった?”プルール”さん。」”ポロポロ”と涙が零れるのを見て、俺は急いで唇を
離して”プルール”さんに聞いた。
「いえ!そんな事ありません、嬉しいです。ただ、ちょっとビックリしただけです!!」頭を左右に激しく
振り、否定してくれる”プルール”さん。
(ん~!?何か、今朝の”プルール”さんと反応が違う様な?まさか”プルーツ”さん?)俺は違和感を感じた。
俺は”プルール”さんの後頭部から毛先に向けて、右手の人差し指から小指までを滑らす。1度も引っ掛からずに指が毛先まで行った。絹の様な”サラサラ”とした長い金髪である。この感触は完璧に”カツラ”では無い。
”プルーツ”さんが、”プルール”さんに変装している可能性は無くなった。
また不意に、”モンシアーノ”さんの言葉を思い出す。”女心は、夜の”月”と一緒だ。昨日と今日とでは少し
ずつ違ってくる。そこを見抜けないと駄目だぞ”と、俺に真剣に釘を刺していた気がする。
俺は”モンシアーノ”さんが言っていた事とは、この事かと感心する。流石、俺の”人生”の先生。
「・・・あの、どうかしましたか?」顔を真っ赤にしたまま、”プルール”さんが聞いて来た。
「いや、長くて綺麗な髪だなって思いまして。」俺は、微笑みながら答えた。
「タケルさんは、長い髪と短い髪のどちらが好きですか?」少し淋しそうに、”プルール”さんが聞いて来た。
「う~ん、心優しい美人と美少女なら長さは関係無いかな、<ポニーテール>は好きだけど。」
俺は、素直に答えた。
「!!そうなんですか、良かった。」嬉しそうに、”プルール”さんが微笑んだ。
その笑顔が可愛かったので、俺は右手を”プルール”さんの後頭部に回して、激しく唇を貪った。そして、
お互いの舌を激しく戯れさせた。
時折、”ビクン”、”ビクン”と”プルール”さんの身体が震え、ついに腰が抜けた様に”ガクン”と身体全体が
落ちた。俺は予測していたので、”プルール”さんの身体を支え、ペタン座りさせた。
「大丈夫ですか?”プルールさん。」俺は、真っ赤になって放心状態の”プルール”さんに聞いた。
「ふぁい、大丈夫です。」全然大丈夫じゃない、”プルール”さんが答えた。
俺は改めて、目の前のペタン座りをしている”プルール”さんを見た。恥ずかしさで顔を真っ赤にして、視線を左下に落として、俺と視線を合わせてくれない。ペタン座りしている両膝の横のシーツを両手で”ギュッ”と
握りしめて、恥ずかしさに耐えている様に見える。
ムニュン、ムニュン、ムニュン、ムニュン、ムニュン、ムニュン、ムニュン
俺は予告なしで、両手で”プルール”さんの”Cの胸の双丘”を包み込むように、優しく揉んだ。
”ハリ”というか”弾力”のある、良い”胸の双丘”である。
「!!ちょっと、ちょっと待って、タケルさん!!急に・・触っちゃ・・ダメ!!」
顔を真っ赤にして、俺の両手首を”プルール”さんが、両手で掴んで離そうとした。
「触っちゃダメですか?」俺は”プルール”さんの”Cの胸の双丘”を、優しく揉みながら聞いた。
「ダメじゃないけど、ダメです!!」恥ずかしさで、涙を”ポロポロ”零しながら”プルール”さんが言った。
(・・・う~ん。やっぱり異世界なのかなあ?)俺は頭の中で思考を巡らせた。
「・・・あの、”プルール”さん。お願いがあるのですが。」俺は”プルール”さんの”Cの胸の双丘”から、
ゆっくりと両手を離して”プルール”さんに言った。
「えっと、何でしょう?タケルさん。」恥ずかしさで両目に涙を溜めながら、”プルール”さんが答えた。
「<パフパフ>をして下さい。」俺は笑顔で、”プルール”さんに頼んだ。
「!!えっと<パフパフ>ですか?」”プルール”さんは驚き、再び両膝の横のシーツを両手で”ギュッ”と
握りしめた。
「はい、今朝の<パフパフ>がとても良かったので、今夜もお願いします。」
俺は笑顔で、再び”プルール”さんに頼んだ。
「・・・あのスイマセン、少し体調が悪いので<パフパフ>は出来ません。ごめんなさい。」
視線を右下に落として、”プルール”さんが言った。心なしか身体が小さく震えている。
「”プルール”さん、<パフパフ>って何?」俺は少し淋しそうに、”プルール”さんに言った。
「!!!・・・えっと、<パフパフ>は、えっと・・・。」
俺の言葉に、”プルール”さんが顔を上げた。顔面蒼白で、視線が定まっていない。
「・・・・・”コレ”かな。」沈黙して固まってしまった”プルール”さんの胸元のペンダントを、俺は右手の
人差し指と中指で”クイ”っと少し持ち上げる。
”プルール”さんは、顔面蒼白で固まったままだった。
「・・・”プルール”さんではありませんね。”プルーツ”さんですか?」
俺は静かに、”プルール”さんに尋ねた。
俺はエルフの里に来る少し前に、事件に巻き込まれた。夜中に俺が<キャスバー城>近郊で、水の四天王
”ガデース”と死闘を繰り広げていた同時刻、<キャスバー城>で国宝<アークシーズ>が俺に盗まれるという
事件が起きた。水の四天王”ガデース”を俺と<キャスバー城>の騎士”サンダス”で半殺しの目に遭いながら
倒したが、俺と”サンダス”は意識を失いその場で倒れてしまった。次に目を覚ましたら、俺は地下牢に入って
いた。人生2度目の投獄である。
看守に投獄の理由を聞くと、国宝の<アークシーズ>を俺が盗み、<アークシーズ>を持ったまま逃げる姿を城の人間が何人も見ているとの事。しかし、同時刻に水の四天王”ガデース”と戦闘をしている、俺と”サンダス”の姿も何人も見ているので、尋問も拷問も出来ずに王様が困っていると教えて貰った。
俺が地下牢に入れられて1週間後、あっさり事件が解決した。大臣の娘が<アークシーズ>を持っていたからだ。<アークシーズ>が盗まれた夜、”勇者”塩谷は城を抜け出し大臣の娘と一晩愛し合っていた。そして、
早朝に大臣の屋敷を出る時に、大臣の娘に婚約の証として<アークシーズ>を渡したのだ。
”勇者”である自分は王様に、秘密裏に<アークシーズ>を譲り受けた。だから、魔王を討伐して帰って結婚するまで、<アークシーズ>の存在を他人には教えないでくれと塩谷は言ったのだが、大臣の娘は我慢する事が
出来ずに、昨日のお茶会で友人に<アークシーズ>と”勇者”塩谷との結婚を自慢してしまい、あっさり事件が
解決した。
俺はすぐに<ハイ・ポーション>を与えられ、身体は全回復した。そして、国王の間に行くと、後ろ手に拘束された塩谷が見えたので、王様や家臣の前で動かなくなるまで半殺しにし、<ハイ・ポーション>で全回復
させて、事件の全てを王様や家臣の前で自白させた。
塩谷は、一握りの”勇者”しか使えない魔法<コピール>と<ピッキー>を使ったらしい。本来、<コピール>は自分より強い人間に変身して、戦いを優位にする魔法である。俺で言えば、”ラムール”将軍に変身して戦える
反則の様な魔法である。<ピッキー>は鍵開け魔法である。例え<魔王城>の宝箱でも簡単に解除できるほどのレアな魔法である。なんでこんなクズ”勇者”に、こんなレア魔法が覚えられるのか理不尽でしょうがない。
俺はもう1度、塩谷を半殺しの目に遭わせて、理不尽な事件を終わらせた。
「”プルーツ”さんなのでしょう?俺は最近、”勇者”が俺に変身して事件を起こしたので、なんとなく分かるの
ですが。」俺は困った様に、目の前の”プルール”さんに言った。
「・・・・・」目の前の”プルール”さんは、顔面蒼白で黙ったままだった。
「あの、”プルーツ”さん?」俺は困った様に再び、目の前の”プルール”さんに言った。
「・・・タケルもやっぱり、”プルール”の方が良いの?」目の前の”プルール”さんが、震えながら呟いた。
「・・・えっと、”プルーツ”さん。」俺が目の前の”プルール”さんが、”プルーツ”さんである事を確信した。




