現在、ミサイル襲来中!
俺は、真紅の刀身を向けて来る人物を見た。左手で炎を纏った真紅の剣を、俺に突き付けていた。
赤い髪に赤い目、白い<ヘッドギア>の右側が血に染まっている。顔面の右側も大量の血で、右目が見えて
いない様だ。赤毛の男を、回復魔法をかけていた桃色の髪の女性が右側から支えているが、右手の前腕が
変な方向に曲がっている。右足全体がぶるぶる震えている、多分、激痛なのであろう。
「・・・えっと、病院へ行った方が良いですよ。」俺は忠告した。
「うるせえ!!テメエ、何勝手に俺のえも・・ゲフォ・・ガハ・・ゲフォ・・」
ガシャン! ボタタタタ・・・
赤い髪の男は台詞の途中でむせだし、左手の剣を放り出して口を塞いだが、吐血が溢れて地面に落ちた。
「あ~、経験者の俺が言いますが、その吐血は内臓が損傷していますよ。内臓損傷による出血死もあります
から、急いで回復魔法か<ポーション>を使った方が良いですよ。」俺は、吐血の怖さを教えてあげた。
「”陸”、早くこれを飲んで!」
桃色の髪の女性が、腰の後ろのポーチから<ポーション>を取り出し、<ポーション>の飲み口を
開封して、”陸”と呼ばれる赤い髪の男に飲ませた。
”陸”の身体が、白い光に包まれ光が消えると、怪我が癒えたのか自分で立っていた。
回復の強さから、<ポーション>ではなく、<ハイ・ポーション>なのであろう。
確か、<ハイ・ポーション>1本の値段が100万円だったはず、金持ってんなあ<アズナブル>と思った。
「サンキュー!”まつり”。助かったぜ!!」
右腕で、顔の血を拭いながら、”陸”は”まつり”という女性に礼を言った。
右手で真紅の剣を拾い上げると、再び、俺に付きつけて来た。
「テメエ!俺が討伐するはずだった<サイクロプス>を、何勝手に討伐してんだ!!」
”陸”が激怒しながら、俺に怒鳴って来た。
「・・・いや君、<サイクロプス>にブッ飛ばされて、無様に地面に転がっていたじゃん。」
俺は、真実を言った。
「ちょっと!本田さん、言い方!もうちょっと言い方を考えて下さい!!」
”五十嵐”さんが、焦りながら言って来た。
「・・・テメエ、”ハンター”はランク”E”までしか討伐できないのは知っているか?お前は、ランク”D”の
”勇者”の領域にちょっかいを出したんだ、それなりの厳罰は覚悟しているんだろうな!」
血走った眼で、”陸”は俺に怒鳴りつけた。
「・・・いや、俺が<サイクロプス>を討伐しなければ、君達は全員死んでいたじゃん。」
俺は再び、真実を言った。
「違う!!俺が回復して、<サイクロプス>を討伐する予定だったんだ!!」無茶苦茶な事を”陸”が言った。
「・・・”予定は未定であって決定ではない”って無責任な艦長が言っていたな。」
俺は、<無責任艦長 タイラ○>の名言を思い出していた。
「ちょっと!本田さん、<アズナブル>の人を煽るのは、止めてください!!」
”五十嵐”さんが、俺の腕を”ぐいぐい”引いた。
「いや、煽ってないけど。ただ、この人が言っている事は、本当に無茶苦茶だよ。」
俺は呆れながら、”五十嵐“さんに言った。
「分かりました、私が<アズナブル>の方と話すので、本田さんは静かにしていて下さい。」
俺は、”五十嵐”さんに釘を刺されてしまった。
「<(株)藤原モンスターバスター>の”五十嵐”です。リーダーの方はいらっしゃいますか?」
”五十嵐”さんが、<アズナブル>の”勇者”達に聞いた。
「俺が、<チーム焔>のリーダーの”大野 陸”だ!お前ら、覚悟は出来ているんだろうな!」
”陸”が喧嘩腰で言って来た。
「何の覚悟です?ルールに基づき<サイクロプス>を討伐しましたが?」冷静に”五十嵐”さんが言った。
「・・・お前、馬鹿か?さっきも言ったが、<サイクロプス>はランク”D・プラス”だ。”ハンター”は
討伐しちゃいけねーんだよ!」”陸”が、勝ち誇った様に言った。
「特例を御存知ですか?1つは、逃げ場のない場所で、ランク”D”と遭遇した場合は戦闘して良い。
これは戦わなければ、確実に死亡するので戦闘が許可されます。もう1つは、ランク”D”を倒せる”ハンター”がいて、その”ハンター”が所属する会社と契約している会社が、ランク”D”のモンスターによって、被害を被る危険がある場合、契約している会社の最高責任者の依頼で討伐可能になります。今回、我が社はこのケース
なので、何も問題は無いはずです。」冷静に、”五十嵐”さんが返した。
「・・・・・だが!」”陸”が反論しようとした。
「だが!何です?」カウンターで、冷たい眼差しをした”五十嵐”さんが、”陸”の反論を沈めた。
「おおおお!凄い!流石、物を知らない俺をサポートする為に、会社が寄越した才女!!」
俺と”若本”社長が拍手をしながら、”五十嵐”さんを称えた
「・・・く・・・・く・・。」”陸”は怒っているが、何も言い返せなかった。
ヴォンヴォンヴォンヴォンヴォン!!エンジンを噴かす音が鳴り響いた。
後方から、”ハンター”車線”を1台の車がエンジンを鳴らしながら来て、俺達の横に駐車した。
<EV○>の”ミサ○”さんが乗っている車に似ていた。ただ、車体の色は黒で、”ファイヤーパターン”が
施されていた。
運転席から、銀髪の女性が出て来た。肩まである髪を頭の横に、竹箒の先の様な形で左右に留めていた。
「・・・嘘!<双雷のミサ>ですよ!」女性を見て、”五十嵐”さんが興奮気味に言った。
「有名な人なの?」俺は、”五十嵐”さんに聞いてみた。
「物凄く有名です!”A級勇者”の<双雷のミサ>です!。雷魔法が得意で、雷属性の双剣使い。疾風迅雷の動きから、<双雷のミサ>と呼ばれています!!」”五十嵐”さんが、再び興奮気味に言った。
俺は、<双雷のミサ>を良く見てみた。竹箒のサイドのツインテール、小麦色の肌、赤い目、175センチ位で俺の勘では年齢は25.26歳位だと思う。
黒いジャンパーを腕までまくり、手首と手の甲を護る銀色の<アームプロテクター>、腹を護る銀色の
<ボディープロテクター>、灰色の”タイトパンツ”に、膝を護る銀色の<ニープロテクター>、
足首と足の甲を護る銀色の<レッグプロテクター>を装備していた。
<双雷のミサ>の一番の特徴は、立派な”Fの胸の双丘”の持ち主である事。しかも、ミサイル型。
俺の人生で、一番大きかったのはドワーフ族の”ルルーカ”さんの”Eの胸の双丘”だったが、上を行く女性に
出会えるとは、世の中はまだまだ広い。
<双雷のミサ>は、”ゆさゆさ”をミサイルを揺らしながら、愛車のボンネットに移動し腰を下ろした。
「”大野”、報告しろ。」腕を組みながら、<双雷のミサ>は”大野”に言った。
「報告します!」青い顔をしながら、<双雷のミサ>の前に”大野”は移動した。
「<チーム焔>が、<サイクロプス>と交戦。交戦し優位に戦闘をしてましたが、そこの”ハンター”が
急に乱入し、<サイクロプス>を討伐してしまいました。」”大野”が、とんでもない事を言い出した。
「!!ちょっと待って下さい!!」”大野”の発言を、”五十嵐”さんが訂正しようとした。
「今は、報告の最中だ。口を挟まないで貰おう。」<双雷のミサ>が、”五十嵐”さんを一睨みして黙らせた。
”五十嵐”さんは、委縮して黙ってしまった。その様子を”大野”が”にやにや”と笑みを浮かべているのが、
俺は気に入らなかった。
「”五十嵐”さん、<アズナブル>の反省会に口を出すのは辞めよう。反省する事は山の様にあるから、時間が
かかると思うし、俺達は<サイクロプス>と<バニング・ドック>を<キューブ>に回収して、<虎屋>の
”どら焼き”でお茶して、帰ろう。」俺は、笑顔で”五十嵐”さんに言った。
「おい!ちょっと待て!」<双雷のミサ>が、俺を睨みながら言って来た。
「何か用か?”ミサミサ”。俺達は忙しいのだが。」俺は迷惑そうな顔で言った。
「誰が”ミサミサ”だ!勝手に<サイクロプス>を持って行くな!」怒りながら、<双雷のミサ>が言う。
「俺が倒したんだ、俺の<サイクロプス>だろう。それに、そこの馬鹿が言った”優位に戦闘”ってのは、
体の表面を少し焦がして、脛に小さな切り傷を作る事を言っているのか?それを”優位な戦闘”と言うのか
<アズナブル>では?」俺は、馬鹿を見る目で<双雷のミサ>を見ながら言った。
<双雷のミサ>が、”大野”を睨み、”大野”は震えあがっていた。
「さて、”五十嵐”さんは<キューブ>を起動して下さい。俺は、<バニング・ドッグ>の斬り飛ばした身体を
集めておきますので。」俺は、”五十嵐”さんに指示を出した。
「ちょっと待てと言っている!」苛立ちながら、<双雷のミサ>が言う。
「何、俺達に命令しているんだよ”ミサミサ”?俺達<アズナブル>の人間じゃないんだよ?命令するなよ。」
俺は、<双雷のミサ>の命令を突っぱねた。
「いいか!ランク”D”のモンスターは、<アズナブル>が管理しているんだ。勝手に持って
行くんじゃない!!」<双雷のミサ>が怒鳴った。
「それは嘘だな!!」俺は怒鳴り返した。
「特例で、逃げ場が無い時に、ランク”D”のモンスターと戦闘して、勝利した場合はモンスターの所有権は
誰にあるんだい?”五十嵐”さん!」俺は、”五十嵐”さんに聞いた。
「それは、倒した”ハンター”に所有権があります。」”五十嵐”さんが答えた。
「特例で、ランク”D”のモンスターが契約している会社を破壊しようとして、そこの会社の社長にお願い
されて、討伐した場合はモンスターの所有権は誰にあるんだい?”五十嵐”さん!」
俺は再び、”五十嵐”さんに聞いた。
「それは、倒した”ハンター”に所有権があります。」”五十嵐”さんが、笑顔で答えた。
「今回の、<サイクロプス>が”若本”社長の会社を破壊しようとして、”若本”社長が俺に討伐をお願いして、
俺が討伐したら<サイクロプス>の所有権は誰にあるんだい?”五十嵐”さん!」
俺は、トドメの質問を”五十嵐”さんに聞いた。
「それは、<サイクロプス>を倒した本田さんに所有権があります。」”五十嵐”さんが、満面の笑顔で
答えた。
「つまり、そう言う事だから。あの<サイクロプス>は俺の物だから。分かった?”ミサミサ”。」
俺は、勝ち誇った様に<双雷のミサ>に言った。
「・・・・・なるほど、よく分かった。」<双雷のミサ>が呟いた。
「分かってくれたか!”ミサミサ”。」俺は笑顔で言った。
「・・・ああ、お前達が<アズナブル>に喧嘩を売っている事をな・・・」そう<双雷のミサ>が言った。
その台詞に、”五十嵐”さんが青くなる。
「何、言っているんだ?”ミサミサ”。真実を言っている事が、何で喧嘩を売っている事になるんだ?」
俺は再び、馬鹿を見る目で<双雷のミサ>を見ながら言った。
「!!その、”ミサミサ”ってのを辞めろ!!お前達は<アズナブル>に喧嘩を売った!それが事実だ。」
<双雷のミサ>は、怒り狂っていた。
俺は、腰の後ろに付けている<医療パック>の中から、ある”モノ”を取り出した。
「テレレレ♪テッテ♪テ~ン♪」<ドラえも○>の秘密道具を出す効果音を俺は言った。ただし、
平行世界には、<ドラえも○>は存在しないので、全員が”?”マークを浮かべていた。
「”チューイングガム型・ボイスレコーダー”!!」俺は、<ドラえも○>の声マネをして”切り札”を出した。
<双雷のミサ>の顔が青くなり、口をパクパクさせていた。
「どうしたんだい?”ミサ太”君。顔色が悪いよ!まるで、悪い事がバレてしまった様に、顔が青いよ。」
俺は、<ドラえも○>の声マネを続けた。
「僕は、<サイクロプス>と<バニング・ドッグ>を回収して、”若本”社長に大好物の<虎屋>の”どら焼き”を御馳走して貰うんだ。邪魔をするなら、マスコミに”ボイスレコーダー”を売っちゃうよ、”ミサ太”君。
”ミサ太”君が権力を振りかざして、”ハンター”を苛めている所は、バッチリ録音できているよ。これ以上、
僕を怒らせないでね、”ミサ太”君。」
俺は、<双雷のミサ>に<ドラえも○>の声マネで命令した。
「・・・・・<チーム焔>、撤収だ。急げ・・・」
苦虫を噛み潰したように、<双雷のミサ>が命令を出した。
「!!了解しました。<チーム焔>全員、撤収!!」”大野”が命令を出し、急いで撤収して行った。
<双雷のミサ>も自分の愛車の運転席に乗り込み、エンジンを噴かした。
「・・・お前、覚えていろよ。」<双雷のミサ>が運転席から、睨みながら俺に言った。
「お前こそ覚えておけ、お前が俺のパートナーである”五十嵐”さんを睨んだから、こうなったんだ。
人を責める前に、自分の行動を責めろ。」
"チューイングガム”を見せつけながら、俺は、睨み返しながら言った。
「・・・・・」<双雷のミサ>は何も言い返せず、<アズナブル>に帰って行った。
「さて!さっさと回収しますか!」俺は、笑顔で”五十嵐”さんに言った。
「大丈夫ですかね、<双雷のミサ>大激怒でしたよ。」”五十嵐”さんが、心配そうに言った。
「大丈夫ですよ、<アズナブル>は大きな組織ですから、マスコミ世論には弱いんですよ。」
俺はそう言って、”チューイングガム”の”あけくち”を探して、ガムを2枚取り出して”五十嵐”さんに渡す。
「それ!!本物の”チューイングガム”なんですか!?」”五十嵐”さんが、受け取りながら言った。
「そうですよ、今朝、出勤の時に”千歳”ちゃんにコンビニに寄って貰って、トイレを貸して貰った時に、
マナーとして買った”チューイングガム”です。」俺も2枚ガムを噛みながら言った。
「じゃあ、<双雷のミサ>は、”チューイングガム”に負けたんですか。」笑いながら、”五十嵐”さんが言う。
「まあ、正面から戦うだけが能じゃない、たまには”ハッタリ”も有効という事です。」
俺は”ブルーベリー”味は、正解だったと思いながら言った。
「フフフフ、勉強になりました。」そう笑顔で、”五十嵐”さんが言った。。
「そう言えば、<双雷のミサ>の本名って、何って言うのですか?」俺は、”五十嵐“さんに聞いた。
「<双雷のミサ>の本名は、”三石ミサト”です。”勇者パーティー”内で”ミサ”と呼ばれていたので、そのまま
通り名が<双雷のミサ>になったらしいです。」”五十嵐”さんが、教えてくれた。
<セーラ○ムーン>と<EV○>の”ミサ○”さんの声優さんに、似ている名前だった。
餓狼伝○の”不知火マ○”ちゃんの声優も同じだったはず、そして、”不知火マ○”ちゃんも、立派な”Fの胸の
双丘”の持ち主である事。しかも、ミサイル型。
「やっぱり、世の中はまだまだ広い。」俺は、しみじみ言った。
「どうかしましたか?」”五十嵐”さんが、聞いて来た。
「今度、<双雷のミサ>に逢ったら、”月に代わってお仕置き”されるなあって思って。」
俺は、笑いながら言った。
「!?・・・何で”月”なんですか?」”五十嵐”さんが、質問して来た。
「それは、秘密だよ”葵”ちゃん。」俺は、<ドラえも○>の声マネをした。
「・・・”葵”ちゃん。」”五十嵐”さんが、呟いた。
「スイマセン、年上の女性に”ちゃん”は、マズイですよね。」俺は、焦って謝った。
「女性に、年齢の話をするのは、セクハラですよ。」
”五十嵐”さんは少し拗ねて、俺の右腕を抓る
「スイマセン!以後、気を付けます!」俺は、素直に謝った。
「私も、”千歳”さんの様に、下の名前で呼んで下さい。パートナーなんですから。」
俺の右腕を抓りながら、”五十嵐”さんが言う。
「いや、でも、急に。」俺は、焦りながら答えた。
「”あ”・”お”・”い”、私の下の名前を言って下さい!」
まだ俺の右腕を抓りながら、”五十嵐”さんが言う。
「・・・”葵”さん、俺も下の名前で”タケル”でお願いします。」俺は、観念して言った。
「よろしい!これからも、よろしくね。タケル君!」そう言った、””葵”さんの笑顔は、素敵だった。
その後、<サイクロプス>と<バニング・ドッグ>を回収して、”若本”社長に<虎屋>の”どら焼き”を
御馳走して貰い、俺と”葵”さんは、<(株)藤原モンスターバスター>へ帰還する為に、<サポート車>に
乗り込んだ。




