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帰還したら平行世界(べつせかい)だった  作者: ネコバーンナックル!
23/46

現在、就職活動中!

俺は、”恵”さんと”三橋”さんの先輩がバイトする”牛丼屋”<牛野屋>の駐車場に来ていた。


俺の世界の<吉○家>と違って、駐車場に建っている柱の看板には、四角いオレンジ色の下地に”牛”という達筆たっぴつで書かれた1文字だけである。そして、一番俺が目を奪われたのは、店舗の窓に張られている

”イメージキャラ”であった。


「・・・あの、お店の窓に何かのキャラクターが見えるのですが、あれは誰ですか?」

俺は二人に尋ねてみた。


「あれは、”牛丼”大好き、<牛丼マン>ですよ!子供の頃、よくTVで観てました。」

”三橋”さんが答えてくれた。


<牛丼マン>このキャラクターは、<キ○肉マン>にそっくりである。”肉”の文字が”牛”になっていて、頭の横に、肌色の<バ○ファローマン>の角が付いて、青い”レスリング”の衣装を着ていた。


「俺の世界にも、<吉○家>って”牛丼屋”があって、アニメで”<キ○肉マン>という、牛丼”が大好きな

”プロレスラー”がいますよ。”牛丼愛好会会長”でもあります。」俺は二人に言った。


「もしかして、”牛丼音頭ぎゅうどんおんど”もあります?」”三橋”さんが言った。


「こっちにもあるの!”牛丼音頭ぎゅうどんおんど”!!」”三橋”さんの言葉に、俺は驚いた。


「へ~、歌ってみてよ、本田さん。」”恵”さんから、歌のリクエストが来た。


「牛~丼、一筋300年♪ 早いの、美味いの、安いの~♪って歌なんだけど?」俺は歌って見せた。


「う~ん、こっちとはやっぱり、全然違いますね。じゃあ、こっちの”牛丼音頭ぎゅうどんおんど”を見せますよ!」

そう言って、”三橋”さんは、両手を胸の高さにして、両手に”牛丼”を持っている格好をした。


「え!ここで踊るの?”保典やすのり”!?」”恵”さんは、少し嫌そうだった。


「ギュ・ギュ・ギュ・ギュ・牛丼~♪ 早い・美味い~♪ ギュ・ギュ・ギュ・ギュ・牛丼~♪

 早い・美味い~♪食え・食え・食え~♪」”三橋”さんが歌いながら、キレのある踊りを見せてくれた。


「!!」俺は”三橋”さんの歌のメロディーと踊りの振り付けに衝撃を受けた。

(<金色こんじき○ガッシュベル>の<チチ○もげ>のメロディーと振り付けだ!!)


「斬新な踊りと歌ですね!」俺は平静を装い、感想を言った。


「ありがとうございます!」”三橋”さんは得意げに答えた。


俺達三人は、駐車場から<牛野屋>店舗の中に入って行った。


「いらっしゃいませ~。いらっしゃい、”保典やすのり”に”恵”ちゃん。」

店のカウンターの中から、長い黒髪を下の方で束ねた店員が出迎えの挨拶をしてくれた。


「こんにちは!”リュウ”先輩!3名なのですがいいですか?」”三橋”さんが”リュウ”さんに挨拶をした。


「今はヒマな時間帯だから、好きなところに座って。ところで、こちらの方は?」”リュウ”さんが俺を見た。


「えっと、本田さん。こちら俺達の先輩の”リュウ”先輩。本名は、”山寺やまでら 龍一りゅういち”さん。色々と頼りになる先輩です。」”三橋”さんが”リュウ”さんを紹介してくれた。


「初めまして、”山寺”です。」そう笑顔で挨拶して来てくれたが、目の奥に俺を探っている気配がした。

まあ、可愛い後輩が、筋肉隆々でパッツンパッツンの服を着た、変な男を連れていたら当然かもしれない。


山寺やまでら 龍一りゅういち”さん、黒い髪に黒い目をして身長195センチ、背中の真ん中位まであるロングヘヤーを下で束ねていて、丸目。<牛野屋>の制服に包まれているが、筋肉隆々である。


(この人、かなり強い。<アトランティー>族の”グランディ”さん並みの戦闘力を持っているな。)

今この人と戦ったら、絶対負けると確信があるので、当たりさわりの無い答えをした。


「初めまして、本田です。行き倒れている所を、”三橋”さんと”恵”さんに助けてもらい、”牛丼”を御馳走ごちそうしてもらえる事になりました。」俺は正直に答えた。


「へ~。えらいじゃないか、”保典やすのり”に”恵”ちゃん。」厨房の方から別の男性が声を掛けて来た。


「”トラ”先輩、お疲れ様です。本田さん、こちら”堀内ほりうち 虎太郎こたろう”先輩!」

”恵”さんが”トラ”さんを紹介してくれた。


「初めまして、”堀内”です。」こちらも笑顔で挨拶して来てくれたが、やっぱり俺を探っている気配がした。


堀内ほりうち 虎太郎こたろう”さん、茶色の髪に茶色の目をして身長180センチ、ツーブロック、丸目。

<牛野屋>の制服に包まれているが、細マッチョである。


(この人も”リュウ”さんと同等位の戦闘力を持っている。何なんだ、この<牛野屋>は?実力者が2人も!)


「あの!”リュウ”先輩、”トラ”先輩、本田さんは、ここに来るまでに大変なひどい思いをして来たんです。だから俺達は”牛丼”をおごるんですが、俺達バイトの給料日前なので、あまりお金が無いんです。だから、お二人の采配さいはいで、”牛肉の量”を増やして頂けないでしょうか!」

”三橋”さんが2人の先輩にお願いしてくれた。隣で”恵”さんも両手を合わせて”お願いポーズ”をしている。


カウンター内で、”リュウ”さんと”トラ”さんは顔を見合わせ、お互い微笑んだ。


「可愛い後輩に頼まれちゃあ、しょうがないよな”リュウ”?」”トラ”さんが聞いた。


「俺達は、バイト歴が長い。それぐらいどうにか出来るさ。」”リュウ”さんが答えた。


「ありがとうございます!!」俺と”三橋”さんと”恵”さんが2人に礼を言った。


俺と”三橋”さんと”恵”さんは、カウンターが見える窓際の4人掛けのボックス席に移動した。


俺は、”牛丼”並みと生卵2つを2セット注文してもらった。2人には負担になってしまうが、俺は生卵をかけないと、しょっぱくて”牛丼”が食べられないのだ。2人は快諾かいだくしてくれたが、心苦しい。


少しして、”リュウ”さんと”トラ”さんが俺達の注文した”牛丼”達を運んで来てくれた。


俺の前には、”牛丼”特盛の”牛肉の量”3倍、生卵2つを2セット、”三橋”さんと”恵”さんの前には、

”牛丼”大盛りの”牛肉の量”2倍の生卵が置かれていった。俺達3人とも、”牛丼”並みを注文したのにである。


俺達3人が驚いて、”リュウ”さんと”トラ”さんを見ると、二人は笑っていた。


「3人とも、ゆっくりしていってくれ。」”リュウ”さんがそう言ってくれた。


「この事は、店長や他のお客さんには内緒だぞ。」

”トラ”さんは、右手の人差し指を口元につけ”秘密”ポーズをしていた。


若い女性が入店して来たので、”リュウ“さんと”トラ”さんは急いで、カウンターと厨房に帰って行った。


「いただきます!」俺は、”恵”さんと”三橋”さんにお礼を込めて、食事の挨拶をした。


小鉢に入っている生卵を手早く2つかき混ぜ、”牛肉の量”3倍の”牛丼”特盛に回しながらかけた。

茶色い牛肉と玉ねぎが、かき混ぜられた生卵によって黄色く染まる。それをどんぶりはじの方から、口にき込んでいく。生卵によって、ちょうど良い甘辛さになった牛肉と煮込まれて甘くなった玉ねぎ、牛肉の部分から下に行った肉汁を含んだ生卵が、極上の卵かけごはんに変化する。3年ぶりに食べた”牛丼”は、想像以上の美味うまさだった。


俺は、”牛肉の量”3倍の”牛丼”特盛2杯を堪能たんのうし、今は食後のお茶を堪能たんのうしていた。こんなに腹一杯食べたのは、久しぶりだったので、幸せの”満腹感”を味わっていた。


”三橋”さんと”恵”さんが”牛丼”を食べ終えたので、俺は二人に、この世界で生きていく為の仕事の

相談に乗ってもらった。


「戸籍が必要なく、住み込みで働ける場所って知りませんか?腕力は人の何倍もあります。」

俺は”三橋”さんと”恵”さんに聞いた。


「本田さん、物凄く強いんだから、”ハンター”になったら良いんじゃない?」”恵”さんが提案した。


「俺もそれが一番だと思うのですが、<アズナブル>の近くの職業は、ちょっと。」俺は答えた。


「じゃあ、運送業と道路工事はどうです?」今度は”三橋”さんが提案した。


「戸籍が必要なければ、是非ぜひやりたいです!」俺は答えた。


「”リュウ”先輩!運送業と道路工事で働くのに、戸籍ってやっぱり必要ですか?」

”三橋”さんが、カウンターの中にいる、”リュウ”さんに質問した。


「運送業は、お客さんの荷物を運ぶ時に責任が生じるので、やっぱり必要かな。道路工事も、地下に水道管・下水管・電気ケーブルとか、インフラ設備を破損した時に責任が生じるので、やっぱり必要だな。」

”リュウ”さんが答えてくれた。


「”フリー”の”ハンター”なんて、どうかな?」厨房の洗い物を済ませた、”トラ”さんが提案した。


「”フリー”の”ハンター”と普通の”ハンター”って、どう違うのですか?」俺は”トラ”さんに質問した。


「そうだなあ、普通の”ハンター”は、”ハンターライセンス”を持っている会社に所属していて、”フリー”の”ハンター”は、”ハンターライセンス”を持って無くても自分で仕事を始められる。ただ、会社と個人では戦闘力に差が出る。その為、倒したモンスターの買い取り価格が大分だいぶ違うんだよ。」

俺達のボックス席の近くに移動して来た、”トラ”さんが答えた。


「モンスターの買い取り価格って、どれくらい違ってくるんですか?」俺は再び、”トラ”さんに質問した。


「普通の”ハンター”は、複数人でモンスターと戦う。だから短時間で決着が着き、モンスターの死体も損傷が少ない。逆に、”フリー”の”ハンター”は1人で戦う、だから長時間で決着が着き、モンスターの死体も損傷が多い。それによって、買い取り価格に差が出て来るんだ。買い取り価格は、普通の”ハンター”の半分ほどになるよ。」”トラ”さんが、再び答えてくれた。


「・・・それでは、俺がモンスターの首を一撃で斬り落とせば、買い取り価格は普通の”ハンター”と

一緒ですかね?」俺は再度、”トラ”さんに質問した。


「まあ、その理屈だったら、買い取り価格は普通の”ハンター”と一緒かそれ以上だよ。」

苦笑しながら、”トラ”さんは答えた。


「じゃあ、俺は”フリー”の”ハンター”になろうかな!」俺は笑いながら答えた。


”バン!!!”カウンターの方から、大きな音がしたので目を向けると、金髪をポニーテールにした女性が立っていた。俺達が注目していると、くるりとこちらに向き直った。美人だが、顔は物凄く怒っていた。


「”ハンター”をあまり舐めないでください!”ハンター”は命懸けの仕事なんです!!」

金髪ポニーテールの女性は、俺を指差しながら、物凄い剣幕で言って来た。


「あなた、いきなり何なんですか!私たちの会話を盗み聞きしていたんですか!!」

同じ女性である”恵”さんが、同じ剣幕で言い返した。


「すいません!!私は<(株)藤原モンスターバスター>という会社に勤務する、”国峰くにみね 千歳ちとせ”と申します。そちらの男性が、あまりにも”ハンター”を甘く見ているので、意見させてもらっています。」

”国峰”さんは、俺を指差したまま、物凄い剣幕で言って来た。


国峰くにみね 千歳ちとせ”さん、金髪で蒼い目をして身長は165センチ位、金髪ポニーテールで丸目・”Dの胸の双丘”の持ち主。俺の勘では年齢は20.21歳位だと思う。


グレーのスーツと白いシャツ、黒のストッキングにかかとの低いグレーのパンプス装備をしていた。


「・・・・・」”恵”さんは沈黙してしまった。


”恵”さんと”三橋”さんは、俺が魔王を倒した”勇者”だと知っている。だから、俺が本当に、モンスターの首を一撃で斬り落とせる事を知っている。だけど他の人は、俺が魔王を倒した”勇者”なのを知らない。特に、モンスターを討伐して生計を立てている”国峰”さんからすれば、先ほどの俺の発言は、”ハンター”を馬鹿にした発言になったのだろう。


「そこのあなた!今までに、モンスターと戦った経験はあるの?」

再び”国峰”さんは、俺を指差したまま、物凄い剣幕で言って来た。


「死ぬほど戦って来ました!」俺は即答した。


「ちょーーーーい!!!」間髪入れず、”恵”さんが叫び、両手で俺の顔を挟んで、強引に左側の窓の方へ顔を向けた。<牛丼マン>の青いお尻が見えた。


「ははははは、ダメですよ本田さん。話をっちゃあ。」

俺から姿は見えないが、”三橋”さんがフォローを入れてくれている。


俺は、”恵”さんの両手を軽く叩いて”タップ”して、顔を開放してもらった。”恵”さん達の方を見ると、”恵”さんは少し怒った顔、”三橋”さんは少し困った顔、”リュウ”さん・”トラ”さん・”国峰”さんは驚いた顔をしていた。


「それでは、今まで戦ったモンスターで、一番強かったモンスターを教えて下さい。」

冷静さを取り戻した、”国峰”さんが聞いて来た。


俺は、”三橋”さんと”恵”さんを見た。2人の目は(雑魚のモンスターを言え!)と言っている気がした。

俺は左の窓の方に視線を移すと、<牛丼マン>が見えた。そして、閃いた。


「<ミノタウロス>です!」俺は”国峰”さんを見て言った。


そして、<ミノタウロス>と言った瞬間、なぜか”三橋”さんと”恵”さんが両手で顔を隠して、下を向いた。


「<ミノタウロス>のランクって知っていますか?”D・プラス”ですよ!”D・プラス”!!」

再び、”国峰”さんが怒りながら言って来た。


「ああ、知っています。確かモンスターのランクにはS~Gまでランクがあって、”ハンター”が討伐して良いのは、E~Gランクまででしたよね。たった1つ上なだけじゃないですか。」俺は笑って答えた。


「いいですか!ランク”D”は”勇者”の領域なんです!しかも、<ミノタウロス>のランクは”D・プラス”ですよ!ランク”C”に近いんですよ!!普通の人間では絶対に無理です!!」”国峰”さんが激怒状態で言って来た。


<ミノタウロス>はそんなに強いモンスターだっただろうか?<ファストールの鎧>と<ファストールの剣>を装備した状態で、兄弟子1人と<ミノタウロス>5体同時に戦う訓練があったなら、俺は一秒も迷わず、

<ミノタウロス>5体同時に戦う訓練の方を選ぶ。それ位、俺にとっては<ミノタウロス>は雑魚だった。


「・・・・・」俺は困惑して、何も答えられなかった。


「あの~、ちょっといい?」”トラ”さんが発言して来た。


全員の視線が、”トラ”さんに集まる。


「もしかして、本田さんって”勇者”?」”トラ”さんが俺に聞いて来た。


「・・・何の事です。」内心、物凄く動揺して左の窓を見つつ、俺は答えた。


めるんだ、”トラ”。人には言いたくない事もある。そういう時は、何か事情を知っている、

保典やすのり”と”恵”ちゃんに、あとで聞くのが一番だ!」聞く気満々の”リュウ”さんが言った。


俺が、”三橋”さんと”恵”さんを見ると、両手で”バツ”の字を作り下を向いてた。つまり、誤魔化すことは、不可能だと言っているのであろう。


「・・・なるほど。」俺は小さくつぶやき、”リュウ”さん・”トラ”さん・”国峰”さんを見た。


俺は異世界<アーシタ>で、色々な人達を見て来た。良い人も悪い人も色々と接触して来たので、人の善悪を見極めるのは得意だ。”リュウ”さん・”トラ”さん・”国峰”さんは、間違いなく良い人達だと分かる。


「・・・まあ、大丈夫でしょう!」誤魔化すことが不可能だと分かったので、俺の腹は決まった。


左手を胸の高さにしてステータスを出現させた。そして、”リュウ”さん・”トラ”さん・”国峰”さんに見えやすい様に、ステータスを掌の上で右手で180度回転させる。


「改めて、俺の名前は”本田ほんだ たける”、異世界<アーシタ>を救った”勇者”です。」

俺は、本日二度目の自己紹介を”リュウ”さん・”トラ”さん・”国峰”さんにした。


やっぱり、”リュウ”さん・”トラ”さん・”国峰”さんは驚いて固まっていた。


「ちょ、ちょっと!待って、さっき逃亡していた”勇者”って、本田さん?」

硬直状態から回復した、”国峰”さんが聞いて来た。


「はい、そうです、俺です。」俺は即答した。


「何で逃げているの!<アズナブル>から逃亡するのは、重罪だって知っているでしょう!!」

慌てながら、”国峰”さんが言った。


「すいません、俺は平行世界の日本から、間違ってこの世界の日本に来たので、<アズナブル>に捕まると、”侵略者”として処刑されちゃうんですよ。だから、正体隠して生きて行こうと思っています。」

俺は再び即答し、テーブルの上に、俺の世界の日本のお金を並べて、”リュウ”さん・”トラ”さん・

”国峰”さんに見せた。


”リュウ”さん・”トラ”さん・”国峰”さんは、興味深そうに、俺の世界の日本のお金を手に取って見ていた。


「今から、先ほど”三橋”さんと”恵”さんに話した、異世界<アシータ>の旅の話をさせてもらいます。」

俺は、”リュウ”さん・”トラ”さん・”国峰”さんに旅の出来事を話しだした。


そして、やっぱり俺の旅の出来事を聞いた後の、”リュウ”さん・”トラ”さん・”国峰”さんの表情は暗かった。


「・・・あの、本田さんは”チョコレートケーキ”は好きですか?好きだったら、御馳走ごちそうします。」

”リュウ”さんが言ってくれた。


「甘いものは大好きなので、頂きます。」俺は即答した。


「・・・じゃあ、俺は”ショートケーキ”を御馳走ごちそうしますよ。」”トラ”さんも言ってくれた。


「・・・じゃあ、私は飲み物を、”コーヒー”と”紅茶”どっちが好きですか?」”国峰”さんも聞いて来た。


「俺は、”コーヒー”と”酒”が飲めないので、”紅茶”をお願いします。」俺は答えた。


少しして、”チョコレートケーキ”と”ショートケーキ”と”紅茶”を”リュウ”さんが、テーブルに運んで来てくれた。俺は”リュウ”さん・”トラ”さん・”国峰”さんに礼を言い、甘いものは別腹と”ケーキ”を食べ始めた。


「私は会社に勤務して二年経つけど、<アズナブル>が別世界の”勇者”を処刑している話なんて、聞いた事が何のですが。」俺をめずらしそうに見ながら、”国峰”さんが言った。


「う~ん、この世界の塩谷が、初対面の俺達に言ったのですが。あいつ、性格悪かったから、嘘だったのかな?でも、本当だったら困るし。」”チョコレートケーキ”を食べながら、俺は答えた。


「・・・本田さんって、行く所はあるのですか?衣・食・住を確保を出来る伝手つてはありますか?」

”国峰”さんが聞いて来た。


「・・・いえ、ありません。この平行世界の日本に俺の実家はありませんし、アニオタの友達もいませんし。」”ショートケーキ”を食べながら、俺は答えた。


「実は、<(株)藤原モンスターバスター>は、近くに大手の”ハンター”会社が出来て、顧客がそちらに流れてしまって、大変困っているんですよ。今日、私が朝から営業に行っても、中堅の会社よりも大手の会社の方が良いと、1件も契約を取れませんでしたし。中堅が生き残るには、”量より質”だと私は思うのですよ!」

含み笑いを浮かべながら、”国峰”さんが言った。


「・・・えっと、言いたい事は分かります。でも、<アズナブル>は大丈夫なんですか?」

”紅茶”を飲みながら俺は言った。


「バレなければ大丈夫です!綺麗事で生き残れるほど、”ハンター”業界は甘くありません!!」

力強く”国峰”さんが断言した。


「・・・社長には、俺の事をどう説明するのですか?」

片付けやすい様に、”ケーキ”の皿と”紅茶”のカップを重ねつつ、俺は”国峰”さんに聞いた。


「社長は私の叔父で、十年前から育ての親です。事情を話せば、大丈夫です!」

”国峰”さんが笑ながら言った。


「・・・・・」俺にとっては、大変ありがたい申し出だったが、社長の人柄を知らないので考えていた。


「いいですか、本田さん!本田さんは、衣・食・住が欲しい、我が社は、本田さんの戦闘力が欲しい!お互い欲しい物を持っているんですよ!!」”国峰”さんが熱く語って来た。


「ふふふ、まさかこの平行世界の日本で、<アトランティー>族の”ナディー”様の台詞セリフを聞く事になるとは、

運命を感じるよ。」俺は懐かしくて、少し笑ってしまった。


「????」笑い出した俺を見て、”国峰”さんは困惑していた。


「”国峰”さん、俺を<(株)藤原モンスターバスター>に入社させて下さい。<アズナブル>に見つかるとマズイので、ランク”E”までの実力しか出せませんが、よろしくお願いします。」

俺は椅子から立ち上がり、”国峰”さんに頭を下げた。


「任せてください!一緒に頑張りましょう!!」いい笑顔で”国峰”さんが答えた。


「就職おめでとう、本田さん!」”恵”さんが祝ってくれた。


「ありがとう、”恵”さん。あの時、コーラをもらえなかったら、俺は確実に死んでいたよ。

本当にありがとう、”恵”さん。」俺は”恵”さんに礼を言った。


「良かったですね!本田さん!!実力を発揮できる職場が見つかって!」”三橋”さんが祝ってくれた。


「ありがとう、”三橋”さん、”三橋”さんが、この<牛野屋>に連れて来てくれなかったら、”リュウ”さんにも、”トラ”さんにも、”国峰”さんにも会えませんでした。本当にありがとうございます。」

俺は”三橋”さんに礼を言った。


「”リュウ”さんに”トラ”さん、お二人が俺の”牛丼”を物凄く増量してくれた事を、絶対忘れません。お陰様で、生きる活力が出てきました。本当にありがとうございました。」

俺は、”リュウ”さんと”トラ”さんに礼を言った。


”リュウ”さんと”トラ”さんは、気恥ずかしそうに手を振っていた。


<牛野屋>の駐車場に、”恵”さんと”三橋”さん、”リュウ”さんと”トラ”さんが見送りに出て来てくれた。


「皆さん、色々とありがとうございました。俺、”ハンター”として頑張って生きて行こうと思います!」


俺は、”国峰”さんの青い軽自動車の助手席の窓から、”恵”さんと”三橋”さん、”リュウ”さんと”トラ”さんに別れの挨拶をした。そして、俺と”国峰”さんが乗った軽自動車は、<(株)藤原モンスターバスター>へ走り出した。








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