表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
帰還したら平行世界(べつせかい)だった  作者: ネコバーンナックル!
2/44

現在、暴露中!

俺は異世界<アーシタ>に召喚した女神”サリース”は、最初っから最後まで失敗を続けるかなり仕事の出来ない女神だと確信した。お蔭で俺は異世界<アーシタ>で何度も死にそうな目に遭った。


女神”サリース”の失敗を順を追って思い出してみる。


失敗その1、出現地点が最悪。

召喚の儀式を行った城から5キロも外れたモンスターが大量にいる森に俺を含めた5人を出現させてしまう。その結果、<アーシタ>に到着して三分で体の大きく体格の良いの男が目の前で大トカゲに喰われてしまった。それを見た残り4人はパニックになり蜘蛛の子を散らすように森の中に逃げて、半日後に城の騎士団に保護される。


失敗その2、”勇者”を2人召喚してしまった。

召喚の儀式を行った国の王には、召喚された人間のステータスを見る事が出来て、職業を決定する力を持っていた。<アーシタ>に召喚された俺達のステータスを見てみると、職業が”勇者”の人物が2人もいてしまった。インドア派の俺とアウトドア派の塩谷しおや 一輝いっきの2人だったのだが、王様は国民受けが良いとの理由で塩谷を”勇者”にして、俺は大トカゲに喰われた男の代わりに”戦士”にされてしまった。


失敗その3、人選ミス、まったく戦わない仲間。

”勇者”の塩谷はモンスターとの戦闘の時には安全な場所からあくびをしながら見ているだけで、戦う事は全く無かった。<アーシタ>に召喚された残りの人物である”魔法使い”の真下ましも しゅんと”僧侶”の平本ひらもと じゅんは<アーシタ>で恋人同士となり、時と場所も考えずに四六時中イチャイチャしていて、モンスターとの戦闘中に攻撃魔法による援護攻撃をしたり、モンスターとの戦闘中に怪我をしたり毒を受けても回復魔法は全くしてくれなかった。結果、魔法は全く使えずに武器だけが頼りの”戦士”の俺だけが自分の世界に戻る為に、1人で奮闘してモンスターと戦う事になってしまった。


失敗その4、魔王を倒した三分後に強制帰還。

魔王から魔王竜に変化した”ジュドー”、最初のブレスで”勇者”の塩谷は聖剣を残して焼失。”魔法使い”の真下と”僧侶”の平本も2発目のブレスで焼失。俺は”勇者”の塩谷が死亡した事により、再び”勇者”となり聖剣を使って魔王竜に勝利したが魔王竜を倒した三分後には足元に魔法陣発生して、再び異世界<アーシタ>に召喚された時に来た光に満ちた空間に転移させられてしまっていた。


「・・・約束どうしてくれんだよ。」


もうどうにもならない事は分かっていたが、思わず呟いていた。


魔王を討伐したら、剣術の師匠と兄弟子には必ず挨拶に行くと約束していた。魔王を倒したら大人な約束を果たしてくれると言ってくれた人達に絶対に逢いに行きたかった。


もう一度、女神”サリース”に文句を言おうとした時に、エレベーターが昇っていく感覚が終わり足の裏に堅い地面の様な感触がした。どうやら無事に俺のいた元の世界に到着したかもしれない。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ