十八話 花見とバエ屋台
三年の卒業式が終わりテストも終わり。春休みに入る手前でやることがなく、外の景色を眺めていると加村が話しかけてきた。
「なぁ春休みにさ花見いかね」
そう言って花の祭りと書かれたチラシを見せられた。見せられたチラシの裏側を見ると、屋台の詳細は秘密来てみて花より団子という人も大満足と書かれていた。確かに花見はいいかもしれないけど、もしかして加村とふたりきだったりするのかそう思い聞いてみる
「僕たちだけで行くのか?」
「あぁこれから誘うとは思ってるけどよたぶん翔は難しいかもよだって部活があるしな」
「そうなんだな」
「まぁな取り敢えず考えてくれたらいいから」
そう言って加村は自分の席に戻っていった。そうか花見かそう思いながら外を眺める桜か確かにきれいだしなどうするかな、行こうかなそう思いながら家に帰り。ふとテレビをつけてみると天気予報が流れていて話を聞いているとかなり雨が降るらしい、今年は早く花見のシーズンが終わるのではないかという話がされていた。それを見ていると後ろから喋りかけられた
「今年は早く終わるのねぇ彼方〜いつ頃行く〜?」
いつも通りフラフラしながら話しかけてくる。そう行こうか迷う理由は毎年花見は家族で行くのが普通で友だちといっていいのか聞きづらいんだよな。それに酒で酔ってるせいで普通の判断不能の母さんだからなおさらだ。父さんはだいだい花見の当日にしか帰ってこないしどうすればいいんだろう。そんな事考えながら天井を眺める…まぁ取り敢えず部屋に戻ろうそう思って部屋に戻った
「皆と花見か…」
その日は結局あまり寝られなかった次の日目を覚まして学校に行くがかなりの眠気にさらされてほとんどの授業を寝てしまった。さらに昼休みも寝ていたそうすると横から
「今日は食べないの…」
そう喋る声が聞こえてハッとしたそして目を覚ますとそこには希望さんがいた。てか顔が近ーい!勢いよく椅子を後ろに下げて距離をとる
「ごめん寝てた」
「何かあったの」
「いや実はさ」
そう言って昨日の事を話しながら今日は食堂の近くで食べることにしたそして話し終えると希望さんは
「それなら聞いてみたら」
「でもさ家族で毎回言ってたのに急にそんなこと言ってもね」
その辺ぐるぐる歩きながら希望さんは言った
「私のおばあちゃんが言ってたんだけど言いたいことは言わなきゃ始まらいってまぁどうなるかは知らないけどでも言わないより言ったほうがたぶんいいはずっておばあちゃんは言ってたよ」
「そうなのかな」
その言葉に少しの不安と謎の既視感を感じながら時間が来たので教室に戻った。そしてその日は家に帰って意を決して母さんに話してみた。そうすると何故かシラフに戻って、父さんと連絡を繋いで家族会議をして結局のところ行ってもいいよと言われた。更に母さんは
「というか聞く必要ないのにねぇ〜」
と喋っていつものように酔った状態に戻ってしまった。その日はいつも以上にぐっすり眠れた希望さんにはお礼言わなきゃなそう思いながら今日もいつも場所に行った。
「希望さん昨日はありがとう」
「どういたしまして」
「そういえばさ希望さんは花見来る?」
「いくよ」
そうか希望さんも行くのか。そう思うとなんか楽しみになってきた。そして春休みに入った。今日は花見当日現在時刻夜中1時僕は場所取りのためにこんな時間に公園にいるのだった。いやそもそもこんな時間から場所取りをする必要はないと思ったが、穂波さんいわく
「花見の猛者は深夜から場所取りをするの」
ということなので来てみた。けど本当にかなりの場所取りがいて、その殆どは何故かとても怖い格好しており、例えるならヤクザの集会みたいな所に偶然紛れた一般人という感覚になる。確かにガラの悪い人なら下手な事は起きないと思うたぶん。でもここにいる自分が一番つらいだって、こんな重苦しい空気感で朝の9時まで耐えろっていうのは無理があるくない。それに今さっきからどんどん場所取りの人々がやってくる。お願いだ一般人よカモンそう願って約三時間四時ぐらいにとんでもない程オタクという感じの姿の人が現れた。救世主だと思った矢先ガラの悪そうな人に話しかけられた。
「おう兄ちゃんあんたも場所取りかい」
と低い声で話しかけられたヤバいどうしよう殺される〜とにかく何か言葉を返さなきゃ
「え〜っとはい」
「そうかいお互い大変だなおらこれやるから話付き合ってくんね」
そう言いながらジュースの缶を渡してくれた。う~んとそんなに悪くない人なのかないや騙されたらだめ…でもいっか暇だし
「いいですよ」
「ありがとな」
そう言って横に座ってお菓子を袋から取り出した
「おらこれも食えよ」
「ありがとうございます」
と丁寧に言った後食べる。そしてそこからそのお兄さんの話を聞いていてわかったことだが、本当はこんな格好するわけでも無ければ口調も昔はこんな感じだったらしい。けど今は普通になっているとのこと。奥さんから子供ためにと言われて昔の服と口調を使って場所取りをしに来たとのことだった。じゃあ他の人ももしかしたらそうなのかなと考えてるとお兄さんが
「今の話聞いて他の人もそうなんじゃないかって思ったろでも実際どうなのかってのはわからないから下手に話しかけんほうがいいぞ」
「はい」
確かになまぁどちらにせよ自分からは絶対話しかけないけどな。その後もお兄さんと話しながら過ごしていたが、お兄さんも場所取りした場所が取られてないか確認するために戻ってしまった。また一人だ残りの数時間後どうすっかなそんな事を考えていたら朝になっていた。そしてさらにそれから少し時間が立ってまず最初に加村がやってきた
「おぉお前ありがとなてか眠そうだな?」
「あぁ~ちょっと寝かせて」
必死の消え入りそうな声で喋った
「おぉおやすみ」
その言葉を聞いて眠りについた目が覚めると全員集合していたそして最初に希望さんから話しかけられた
「おはよう」
「あっ希望さんおはよう」
眠たい目をこすりながら答えるそうすると翔さんが
「さぁ~彼方くんも起きたとこだし屋台見に行かない」
「まぁ〜そうだな彼方大丈夫か?」
「うん大丈夫」
そう言いながら立ち上がり屋台の並ぶ所に歩いていく周りを見渡すとかなりの人がいる。そんな事を考えながら歩いていたら、屋台が並ぶ所にたどり着いたそして更に進もうとして歩を進めようとすると眼の前にいた加村にぶつかってしまった。
「どうしたんだ急に止まって」
「いやこれは本当に食べ物の屋台か?」
「何が?」
そう言って加村が見ていた景色を見ると、その瞬間絶句した。なんとそこに広がるはバエを重視と看板が掲げられていた。そしてその先に食べ物の屋台がたくさん並んでいた例えばレインボー綿あめとかチーズハットグとかまぁこれはあるだろうなというものから金色のカレー、青色焼き鳥等、理解のしがたい食べ物がたくさん並んでいた。その光景を見て思ったことはバエというよりカラフルな感じがする。だって明らかに最初らへんにあるやつは分かる。昔は流行ってたやつとかがあるからバエなのは分かる。でもその先にあるのは知らないそんな事を考えていたいると横から加村が
「なぁ彼方食べられそうなのあるか?」
「僕は無い…かも」
「だよな」
そう言い終わって、二人で棒立ちしていると少し遅れてきた希望さんも同じくこの光景を見て驚き固まっていた。でもその先を見ると明らかに楽しそうな翔さんの姿を見て、すごい勇気あるなと思った。その後加村や希望さんと話し合って色々買って皆でシェアして食べ合うことにした。因みに翔さん曰くどれも美味しいんだとか取り敢えずいくつか買って花見の場所に戻った
「あらカラフルね」
「これ…食べ物か?」
「うん食べ物…だと思うたぶん」
眼の前に広がる蛍光色の食べ物達を見て一口勇気を出して食べてみると以外にも美味しかった
「これ美味しいよ」
「そうなのかじゃあ食べてみるか」
そう言って加村も一口更にそれに続いて希望さんと穂波さんも食べると
「うまい?!」
「確かに美味しい」
「美味しい」
と皆美味しいという結果になったそれに対して翔さんは
「でしょでしょ」
と自慢げに言った。そしてそれからも食べ続けた。その後はもう一度屋台に行っていくつかかってまた戻ってきた今度は飲み物やお菓子などを買ってきて、みんなで話しながら飲み食いしてながら時間を過ごした。そうして長い間眺めていると希望さんが
「写真取らない」
「確かに!」
そう言ってスマホを取り出して写真を撮ろうとするがでも一人映れない事に気が付き。皆と話したが結局どうすればいいのか思いつかずにでも写真は取りたいなと考えてなやんでいると、後ろから話しかけられた。
「どうしたんや」
後ろを見ると場所取りの時に一緒に話したお兄さんだった夜あったときと違って普通の服装にメガネをかけているので怖さを全く感じなくなっていた。
「いや実は」
写真を撮ろうと思ったけど全員で映れないからどうしようとなっていたことを話したそうするとお兄さんが
「撮ってやろうか」
「あっありがとうございます」
そして桜の近くで全員並ぶ
「よし準備できたか?」
「できました」
そう言って手を振るとお兄さんが
「じゃあ一足す一は」
その掛け声に合わせて全員で答える
「に〜」
パシャっと音がしてお兄さんからスマホを受け取って写真を確認して皆に送ったそしてその後片付けをして花見を終えて帰ることにした
「いや〜驚きがいっぱいだったな」
「そうだな」
確かに驚きしかなかったカラフルな飲み物や食べ物それに意味のわからない程の夜中からの場所取り驚きだらけだそんな事に思いふけってると加村が
「お前遂に2年生になるぞ」
「そっかそうか」
家に帰り着き2年生は希望さんと一緒がいいなそんな事を考えた。そして残りの春休みは何事もなく終わりを告げ遂に新学年どこのクラスになっているのかを確認し、次は誰と一緒になるのかできるなら希望さんがいいなと思いながら新たなクラスの扉を開けると友人は加村しかいなかった。
「おう今年もよろしく」
と自分の席まで挨拶に来てくれた
「よろしく」
と返したこうして僕の2年生は始まったのだった




