十一話 大食いの秋で地獄の秋
遂に待ちに待ったこの日がやってきた。希望さんから知らされた集合場所である商店街に早く来たほうがいいと思い、十分前に来ている。他の皆はまだ来てないようで体に刺さるような寒さの中待っている。そういえば一応先輩達も誘ったが前村先輩以外は忙しくて来れないのだとかあとは加村も誘ったあいつは暇なので来るとのこと。それから待つこと数十分旧Iトンネルの時にいた穂波さんと翔さんが来た。次に希望さんが来て最後に加村と前村先輩が来た
「遅いぞ加村〜」
「ゴメンな」
「いや先輩はいいですけど」
先輩はここからかなり離れたところに住んでいるからかなり時間が掛かると言っていたので遅れるのはわかるが加村は特に連絡もなく遅れたし理由を聞いてみるか
「いや実はさ途中でお金忘れたことに気づいて」
「そういえばさ今日は何をするの」
「えっ大食いだよ」
全員一致の大声で
「大食い!!」
「うんやってみたくて」
「因みにお金は?」
「俺らじゃ足りなくね」
「あぁ~それは僕が用意したよ」
そうこの前の帰りに大食いをしたいけどお金をどうするべきかと希望さんが相談してきたから父さんに相談したら
「お金がいるのかいいいよじゃんじゃん持っていきなさい」
「ありがとう」
とまあ簡単に財布から数十万をぽんと出したのには唖然としてしまった。
「とまぁこんな事がありまして」
「そうだったのかよ」
「私はあんまり食べられないからな」
「みんなで頑張ろうぜ」
「そうだなちなみにルールは?」
「ルールは紙に書いてきたしっかり読んでから始めよう」
そう言って一枚の紙を渡された。内容はまず商店街の中にあるお店は全て食べることを目標にすること。飲み物は一人につき三回までで食べる人はじゃんけんもしくは話し合いで決める。まぁこんな感じだこれいけるか僕はそれほど食べれないし地味にきついぞこれ
「皆確認した?」
「うんできたよ」
「じゃあ行こうか」
そして一番最初についたお店はラーメン屋さんだ話し合いの結果加村が食べに行くことに
「頑張ってくるな」
「いってら」
よしかっこよく決まったなさて何を頼もうかなってカッコつけてラーメン食べたらお腹いっぱいになることは間違いないからチャーハンするかあとしっかり食べたものはメモしとかないとな。
その間に次のお店ではなく自販機を見つけた。これは自分が飲むことにしコンポタージュを飲み干した。すでにお腹いっぱいになりそうだ。最後まで持つかな次の店はじゃんけんで決めることになった
「よし食べたかったスイーツ絶対的のがせねぇ」
「負けないよ」
「うん頑張ろう」
「頑張れ」
そして死闘の末前村先輩のが勝ち中に入っていた
うわ〜めっちゃ美味しいそうあっ可愛いのあったあれにしようとあぁ~あとあれもでもまだ他にも食べなきゃいけないし気をつけよ
そしてまた自販機だ。次は穂波さんで、希望さんが自販機の飲み物はルールの飲み物には関係ないことを急いで補足してくれた。保波さんはコーヒーを飲むことにした。その次はなんと肉屋の惣菜だ誰が行くかできたてのコロッケが食べたいと行って翔さんがものすごい速度で走っていってしまった。すぐに戻ってきてメンチカツを食べながら次に向かうおうとすると後ろから加村が戻ってきた
「お〜い待ってくれ〜」
「やっと追いついたよマジでやばかった」
そしてなんとその先に進むと次はまたしてもラーメン屋しかも反対側にも一軒ある。どうしようかなここは誰が行くか話し合った結果、穂波さんと自分が行くことになった。あとはすべて任した感覚で先に行くメンバー見送っているとラーメン屋の隣になんとMrs.ドーナッツがあったの見て落ち込むみんなの姿が見えた。あぁ~あっちも大変なことに、さて中に入ろう。のれんをくぐり入ると、そこは少し見慣れた店舗のチェーン店銀龍だ。いつも家族で食べに行く時によく行くお店でチャーハンが美味しい上に替え玉できるからよく行くんだよな何を頼もうか考えに考えた末チャーハンを頼むことにし穂波さん達は大丈夫かな
「ニンニクマシマシ油マシマシ野菜マシマシで」
「あいよ!」
いつも通りでいいかなでも何で皆あんなにきつそうなのかな特に加村くんだ。少しラーメン食べただけなのにかなりお腹いっぱいそうだった。不思議だな普通はこんなに食べないのかなこんな所に食べていると中学の時にした大食いをおもいだすな、同じような大食いで場所は別の所だったけど翔に頼み込んでしたのはいい思い出。でもあまりにも楽ちん過ぎて張り合いがなかったのも覚えてる。確か翔は言葉を発さなくなってた気がするな。でも今回はかなりハードな気がするなだってここの商店街かなり大きいしでもなら私はこんな量を食べてるかってそれは食べたいから
「おまたせしました〜」
やっときたさて頂きます
ふう~お腹いっぱいだな。あたし達はあのあと二人がお店に入ったの見送って奥に行くとすぐにお店があって右にケーキ屋左には今私がいるMrs.ドーナッツだ。せっかくだからと新作を食ったら、この有り様でもうお腹いっぱいでもう何も入る気がしない。あの時のメンチカツもかなり響いてる。なんにしても保波の時以来かなこんな大食いするのは、あの時は大食い絶対に無理っていたにも関わらずさせられたのを思い出しそうだ。あの時もかなり苦しかったの覚えてるなさて食べ終わったし合流するかな
可愛いケーキがいっぱいだどれがいいかなこれにしようかなでもあんまり重すぎるのはだめだよね。でも本当にこの大食い終われるかな穂波がいれば大丈夫って翔は言ってたけどどうなのかなあとお礼も行っとかなきゃ彼方くんにはどんなお礼をすればいいかな
さて俺だけになってしまった皆食べ終わるのにどれだけかかるかな早く帰ってきてくれ〜俺はもう無理だ〜だって眼の前には自販機5台と食べ物の自販機3台もあるこの世を終わりを感じてるんだけどしかも飲み終われないし〜どうすればいいんだよにしても水がないのが終わってる。この一つ目の自販機は飲み終わったぜ次は何を飲むべきかまず炭酸はだめだこれを飲むとマジでお腹いっぱいになるてか皆遅くないか
「なぁいつになっ思い出すんだ私なこと」
「うわっすみません」
「別にいいけどさちょっとは気づけよ」
そうだった前村先輩がいるじゃないか仕方ないここはお願いするか
「すみませんけど何か飲みませんか」
「あぁ~私はこれ」
そう言って飲もうとしていたのは可愛いパッケージの桃の飲み物だった。それにしてもかわいい物好きなのかなそう考えながらおでん缶とうどんとそばとアイスとコーヒを飲み食いしている。それから少し経っただろうか死にそうな目をした皆が戻ってきた。
ふう〜なんとか食べ終えて、全員で集合した。そして次の店に向かうとそこにはあったのはおにぎり屋であった。沢山の種類の店があるな。これだけ広ければ同じ店があってもおかしくないはずなのに今さっきから全く同じ店がラーメン屋以外なかった。いやいまそれよりもメニューに書いてあった爆弾おにぎりというとても大きいやつ意外品切れという絶望。まさしく大食い殺し。今の状況で食べ切れる気がしない。ここは穂波さんが食べてくれると進言してくれた。因みに穂波さんは全然お腹が空いてるとのこと。そして次にあったのは定食屋でそのタイミングで皆に限界が近くなり過ぎた結果。話し合いでは決まらないのでここからじゃんけんになった。負ければ食わなければならなくそうなれば終わりだが負けたのは翔さんだった
「もう無理だよ〜」
と今にもやめたそうな声でいったが皆は
「頑張れ」
「そうだぜ頑張りなよ」
「頑張ってね」
各々応援しながら送り出すことにした。だがここからもかなり地獄続きだった。まず次に見つけた惣菜屋で僕が食べることになりはち切れそうな腹を抑えてとんかつを頼んだ。そしてそれを食べながら次にハンバーグ屋さんで加村が灰になった散っていった。かなり全員がきついのか翔さんは今さっきから口調がおかしくなり今も次の店であるソフトクリーム屋に誰が行くか決めていて翔さんになった途端急に
「オデノカラダハボドボドダ!」
とまあ何を言っているのかわからないぐらいに言葉が崩壊しており次の鯛焼き屋では僕は思わず
「俺のライフはもう零何だよ」
と叫んでしまったりと地獄絵図を生み出しつつあった。希望さんは自分のせいでこんな事になっていると思っているのか下を向いてばかりいた。たまに行くことになるとかなりしんどそうな顔をしながら何度もこちらをチラチラと見ていた。穂波さんはとにかく余裕そうで全員の顔を見て少し笑っていた。ただあと少しでこの商店街大食いは終わりを迎えられる。あと少しだ身体よ持ってくれーそう願ったとしても絶望が待っていたそうそれは残り一軒となってじゃんけんはやめ全員で協力することにし最後を食べきったと思った矢先に約十台以上の自販機の集まりがあったその瞬間
「もうやめてくれ〜」
「男が弱音吐くなよな」
「そう言ったってもう無理だろうなぁ彼方」
「ハハ…ハハハハハハ」
「あっなんかすまないな」
「翔は大丈夫?」
「………」
「死んだ魚の目してるわねその顔を見たのは久しぶりかな」
そうもう笑うしか無いだろうこんな状況になるなんて誰が思っただろうか。しかもそのほとんどが食べ物自販機で冷凍は食べれないと思っていた。ご丁寧に電子レンジも置かれていたこれこそありがたく迷惑である。さらなる絶望はそのうちの一台に24個入りの餃子があったのだしかもその一種類のみで逃れるすべなし。もう終わりだよ取り敢えずあらかた買い終えた。これをどう食すか考えようとしたが希望さんは今はさっき以上にうつむいていて、なぜか加村は眠りにつき翔さんに至ってはご飯の匂いを嗅ぐだけでもいやらしく少し離れたところに座っていて、更に顔は死んだような感じだった。穂波さんは楽しそうだった何が楽しいのだろう。これさえ食べれば終りなんだ。なんとしても食べて見せる。それからどのぐらい時間が経っただろうか未だに減らない飲み物に餃子とのびきったラーメン誰か助けてくれ本当にそんな事を考えてると
「こんな所で何してるの〜」
「あれ?何故だろう遂に幻覚すら見えてきた」
「幻覚じゃないよ〜大丈夫〜?」
なぜか眼の前には花野先輩が今日は確か忙しがったはずじゃ
「いや〜前村ちゃんからSOSがあったから気になってね」
「そうなんですか」
あそこで項垂れている前村先輩がスマホを使って呼んでくれたとのこと。流石先輩でも花野先輩で大丈夫かなまだかなり残ってるけど
「お腹は空いてるからね」
「そうなんですか食べていいですよ」
その後は一瞬だった気づくと今まで残っていた。食べ物や飲み物は無く残っている。残っているのはゴミだけだった早くない?
「早くないですか食べるの」
「うん私食べるのは早くてね〜」
意外な特技があるもんだな〜その後全員を起こしてその日は解散し後日また集ろうとのことだけ話て家に帰り着きすぐに眠りについた




