第21話 ログハウス ノア
田舎だが伝統ある高校に進学した安楽土 青。
色々あって結局帰宅部に収まり、友だちもできて1年が過ぎようとしていた3学期のある日、いつものように友達の斉藤 高志と購買で買った昼食とともに空き部室に行くと偶然あるものに気づく。
それは表紙全体が薄茶色に変色した大正時代の化学の教科書だった。
何気なく手にとってみると、小さなノートのような切れ端に複雑な化学式のようなものが書き記してある。それをまじまじと見ていた次の瞬間---。
青たちは絶望の廊下に戻った。
青は振り返って絵画を観た。
「絵の子が閉じたパソコン見ながら微笑んでる!」
ノノカ
「そうよ、クリアすると絵画が変わるのよ。きっと綾野さん、喜んでると思うわ。良かったね。」
青
「そうだね、僕もなんだか嬉しい。あ、話は変わるけどノノカ、戻る前に安城先生になってたけどあれは何?」
「うん、先生はね、あたしたちサポアニの意思を自由にコントロールできるの。なのであたしを使って言葉を伝えたんだよ。」
青
「そんな事もできるんだ。まだ色々知らないことが出てきそうだな。」
ノノカ
「そう。まだまだいっぱいあるよ。その一つがここ。ほら “解錠の仕切り”がなくなってるでしょ。通ってみて。そして左側をみて。ドアがあるでしょ。」
青
「本当だ、仕切りがなくなってるし、新しくドアができてる!このドア、どこに繋がってるんだろう。開けていい?」
ノノカ
「いいよ~。」
青はドアを開けた。するとログハウスのような木製の入り口があり、「ログハウス ノア」と書いてあった。
「もしかして、ホテルみたいな所?休むことができるわけ?」
「そうだよ~。ソファもベッドも、キッチンもあるよ!もちろん料金はかかるけどね!」
「あ、やっぱり…。ちなみに料金は…。
☆ショートタイム 1室 2名様の料金☆
5時~深夜1時 2時間のご利用 3,960ブラン
※3名様のご利用は+1,000ブラン
☆ご宿泊 1室 2名様の料金☆
17時~20時59分までの入室で翌12時までのご利用 6,930ブラン
※3名様のご利用は+2,000ブラン』
(な、なんか如何わしい料金表…。『一泊朝食付き』とかじゃないんだ…。)
ご、合志先輩、宿泊でいいですか?」
「え、ええ、いいわよ。でもあたしお金持ってないけど…。」
「僕が出しますよ。確か先生にも言われました。仲間の分も僕が払うこと、って。」
「じゃあ甘えるね。ありがとう!」
「まさかノノカに宿泊料かからないよね?」
「ちゃんと料金表みてよ。『ハツカネズミは無料、それ以外は1名分の料金となります。』って書いてあるでしょ。」
「あ、本当だ、誰も読まない契約書みたいにちっっっちゃく書いてある(後出しジャンケンじゃん…)。わかった。みんなで泊まろう。」
青は1泊3名を選んで腕時計をタッチパネルにかざした。すると『202』と書いてあるキーカードが出てきた。
入り口を入るとエレベーターがあり、誘導されるように白いライトが点滅していた。
2階に上がるとドアが全部で4つあり、202のドアのプレートがピンク色に点滅していた。
(なんかほんと如何わしい)と思いながら青がドアを開けると、部屋は2つあり、それぞれに木製のシングルベッドと大きなソファと木のテーブルが1つずつあった。
「僕は右の部屋で。ノノカは先輩と一緒でいいよね?」
「ほんとはあたしと一緒がいいんじゃない?」
といたずらな顔をしたノノカ。
青はにっこり笑って
「ホントはね。さて荷物置いたらキッチンに行きましょう。今日なんにも食べてないからお腹減っちゃって。」
美姫とノノが
「そうよね、私も食べたい。」
「あたしも~。」
3人は1階のキッチンへ行った。
青はハンバーグ定食、合志はきのこのパスタ、ノノカは人参を選び、座った青の膝に2本足で立って、テーブルにちょこんと顔と手を出し買っておいたペレットと一緒に食べていた。会い向かいに座っていた美姫は両肘をテーブルに付け、組んだ指の上に顎を乗せながらノノカと青を微笑んで見ていた。
青が話しだした。
「今夜はゆっくり眠れそうです。昨日ほとんど寝ていなかったので。でも合志先輩が来てくれて、しかも仲間になってくれるとは思っても見なかったのでほんと、心強いです。」
「ねぇ、青くん。ここでは美姫でいいよ。私も青、って呼んでいい?弟欲しかったんだよね、それで名前で呼び合うの、外国みたいに。私洋画が大好きだから憧れちゃっているのだよね。この世界なら大丈夫でしょ。どう?」
「僕はいいですけど、なんか照れますね。先輩綺麗だしスタイルもいいし、…ぶえっっ‼」
ジャンプしたノノカの頭が青の顎にクリーンヒット。
「なにデレデレしてるの‼」
ノノカは不貞腐れた顔で人参を頬張って言った。
「あたしは美姫ちゃんでいいよね?改めてこれからよろしく‼」
「こちらこそ、ノノカちゃん。」
3人は今日の出来事や他愛もない話をして食事を楽しんだ。
食事が終わると3人は部屋に戻って、シャワーを浴びると、それぞれのベッドに横になった。
「今度はどんな問題が待っているのだろう…。美姫さんも加わってくれたし、楽しみだ…」
考えている間に青は深い眠りに着いた。