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城崎ガールズ  作者: モリオ
15/17

予期せぬ大雨

朝食を食べ終え、チェックアウトを済ませて旅館の外へ出た。

雨だ。予報では晴れだったのに、大雨が降っていた。

今日は玄武洞へ行かないといけない。

「予報では晴れだったのに、雨降ってんじゃん!」

「予報も変わってる……突然の雨雲が発生。いつ止むか分からないんだってさ。明日まで続くかもって」

皮肉なことに、雨の勢いはどんどん増していった。

「凄いよ! 雨の勢いが強すぎて、川になってる!」

ドシャーーン!

雷が鳴った。近くへ落ちたらしい。

「キャァ」と、思わず声を出した。私は昔から雷が苦手だ。

自分に雷が落ちる可能性もあることを考えると、警戒せざるを得ないのだ。

「これ、行ったら危ないかな……?」と、芽衣は聞こえないくらいの小声で言った。

「え……?」

「だって、しょうがないじゃん! 危ないよ。洞窟でしょ? もし向かっている途中で事故でもしたらどうするのさ。彼氏さんと同じ運命を辿ることになるよ!」

「それでも」

「え?」

「それでも、行かなきゃ」

「私、玄武洞へ行くことで、初めて変われる気がするの」

「その気持ちさえ持ってれば充分じゃん! ちゃんと向き合おうとした愛菜は偉いよ! もう、それで良いじゃん! 本当に危ないから、やめよ?」

「ごめん。絶対に、今日行かないといけないの。芽衣が行かないなら、私1人で行くよ」

昨日、柳通りで蓮の幽霊を見た時「玄武洞で待ってるね」と言っていたから。例え霊界からの誘いだったとしても、行かないといけない。

「愛菜……」

「ごめんね。芽衣。行かなきゃ。行かないと、絶対に後悔するから」

私はバス停へ向けて歩みを進めた。

「待って、待ってよ! 私も行きたい!」

「芽衣……」

「せっかく一緒に来たんだもん! 最後まで一緒にいようよ!」

「うん。分かった」

私たちは傘を差して歩き、バス停まで歩みを進めた。

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