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価値でお支払ください。

作者: 親切な死神

「はあ…はあ…どこかに井戸とかはないのか…こんなことになるなら、ラクダをちゃんと連れてくればよかった…」

俺は、ある用事があり、砂漠を横断しなくては行けなかった。でも、砂漠を乗り越えるだけなのにラクダを連れていくのは面倒だったし、お金もかかるからやめてしまったのだ。

2日目までは良かった。まだ、水があったから。

3日目の今日の朝、持ってきていた水が全部切れてしまったのだ。

「誰か、なにかどこかに水はないのか…」

もうかれこれ6時間程度水なしで進み続けている。

少し前から、軽い目眩と頭痛がしてきていて、そろそろ限界を感じてきていた。

「水…水………水…。」

もう無理…誰かぁ…

「誰かっ!…ア︎︎︎︎"︎︎…」

最後の力をやっとの思いで誰かに助けを呼ぼうとしたのに喉が枯れて声すら出なくなったしまった。


トントン


肩を叩かれた気がした。

振り返るとそこには、黒いシルクハットを被り、黒のスーツを着て、病的にまで白い手や顔を持った明らかにここにいるのはおかしい格好をした男の人がたっていた。

「ェ…だ、誰エスア…」

もう喉は限界だった。何も喋れない。

するとスーツの男が突然

「今、貴方は、水と10カラットのダイヤモンドどちらの方が欲しいですか?」と言い

左手にはとても透き通って綺麗なダイヤモンド、右手には500mlの水を乗せた。

俺はもう喉がかわいて死にそうだったので、深く考えず、水を指そうとして戸惑った。

こんなところで突然現れて水を渡してくるのだ。正規の値段であるはずがないと。

するとそれを見越したかのようにスーツの男が

「値段は、貴方の価値によって変わります。貴方が今水を100円程度の価値だと考えているならそれは100円になります。逆に2万円だと思うのであれば、それは2万円になります。さああなたはどちらをお選びになられますか?」

俺はとても安心して、高くても500円にもならないであろう水を指さした。

スーツの男は俺に水を渡し、俺に言った。

「今、お金を私に渡すのは大変だと思うので、月末にお金を引き落とさせていただきますね。価値カンパニーをご利用頂きありがとうございました。あとご利用後のサービスとしていらないかもしれませんが、砂漠を抜ける近道を教えているのですが聞きますか?」

俺は渡せなくないけどなと思いつつ若干迷っている節があったので、有難く近道を聞いて、その道を進んで行った。その後は特に何事もなくことが進み、用事も終わり家に帰った。


~~~月末~~~


「っ!?なんで!?なんで月末のお支払いがこんな金額になってるの!?」

そこの紙には、生涯かけて稼ぐような金額が書かれていた。

そして砂漠で死にかけた時のことを思い出し、価値カンパニーのことを調べ、そこに電話をかけた。


「もしもしこちら価値カンパニーです。今回はどのようなご要件でしょうか?」

「なんか、価値カンパニーで購入したものがものすごい金額になっているのですが、どういうことですか?」

「では、調べますのでお名前教えて頂けますか?」

「○○です。」

「少々お待ちください。」

~~~

「これはですね。お客様は、砂漠で水をご購入されましたよね。それを購入する時に、ダイヤモンドとどちらかを選んで購入されましたよね。なので、お客様は水がダイヤモンドよりも価値があると判断したということですよね。なのでダイヤモンドよりも値段が高くなります。そのためこのような値段になっています。価値の値段は変動するんです。それがお客様のための価値カンパニーですから。またのご利用お待ちしております。では失礼します。」


「…」

俺は切れた電話を持ったまま立ち尽くすことしか出来なかった。


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