表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖精猫の箱庭  作者: にゃんちー
3/3

軍人さんとアネモネ 2


ずっと変わらないと思っていた。


愛する家族と気の知れた友人達に囲まれて何気ない日常が続いて笑いあったり時には感情的にもなったりしたりしたが、支えあったり励ましあったりしながら生まれ育った場所から、ずっと変わらずに慣れ親しんだ当たり前の場所だったんだ。


愛する妻がいて、可愛い盛りの娘がいて、ちょっと悪戯好きで甘える猫と1つ屋根の下で何にも変え難い時を過ごして家族の為と、仕事に打ち込みより善い生活をと頑張って努力を重ねてきた。


次の春から出世も決まり、これからだ。と言う時に起きた隣国からの突然の宣戦布告なく侵略戦争。


伝わる情報は凄惨さから怒りと悲しみしか浮かばず多くの若者が義憤に駆られ兵役へ就いた。


遅れて退役軍人の再招集命令と義勇兵を募る知らせが走る。


妻と娘に泣かれながらも自らの意思を伝え義勇兵へと参加することを決めた。


涙と共に明日をも知れない情勢に不安を覚え、妻と娘には第三国を経由して戦争とは程遠い平和な国へと必要最低限の荷物と全てを託した。


そう、全てを託したんだ。


あの日、最後の別れの時に飼い猫のチョールヌィが目を離した僅かな時間で姿消し見つからずに一家離散したことが悔やまれる。


チョールヌィは今頃どうしてるんだろう?


賢いあの子のことだから無事で過ごせていたら良いんだが…。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ