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騎士物語  作者: 連星れん
前編

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39/72

大陸暦1527年――19 独白


 最近は、気を張ってることが多くなった。


 思い出は終わったのだ。

 あれ以上の記憶は私にはない。

 だから落ちるわけにはいかない。

 ……そのため、睡眠はあまり取れていないけど、どうでもいいことだ。


 だけど起きていると、家族のことばかり考えてしまう。

 父は、母は、兄は、無事だろうか。

 自分がしたことは報告されたのだろうか。

 されていれば、自分のせいで家族はきっと窮地に立たされている。

 でも、分かるのは、あの人達は絶対に自分を責めることはしない。


 優しくて厳しくなりきれない母。

 時には厳しく、でもいつも大事なことを教えてくれた父。

 妹のことを、自分のこと以上に考えてくれてた兄。

 優しいあの人達のことだから、自分のしたことを、たとえ理由が分からなくとも、信じようとしてくれるだろう。


 ……もう自分が出来ることは、この首を祖国に送り、少しでも家の汚名を軽くすることだけしかない。





 戦争が終わるのではないか、と誰かが囁きあっているのを聞いた。

 あぁ、やっとだ。

 もうすぐ――この苦しみからも解放される。



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