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騎士物語  作者: 連星れん
前編

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35/72

大陸暦1527年――15 開戦


 新人遠征訓練の野営地。

 その食堂テントで、私は同期たちと昼食を摂っていた。

 わりと和やかな雰囲気の中、雑談していると、一人の男性騎士が慌てた様子でテントに飛び込んできた。

 テント内にいた全員が何事かと彼に注目する。

 見ると彼の顔面は蒼白で、その手には力いっぱい紙が握られている。

 どうしたんだよ、と彼の友人らしき男が軽い調子で訊く。

 彼は友人を一瞥すると、意を決したように口を開いた。


 ――戦争が、始まった。


 その言葉の意味を、そこにいる誰もが理解できなかった。

 テント内が静まりかえる中、彼はもう一度、訴えかけるように「戦争が始まったんだよ!」と声を上げると、手に持っていた紙を食堂テーブルに広げた。

 テント内にいた全員がテーブルに集まり、広げた書面を見る。

 そこには、帝国軍、零紅れいく騎士団による国境都市への襲撃、そして占拠と書かれている。

 さらにそれは、新皇帝陛下の命により、宣戦布告なしで行われたとも記されていた。

 

 それはつまり、帝国が、星王国せいおうこくに、

 私の故郷が、エルデーンの故郷を、侵略したことと同義だった。




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