表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
騎士物語  作者: 連星れん
前編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/72

大陸暦1522年――10 士官学校


 夢を見た。


 私は士官学校の自室で手紙を書いている。

 入学してまだ数日しか経っていないのに、早速書いている。

 もちろん相手はエルデーンだ。

 何を書くか迷った挙句、宣誓が上手く言えたことや、初めての騎士剣を与えられたこと、入学前に長かった髪を切ったこととか、何てことのない些細な日常会話になった。

 目の前で話せないもどかしさを感じながら、一生懸命、初めての手紙を書いた。


 返事が待ち通しい。





 エルデーンからの手紙は意外と早く届いた。


 手紙の封は開けられていた。入学前に懸念していた通りだった。恐らくこちらから出す手紙も検閲されているのだろう。正直いい気持ちはしないけれど、そのつもりでいたので特に驚きはなかった。

 彼女からの手紙の内容は、宣誓が上手く言えたことへの喜びや、髪を切ったことへの驚き、あと身体に気をつけて訓練と勉強を頑張ってね、とこちらも何てことのない日常会話だった。

 でもそれが逆に、私たちの関係が何も変わらないように思えて嬉しく感じた。


 封筒には手紙と一緒に押し花のしおりが入っていた。

 彼女の家の庭で育てている花らしい。


 教本に挟んで、いつも大事に持ち歩いた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ