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58-本当に死ぬかと思いました・・・労基に相談したいと思います(ヤメテ?!)

「あはっ、あははははははははっ」


 今まさに逼迫とした場の雰囲気を破り、?き乱すようなそんな笑い声が響き渡りました。

 その場にいる誰もがお互いに顔を見合わせ、その笑い声の主を探そうとしますが誰も該当する者が居らず、困惑する一同。

 そしてこの場を代表するかのように最初に声を上げたのは、流石にこの状況に少しは焦りを感じ始めていた、その笑い声の主以上に場を引っ掻き回すことに定評になりつつある暴君幼女様ことリーファその人でした。


「むっ、この笑い声の主は誰かしら?この状況で笑えるなんて良い度胸じゃないの。是非とも笑い飛ばしてこの状況を変えて欲しいものだわ」


「あははははっ、言うねぇお嬢ちゃん?それじゃ期待に応えて状況の変化ってやつをしてあげようかな♪それにしても揃いも揃って、そこの仔竜ベビードラゴンちゃんに手籠めにされてまぁ・・・なにこれハーレムってやつ?どんだけ思い出補正掛かってるのって感じよね?無いわぁーホントそれ無いわぁーあんたらもう少しまともな部類って思ってたんだけど、あの子らの子供と知った途端それだもんねぇー。いやぁーこれだからお子ちゃまどもはダメだわぁーもう少し大人の恋を学んだらどうなのかな?」


 饒舌に回る舌に毒を乗せて語る声の主は若い女性のものでしたが、依然正体を現すことはしないようです。


「にゃ?!ウチらのことを知ってるってことは・・・もしかして神の部類なのかにゃ?それにこのふざけた物言いは何処かで聞き覚えがあるのにゃけども・・・」


「なんやこのいちいち気ぃ障る喋り方しよってからに。隠れとらんで出てきぃや」


「ん?この声に聞き及びがあるのじゃが・・・ぁ、思い出したのじゃ?!シュセンこやつは・・・」


 金色鬼っ幼女さんの方は早くもその正体に気付いたみたいですが、その正体を明かされる前に声の主が未だに気付いていないこの中でも年長者であるはずの二人に向けて、揶揄するように言葉を発しました。


「ぉ、やっぱり若い子の方が記憶力が良いみたいだねぇー。変に歳喰ってるのはやっぱりダメだわぁー。ぁあなる、だから婚期に焦っちゃってそこの仔竜ちゃんに執着してるってわけ?まったく余裕のない生活してるからそうなるんだよねぇー。ほら私みたいに豊かな生活を送って若さも美容も日々磨いてさ、美しさを保つために努力しないと♪お姉さんからの金言だぞぉ?」


「「アア˝ン?」」


 青筋を刻んだおにゃんこ様と痴女鬼さんが息の合った濁声を出しますが、やっぱりこの二人何だかんだで仲が良いよね。


「はん、なんや前と口ぶりが変わりよってるから気付かんかったけど、そん金言いう口癖で思い出したわ」


「にゃ、ウチも思い出したのにゃ?!ウチの場合はキョオコ達が元の世界に帰ったあとに一度会ったきりで忘れてたけどにゃ、確かこんにゃ風な喋り方に変わってた気がするのにゃ」


「あはっ、やっと思い出してくれたみたいだねー。まったく引き籠ってばっかりで蜘蛛の巣でも張っちゃってるんじゃないのぉー?そんなんで仔竜ちゃんに相手にされるのかな?耳年増だけじゃオトコノコに相手にされないぞ♪」


「そこのにゃんこと同じにされたらかなわんわぁ。うちは別にアキクンをどうこうするつもりは無いんよ?ただ単にあの子らに恩もあるからなぁ、そのお子の面倒見たろうて気晴らしついでなんよ」


「ぷふっ、ツンデレ乙。いやここはオニデレかな?まぁどっちでも良いけどさ、その恩人の子供に必要以上に色目を使うってどうなんだろうね?何だか年下のオトコノコを手籠めにしようと必死になってるババアって感じで痛々しいから気を付けた方が良いよ?ってまぁ見た目は少女みたいな感じだし、ギャップで攻めてるんだろうけど。見た目は・・・ねぇ?ぷふっw」


「アカン。うち久方ぶりに切れそうやわ」


 そう言って、口角を引きつかせながら怒りを露わにする痴女鬼さん。


「あれ~?図星突いちゃって、気に障っちゃったかな?ごめんねぇーでもさ、その仔竜ちゃんみたいな初心うぶな子相手だと逆効果だと思うんだよ。それに常日頃そんな恰好してたら飽きられるし、ここぞって時に魅せた方が美味しさ倍増でオトコノコなんてマジちょろろんだよ?これだからそれぽぃことだけを耳にした年増はいけないんだよぉー。勉強になったかな?年増な鬼さん?」


 ブチンと何かのブレイカーが落ち切った音をさせ、ゆらりと幽鬼さながらに怒りのボルテージを逆に上げた本物の鬼が現れました。


「くふっ、くふふふふふふっ。ほんま口が達者でおもろい事をいうお人やなぁ?こないに笑けたんわ、いつぶりやろか・・・責任とってぇなぁ?」


「ちょ、シュセン落ち着くのじゃ・・・ヒィッ?!あ、アカンのじゃ。長年付き添ってきたが、こんなシュセンの顔初めてみたのじゃ?!」


 言葉通り長年連れ添ってきた相方の変貌ぶりに、その幼くも愛らしい顔を蒼白にして身を震わせる金色の鬼っ幼女さんが、いまにも下腹部を新たな金色の色へと染めようとしていました。ぁ、少しちびったみたいです。


「あちゃーちとやり過ぎたかな?久しぶりの顔ぶれについつい調子に乗っちゃったよ。めんごめんご。お茶目で小粋な戯れだと思って、許してちょ♪」


「そりゃアカンわ、ちゃんと売ったもんには責任取って貰わんと・・・そこや!!」


 痴女鬼さんが突如振った手先から斬撃を放ち、とある場所へと着弾させました。


「うきゅう!」


 そんな可愛らしい鳴き声を響かせて、暗がりから現れたのは・・・・


「ぇ?あれは・・・リストバンク?!」


 この機にまたしても裏口から逃げ出そうとしていた脱兎系幼女さんでしたが、逃げ出そうとした先から転がり出て来た愛くるしいリスみたいな小動物に目を見張り、驚きの声をあげました。


「ちょっとぉ!私の眷属を虐めないでよぉー。まったくこれだから・・・ッ、ってだから止めなさいってば!!」


 有無を言わさず、その愛玩動物ことリストバンクに斬撃を放ちまくる痴女鬼さん。だいぶ腹に据えかねているみたいです。

 それによく観察してみるとそのリストバンクが抱えている賽銭箱ぽぃ物から、先程からのこのリストバンクを眷属とする主の声が聞こえてきてるようですね。


「うきゅう!きゅるるぅ!きゅー!!?」


 必死に逃げ惑うリストバンクの愛らしい姿にほっこりとしますが、当の本人は生きるか死ぬのかの瀬戸際で涙目です。でも可愛いです。


「ストップ!すとぉーっぷぅ!!謝るから!直接私が謝るから止めてあげて!!これ以上は本当にこの子死んじゃうから?!」


 痴女鬼さんの暴挙を止めようとしますが、それでも斬撃の嵐が止む事は無く、何度目かの制止の声が響いた後、標的にされたリストバンクの体が急に一際眩しく光ったかと思ったら、消えてしまいました。


「ぇっ?殺しちゃったの?」


 流石の暴君幼女さんも必死に逃げ惑った可愛らしい小動物に心を動かされたみたいです。その想いを忘れずに是非とも仔竜さんにも優しくして欲しいものですね。


「大丈夫、死んでないよぉー。どうにか入れ替わるのに間に合ったからさ。ほんとやめてよねぇーあの子達仲間意識強いんだからさ。こんな事で殺されちゃったら、私が責められて反旗翻されたらどうするのよ?あの子達が居ないともう私の生活ままならないんだからね!」


 あのリストバンクはどうにか助かったみたいですね、良かったです。

 愛玩動物枠を奪われのは癪ですが、それでもやはり可愛らしい小動物が戯れで殺されるのは許せませんよね。

 明日は我が身みたいで凄く怖いので、優しい世界を望みます。


「知らんよ、そないなこと。寧ろそれを聞きよったら率先して狩ったろうやないの」


「だぁーもう、だから止めなさいって!謝るからさ!この通り!!」


 そんな言葉とと共に、先程までリストバンクが居た場所には目深にフードを被り両手を合わせて平謝りをした人物が現れました。

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