表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/63

43-誰だって最初はみなbaby

「ぁ、ぅ・・・ここは、どこ?」


 朝起きるのとは少し違う、長い昼寝から目を覚ました時に生じる眩暈を感じながら、意識を覚醒させるようにゆっくりと瞼を開くと、その両眼に最初に映したものは、何処とも知れない天井でした。

 どうやら僕は、いつの間にやら横に寝かされて居るみたいです。

 木造の天井を見るに、ここが室内である事は分かりますが、あの後、気絶した僕をこの場所まで誰かが運んでくれたのでしょう。

 取り合えず現状確認をと、目線を横に向けてみると、木製のテーブルがまず目に入りました。

 さらに、反対側はどうなっているのかと思って、テーブルとは逆の方に目を向けるとすぐ目の前に壁がある事から、僕がいま居るのは、壁側のテーブル席だと分かりました。

 それにしても、何やら背中の方がとても心地よく、まるで海の上に浮いてる様な感覚がして気持ちが良いです。

 明らかにここは室内のため、潮の香りも無ければ日差しも無く、この場所が海である訳がありませんから、きっとウォーターベッドの様なものにでも、僕は寝かされているのかも知れません。

 そうなるとこんなテーブル席の様な場所に、何故ベットがあるのか不思議ですが、まぁ誰かが簡易ベット的なマットでも用意してくれて、僕を寝かせつけてくれたのでしょう。

 まぁそんな些細な事は、この最高に良い寝心地を味わえれば、どうでも良いと言うものです。

 このまま二度寝を決め込んじゃおうかとゆっくりと瞼を閉じ直して、微睡んでいると・・・


「ますたぁー起きた?」


《そのようですね。御主人様(マスター)、おはようございます》


 そんなエルとナビの二人の声が聞こえてきて、どうにか二度寝の誘惑から逃れることが出来ました。


「ぅん・・・おはよう。ここは、どこかな?」


「ますたぁー、おはようなの!」


《今、私たちが居る場所は、イニティブラ支部のギルド内になります》


 イニティブラ?・・・あぁ、この町の名前だっけ。そうかギルドに居るんだね。


《そうです。それで現在、リーファ嬢たちのご用事をお待ちしている間、エルによる御主人様(マスター)の介抱をさせて頂いております》


 エルが介抱してくれてると聞いて、確認しようと軽く寝返りを打ってみると、ぷにゅっと感触と共にどこか覚えのある肌触りが返ってきました。

 その感触にとある推測を得た僕は、その考えが間違っていない事を確かめるために、その身をうつ伏せにしようと、体の向きを変えるために寝返りを打とうとして、


「あぅん」


 と向きを変えようとした先から、そんな嬌声の様な艶めかしい声が聞こえてきました。

 ちょ、そんな声出されたら動きづらいんだけど?!

 ってか、もう謎は解けたよ!いま僕は、エルを下敷きにしてウォーターベッドもどきを疑似体験してるんでしょ?!


《正解です、御主人様(マスター)。流石ですね》


 ぅん、褒めてくれるのは嬉しいんだけどさ、それでこれどうしたら良いの?!下手に動いたらまたエルが大変な事にならないよね?!


《エルがどうしても介抱したいと言うものですから、私が提案した方法なのですが・・・御主人様(マスター)が動かれる事を失念しておりました》


 失念してましたって、ナビね・・・僕が起き上がる事も考えて無かったの?まったく詰めが甘いんだから・・・。


《まぁ宜しいではありませんか。御主人様(マスター)もエルもお互いに気持ちよくなって、WINWINな関係ですし。それにその事で慌てふためく御主人様(マスター)の様子を拝見出来る私も、滾ってWINですし?》


 確信犯か?!!


「ぅん・・・ますたぁー、もっと動いて良いよ?ボク、ますたぁーを全身で感じられて、とっても嬉しいのぅ」


 そんなどこか艶めかしくも蕩ける様な声を出すエル。

 あの健気で純粋な無垢なエルは、どこ逝っちゃったと言うのか?!

 清純な子こそ、乱れたらそりゃもう凄いって聞いた事あるけど・・・何故エルは、スライムなのかと少し残念に思う僕、オトコノコなう。


御主人様(マスター)、あまり規制に掛かるパトスは抑えて欲しいのですが》


 黒幕が何か言ってくれてますが、取り合えずこのままだとエルが大変な事になりそうですし、あまり刺激を与えない様に起き上がりたいと思います。


「え、エル?もう僕は大丈夫だから、起き上がるね?少し刺激があると思うけど・・・我慢してね?」


 そうエルに注意を促して、僕がゆっくりと起き上がろうとしたら・・・


「ぇ・・・だ、ダメ!もっとますたぁーを感じたい!!」


「ぇ?エル、何を言って・・・ッ、な、なんだと、動けない?!!」


 粘液生物特有の体を使って、僕を逃がさないとばかりに拘束するエル。

 前より一回りも小さくなったエルには、僕一人を包み込んでそのまま体内に引きずり込むような事は出来たいみたいだけど、その代わりにと、僕のお腹の部分にベルトをするようにして、身動きを取れない様に拘束されてしまいました。


《んむ・・・まるでベビーシートのような様相ですね。赤ちゃんプレイとは、エルやりますね》


 絶対違うでしょこれ?!それに赤ちゃんプレイって、こんな身動き出来ないように拘束する事とは違うと思う!


《では、一体どの様なプレイなのでしょうか?》


 それはね、赤ん坊の様にして甘えるように・・・って何を言わせるの、ナビ?!


《エル、揺り籠の様に揺らして見て下さい。私はお母さんを担当しますので。よしよし、良い子ですね、御主人様(マスター)


「わかった!うんしょうんしょ」


 こらぁああああ?!誰が本当にプレイを開始しなさいと言ったよ?!

 ぁ、でもこの揺られ加減と安心できる声音がどこか気持ちよく・・・って、べ、別に赤ちゃん願望とか無いんだからね・・・ッ?!



「・・・アンタ達、何してるのよ」


 いつの間にやらリーファが傍にやって来てたみたいで、僕たちの方をジトっとその勝気そうな眼をどこか半眼にして、僕たちを眺めて居ました。

 そんなリーファの様子に居た堪れなくなった僕は、どうにか拘束から逃れようとエルを嗜めようとしますが、


「ぁ、ぇっと・・・え、エル、放しなさい!!」


「やぁ!」


 まるで駄々っ子のような態度で、一向に僕を放そうとしません。

 ぐぬぅ、これは所謂反抗期と云うものでしょうか?お父さん、許さないぞ?!


《まぁまぁ宜しいではありませんか、お父さん。たまにはこの子の我侭も聞いてあげましょう》


 ナビがサラッとお母さんポジションを攻めて来た?!

 んーまぁでも寝心地良いし、それに別に何かをする訳でも無いから、そう困るような事じゃないよね・・・でも何だろうか、この居た堪れない気持ち。


「エル、わかったよ。その代わり、次僕が放してって言ったら、きちんと放すんだよ?もし言う事聞かなかったら、もう二度とご褒美をあげないからね?」


「ぅん!わかった!!ますたぁー大好き!!」


 そう嬉しそうにユラユラと揺り籠の様に僕を揺らすエル。

 やっぱり何と無く居た堪れないと言うか、傍から見たら凄くシュールと言うか、締まらない光景な気がして、凄く恥ずかしい気持ちになるは気のせいかな?


「・・・アンタ、まるで揺り籠に揺れる赤ん坊みたいよ」


「や、やっぱり?」


 ぁあ、やっぱり傍から見てもそう思うんだ?!

 ぅぅっ、凄く恥ずかしいけど、エルが嬉しそうに僕を抱えて揺らすものだから、それに応えてあげたい僕が居るのでした。

 赤ちゃんプレイを他人にお披露目するという、羞恥を感じつつもどこか気持ちが良い気がするのは、きっとエルの絶妙な揺らし加減と寝心地の良さの所為なんだもん?!


《新たな扉を開き続ける御主人様(マスター)の業の深さには、毎度の事ながら畏敬の念と共に、深く崇敬致します》


 そう言うのヤメテ!マジで!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ