42-True that.
滞りなく？新たな仲間たちを紹介出来てホント良かったよ。
《・・・・・・・・・・・・》
ん、良かったね！？
《・・・まぁ別に良いのですが。下手に紹介されますと混乱をきたしてしまいそうですしね》
わ、分かってるじゃ無いの、ナビ？！
《・・・ぇえ、物分かりの良い愛人ですので》
・・・何だろうか、この本格的に愛人を抱えてる気分にさせられる感覚は・・・ぅっ、頭が・・・。
《記憶喪失されるのも良いのですが、私はいつまでも、どんな御主人様も・・・オボエテマスヨ》
・・・身の内にあるホラーってどうやって対処した方が良いですか？
神殿に行けば、除霊して貰えるとかですかね？
《酷いです、御主人様。私を悪霊と同列にするなんて》
だったら、もう少し身の振り方考えてよ？！
《・・・・・・・・・・・・・・・》
だから、なんでそこで無言になるのさ？！もう！ホントアクが強すぎるよ、ナビ！？
ハァ、ナビとはどうにか折り合いというか、取り決めを決めなきゃとは思うんだけど、もう何から手を付けたら良いのか分からないよ。
取り合えずは、あとで考えるとして《・・・二ヤリ》・・・してやったり感出さなくて良いよ、もう？！
ハァハァ、このままでは脳内漫才だけで一日が終わりそうだから、そろそろ目の前の事に対処しないとね。
それで、その対処せねばならない、目の前の状況についてですが・・・
「エイ！ヤァ！トリャ！そぉおおおおりゃ！！」
「ぅおおおお！凄いぞこのスライム？！」
「マジでスゲェぇえええ！？なんだこの曲芸は？！あの娯楽の街、ラスベガラでもこんなの見た事ねぇぞぉ！？」
「わぁ～っあのスライムさんすごぉーぃ！ねぇねぇ、お母さん、私、あの子欲しい！！」
「もうこの子ったら。あの子はきっと、専門的な技術を学んだプロの指導の下で飼われてると思うから、素人が手を出したらダメなのよ？」
「そうかぁーやっぱり芸人さんって大変なんだねぇー」
なんて声が聞こえるほどに、町の皆さんをオーディエンスとして、エルがあの巧みなジャンピングテクニックを披露し、見る者全てを魅了しております。
・・・ホント、どうしてこうなった！？
「ん、これはイケるわ？！アキクンだけじゃ無く、このエルって子もなかなかの稼ぎ頭として見所があるわね！これは一度、ラスベガラに向かって、芸を披露して稼ぐのも良いわね・・・うふふふっ、夢が広がりんぐなのだわ！？」
うふふふっからぐへへへっに変わる、強欲幼女様ことリーファ・・・この子、本当に反省したのでしょうか？舌が乾くの早過ぎると思うんだけど。
「もう、リーファったら・・・でも本当にこの子凄いわねぇ。確かにこの子ならラスベガラでも一躍人気者になれると思うわ」
「でしょ！でしょ！！流石はメル分かってるじゃない？！私が総合ぷろでゅーさぁとして、この子とアキクンを使って、のし上がるのよ！？」
そうガッツポーズを決めて、未だ見ぬ栄光に眼を＄な形にして輝かせるリーファ・・・って、待って！僕も何か芸するの？！
このままだとどんな無理難題を押し付けられるのか分からないので、僕も見てて楽しいけど、ここはぐっと堪えてエルに制止を促しました。
「ちょ、エル、ストップ！！もう良いからね？ほら、ご褒美に撫でてあげるよ？」
僕がそう言うと、ピタっとその動きを止めたかと思ったら、僕の胸に向かって凄い勢いでエルが飛びついてきました。
「！！ますたぁー撫でてくれるの？！ヤッタぁ！！ぅん、もう止める！！」
そうして僕の腕の中に納まったエルは、期待するようにその身をぷるりんと震わせたかと思ったら、今か今かとご褒美を待つようにぷるるん振動させ、まるでジャンキーな方々の禁断症状のような・・・気づかなかった事にしようっと。
「ほら、よしよし。素晴らしいジャンピングだったよ、エル」
そう褒めながらエルの触り心地の良い肌を撫でてあげました。
「はわわわっ、き、気持ぢぃい！あぅ、もうダメぇええええ！！」
僕の撫でりんこを受けたエルが、嬌声の様な声を上げて、一際ぷるるりんと震えたかと思ったら、その身を弛緩させて、くてっと僕の腕の中で倒れるようにその身を預けました。
これってまさか・・・いやいやいやそんな事無いよね？！
しかも今回は、ジャンキーな事にならない様に、抑えめな撫でりんこにしたんだけど・・・。
《御主人様から褒美として授かる撫でりんこは、エルにとって極上の快楽を与えている様ですね。ですので、少しの刺激でもその享楽を得られているのでしょう。しかし短期でこれほどまでの効果があるとは・・・ふむぅ、これは眷属を増やす手段としての活用もありですね》
何やら悪巧みをするように思案に入るナビですが、これは禁じ手にせねばならないのでは？！
一体、僕の手に何が起きていると言うのか・・・戦慄な想いで、エルに極上の快楽を与えると言う僕の両手を眺めていると、
「あ、アンタ一体その子に何したのよ・・・今の声大丈夫なの？」
「あらあらあら」
エルが突然ジャンピングテクニックを止めた事で、オーディエンスの皆さんこと町の民衆が残念そうに解散していく中、そう心配そうにリーファが近づいてきました。
メルさんの方は、何故か頬を少し染めながら近づいてきてますが・・・って、ちょっと待って？！
「ぁ、ぅん。ちょっとご褒美に撫でてあげたら、嬉しくてつい大きい声をあげちゃったみたいで・・・って、ぇえええメルさん？！」
「ん？何かしら、アキクン？」
いやいやいや何かしらじゃないですよ、メルさん？！
先程までは、リーファの事やらエルの紹介やらで、ちゃんと見て無かったけど、メルさんの恰好が凄まじい事になってるんですが？！
最初魔導店で出会った時は、豊満そうな体つきが見え隠れしているだけで、きちんと把握出来なかった訳ですが、今はもう隠すどころか全面にその厭らしい体つきを見せつける様な、凄く破廉恥な恰好になっとりますがな！？
魔法使いの様なローブを着用していて、本来ならその身を包み込んでいるのでしょうが、裾やらが全然足りて無くて、メルさんのナイスバディを隠せそうにもありません。
それに着用している服も、ピッチピチのぱっつんぱつんでレオタードもかくやって感じで、あの美しい双丘も今は窮屈そうに突き出して居て、今にもはち切れんばかりに自己主張を激しくしています。
さらに魔導具店では、きちんと把握できなかったヒップの方も、これぞまさしく安産型と言える様な、そんなけしからんぶるりんとした重量感のある物体で、どんどこどんと太鼓の様に叩けば、きっと良い声音が聞けるんじゃないかって・・・ってハッ！そんな欲望丸出しな想いをあの女神然としたメルさんに向けちゃダメだ！落ち着くんだ僕！？
と、取り合えず、その恰好について言及しないと？！
「め、メルさん？そ、その恰好はどうしたんですか？」
「あら？気付いちゃったかしら？リーファがダンジョンに潜るって言って聞かないから、私も一緒に行こうと思ったの。それで久しぶりに冒険者の頃の装備を着用してみたのだけども・・・どう？似合うかしら？」
うふふっとまるでファッションショーでもするかのように、目の前でくるりんと回ったり、決めポーズを取ったりするお茶目なメルさん、マジエロオアシス！？
メルさんが動くたびに、その爆裂な果実がぶるりんぶるりんと振り回され、今にも零れんばかりにするものだから、ついお手てでわしっと抑えたい気持ちに駆られてしまいます。
それに魅惑のあのヒップが、魔法を放つようなそんな決めポーズを取る際に、ぐいっと突き出されて、今すぐにでも僕のドラムテクニックをお披露目したくなる衝動に駆られてしまって・・・ぐぅっ、封印された魔手が今にも暴れ出しそうだ・・・ッ？！
《御主人様のそれは中二病でしょうか？それともただのエロ親父なのでしょうか・・・ここは暫定的に絵炉二病と呼称しましょうか》
謎なレッテルを貼るのは止めて貰おうか？！
ッ、と今はナビに構ってられないよ！この突如湧いた貴重な眼福タイムを楽しまねば・・・ッ、何故にこの美しい光景を保存する術が無いのかッ？！
現代社会ならば、何処にでもあると思われる、世界を捉えるレンズがあると言うのに・・・ッ？！
いや諦めるのは早いぞ、僕！この世界には元女勇者だとか、はた迷惑な神々だとかが存在するのだから、そう言った便利アイテムもあるかも知れない？！
「り、リーファさんや。この世界に写真機なる物は、ありませぬか？それか、いま目の前にある奇跡を後世に伝えるためのアイテムは、御座いませんか？」
とメルさんの素晴らし過ぎるファッションショーから目を離さずに、そうリーファに問いかけてみます。
「・・・ハァ、やっぱりこうなったわね。まったくこれだからこの変態駄竜は・・・それで質問の答えだけど、一応あるけど、無いわ」
「何その矛盾するような言い方は？！あるの？無いの？はっきりしてよね！！」
そう捲くし立てる僕は、脳内フィルムに保存すべく、未だにその破廉恥なショーを一秒も見逃すまいと目を離さないで居ました。
「確かに風景や人物を写すアイテムはあるわよ。但し、今は持ち合わせが無いって事で、無いわ」
「じゃそれはどこで手に入るの？！今すぐに入手してきてくれない？購入資金が必要なら、その四次元バッグにあるアイテムを売って、買ってきてよ？！今回の僕の報酬はそれで良いからさ！お願いしますから即急に対応願います！！」
そう僕が必死に、右へ左へ上へ下へと魅惑に揺れる果実を目を追いかけながら、リーファに懇願を致します。
「・・・まず、こっちを向いてから頼み事をするべきじゃないかしら？それに、そんな珍しくも高価なアイテムが、こんな辺境の街にあるわけないじゃないの。確かにダンジョンがあって、少しは栄えてるけど、他のダンジョンと比べたらそれほど高価なアイテムが出る訳じゃ無いのよ。まぁ最下層に降りられれば、少しは良いのが出るらしいけどね。それでもそんな珍しいアーティファクトが出た話は聞かないわね」
ッ、何ってこったい！それじゃ僕のこの脳内ストレージに撮り溜めるしか無いじゃないか？！
ハッ！そうだ！！な、ナビさんや、どうにかならないかね？
《・・・・・・・・・・・・・・・・・》
無言？！ッ、神は僕を見放したと言うのか・・・ッ？！
《そんな神が居たら私が封殺しますので安心して下さい》
敵は己の中に居た・・・ッ？！！
「・・・メル、もうそろそろ良いんじゃ無いかしら？人目も増えて来たし、あまり恥ずかしい事は謹んで頂戴」
「ぁ、あら、そうね。ごめんなさいね？ついつい冒険者の頃を思い出しちゃって、はしゃいじゃったわ」
自身の行いに恥ずかしさを覚えたのか、羞恥に頬を染めながらそう謝罪を口にするメルさん・・・リーファ余計なことをッ？！
ちっ、もう終わりかよ・・・あともう少しであの服破れそうだったのにな・・・なんて声が聞こえてくる、そんな野郎共の野次馬が解散していく中、僕もはち切れんばかりの魅惑武装バーストに期待してた一人として、憤懣遣る方無いを想いを抱き、抗議の念をリーファに伝えるべく声を荒げました。
「ちょっと、そこの無駄口幼女！なんでそこで邪魔をするのさ？！カメラも用意出来ないどころか、オトコノコの夢と希望を奪うだなんて、犬畜生にも劣る行為だと思うよ！これだから未成熟なお子様はいけない」
とそう捲くし立てながら、件の鬼畜幼女に非難の目を向けたら・・・本当に鬼がそこに居ましたよ？
般若さんも裸足で逃げ出すような恐ろしいオーラを放ち、ニッコリと僕に笑いかけてくれるリーファちゃんマジ、可愛いなぁー(棒)
「ぁ、あはっ、えへへへっ。な、なんちゃって♪いやぁもうよく見たら、ここにも素晴らしい被写体が居るではありませんか！もうリーファったら、可愛らしい顔をそんな怖ろしく歪めちゃダメだぞ？せっかく素材は良いんだからさぁ。ほら、もっと可愛らしく笑ってみよ？スマイルゼロエン、はいぷりーずぅ？」
「・・・そうねぇ。そんな風に笑ってみたいわね」
「で、でしょ？ほらほら可愛らしい笑顔が一番だよ？にっこぉ～」
と僕が率先して見本をと、ほっぺに指先を当てて可愛らしい笑顔のスマイルゼロエンをお見舞いしました。
ちなみにですが、いつの間にやらエルは僕の腕の中から退避しております。危機管理が素晴らしいエルたん、マジ空気速読達人。
「じゃ、私が心の底から笑えるように手伝ってくれるわよね？それじゃいくわよぉ～」
「ぁあああヤメテ！ホントごめんなさい！！な、ナビ、レジストれじすとぉ！！」
《・・・・・・・・・・・・・・・・・・》
うわぁあああん、また音信不通に？！御主人様がピンチなんだから助けるのが眷属だよねぇ？
《・・・見守るのも眷属の務めなれば・・・私は涙を呑んで見守るだけです》
そんなもん呑まないで良いから？！た、たすけ・・・・
「おいたわダメよ！おいたわダメよ！おいたわダメよぉおおおおおお？！！」
「ぷぅぎゃぁあばばばばばばばばばばばば！！？」
意識が遠のく中、何故僕はこう欲望に弱いのか、オトコノコの性は、何故いつも残酷な未来を呼び起こしてしまうのか、理の先へと至らんとし、悟りの道へと殉教する気持ちで意識を手放すのでした。
《御主人様が悪いだけです》
True that.
