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駄竜転生~幼女様から始まるゆかいなモラルハザード~  作者: ミズタマン♪
第二章 イニティブラのダンジョン下層攻略編
40/63

40-扇動テロ、ダメ!絶対!?

「ほな、またなぁ」


 そう言って、ひらひらと手を振りながら僕たちに艶めかしい流し目を送ってくれるシュセンちゃん。


「んむぅ、われは楽しみに待っておるのじゃ!?お主にも何かと準備があると思うしの・・・ぬふふっ」


 腕を組みながら不遜な態度で僕たちを見送りつつ、未だ見ぬ何かに想いを馳せているラキちゃん。

 シュセンちゃんのお色気たっぷりな見送りは良いとして、ラキちゃんの言っている意味がわかりませんし、わかりたくないのでスルーしたいと思います。


「ぅん、またね。二人ともお元気で」


《御二方のご健勝をお祈り申し上げます》


「またねぇ~また美味しいご飯食べさせてくれると嬉しい!」


 そうみんなで二人に別れの挨拶をして、僕たちは、転移魔法による空間の揺らめきを目の前を塗りつぶすような眩しい光量で感じつつ、転移先となるダンジョンの外の世界へと想いを馳せるのでした。



「・・・行ってもうたなぁ」


「ふむぅ、そうじゃな・・・なんじゃシュセンよ、寂しくなったのか?」


「くふっ、あの子らと違ごうて、今度はいつでも会えるからなぁ。寂しい言うよりも、これからが楽しみでなぁ」


 あやつが現れてから時たましよる、蕩ける様な笑顔を魅せ、楽しむようなそんなシュセンの様子は、いつぶりだったかの。

 そんなシュセンに対抗すると言うわけではないのじゃが、われもあやつの想いを受け止める身としては、負けては居れぬのじゃ。


「ふん!あやつはわれにメロメロじゃからな。また直ぐにわれに会いに来るじゃろうて。その時はもしかしたら、ぷ、ぷろぽーずとか受けてしまうかも知れぬがな?!ぐぬあははは」


「くふふっ、そいな事にしとこうなぁ。イバラキとアキクンの絡みもおもろそうやわぁ。ほんま今から楽しみやわぁ」


 未だ見ぬ、久方ぶりの娯楽に想いを馳せる二人の鬼を主として迎え、長年仕えて来たダンジョンもそんな二人の雰囲気に当てられたのか、その二人のいる場所を淡く煌めかせ、そんな主たちの未来への福音を祝福するかのように、幻想的な光景を作り出して居た。






 眩い光が僕たちを包み込み、シュセンちゃんたちの気配も分からなくなって幾秒か後、目に映す真っ白な光景が晴れたかと思ったら、次に目の前に広がった光景は、印象的な二本の柱が両脇にある、リーファが最初に案内してくれた正式なダンジョンの入り口になる地下への階段前の、そんな懐かしい場所でした。

 たった一日しか経ってないけど、リーファに落とされ、スライム群に囲まれ、エルと出会い、そしてあの二人の鬼たちに出会った、そんな慌ただしくも冒険と言うにはお粗末な一幕を過ごした一日だったけど、それでも濃くも素敵な出会いを得た僕には、掛け替えのない思い出の日になりました。

 そう大切に思う時を長く感じるように過ごせたからなのか、今居るこの場所がどこか懐かしくて、少しセンチメンタルな気分に浸ってしまうのも、仕方の無い事なのかも知れません。

 そんな風に僕が感慨深く想っていると、そのセンチメンタルに浸る少しの時間すらも与えてくれないかのように、僕たちの周辺が突如騒がしくなってきました。



「ッ、どういう事だ?!ダンジョン攻略者をこの場所に送るためのダンジョン特有の転移魔法陣が出現したから、てっきり久しぶりの攻略者が現れたかと思ったら・・・何で魔物が出てくるんだよ?!」


「もしかして、ダンジョンから魔物が溢れ出すって言う、あのスタンピードが起きているのか?!ッ、誰か衛兵を連れてこい!!それと名のある冒険者たちもだ!?」


 突然現れた僕たちを見て、慌てふためく町の皆さん・・・これは不味いのでは無かろうか。

 と、取り合えず、誤解を解くためにも僕が事情を説明せねば?!


「ぇ、ぇっと皆さん落ち着いてください!!僕は確かに魔物の様に見えますが、ただの魔物ではありません!!それにダンジョン原産でも無いので、スタンビートの心配もありませんから安心して下さい!?」


 ダンジョン原産である所のエルの事は伏せておくとして、僕が声高にそう事情を説明し始めようかと思ったのですが・・・それが裏目に出てしまったようです。

 失念しておりましたが、魔物が喋る事は珍しいのでした。エルが普通にお喋りしてるから忘れてたなう。

 それでその事も相まって、更なる混乱を呼んでしまったようです。


「な、なんだと?!魔物が喋ってやがる!?た、確かにただの魔物じゃねぇ・・・これはもしかしたら、あのダンジョン攻略特有の魔法陣も併せて考えると、ダンジョンのラスボス関連の魔物かも知れねぇぞ?!た、大変だぁ!!誰か隣の町にも援軍を寄越して貰うように連絡を取ってくるんだ!!このままじゃ、この町はおしまいだぞ!!?」


 少ない情報でそこまで飛躍する想像力逞しい解説者さんの御蔭で、蜂の巣をつついたような騒ぎになる町の皆さん・・・どうしてこうなった?!


「ま、ますたぁー何だか怖いよ、ボク」


 目の前で繰り広げられる町の皆さんによる集団ヒステリーに恐怖心を抱いたのか、そう言ってエルが、僕の腕の中で縮こまるように震えてしまいました。


御主人様(マスター)、これは不味いかも知れません。このままだと誤解を解くどころかではありません。一度この場から離れる事を強く進言致します》


 ッ、確かにそうだよね・・・仕方ない。ここは一度、町に潜伏して、町の皆さんが落ち着いたのを見計らってから、リーファと連絡を取るようにしよう。

 よし、そうと決まれば早速この場から離れないと。ナビ、出来れば逃走経路を確保して欲しいんだけど。


《了解しました、御主人様(マスター)。現在模索中ですのでもう暫くお待ちを》


 流石にこの状況ではどうにもならないと思った僕は、直ぐに逃走する事を決断して、ナビの指示を待って次の行動に移ろうとしたら、とある懐かしくもある意味でこの現状を作った原因である人物が、そんな僕らの前に現れました。


「ちょっと待って?!あの子は、私の従魔よ!!だから何も問題無いから、みんな落ち着きなさい!!」


 そう声高に宣言しつつ、人の波をかき分けながら僕たちの所に向かってくるのは、時に金に煩い守銭奴で、時に暴力を振るう事に一切の躊躇を見せない暴君さで、その幼い姿に騙されて痛い目に遭う事は必然必定の、巷で三大イカレ幼女こと爆雷幼女さんで名を馳せってらっしゃる、リーファ・フォン・アインシュタットこと、リーファさんその人で・・・


「って、あばばばばばばばgばばばばばばばばばっばんばなんでさ?!!」


 ぐふっとお久しぶりな従魔調教スキルに痛めつけられる僕、皆さんお待たせしました・・・がくっ。


「ま、ますたぁー大丈夫?!」


《ふむぅ、これが従魔調教スキルですか・・・レジストしますか?御主人様(マスター)


 って、レジスト出来るんかぁーぃ?!何故に今聞いたの!?もっと早くってか、自動的にレジストしてよ!!


《いえ何といいますか・・・御主人様(マスター)のお仕事を奪うのもどうかと思いまして》


「僕は、リアクション芸人じゃありませぇええええん!!?」


「ん、大丈夫そうだね、ますたぁー!なんだ、いつもの事だったんだね?!」


 エルの抱く僕への理想像がどうなってるのか、もう僕には一生聞く事は出来ないんだろうな・・・って寂しく思いました。

 ってか取り合えず、あの暴君幼女様に何故に行き成りこんな暴挙に出たのか、問い質せねば?!


「ちょっと、そこのリーファさん!何故に今、従魔調教スキル使ったの?!」


「・・・さっき、私に対しての不穏な説明が入った気がしたからよ」


 もう、ホント嫌この読心術者?!ナビ、読心術もレジストしててよね!マジで!!


《・・・可笑しいですね。一応読心術に関しては、シュセン様との事もありましたし、対策を取っていたのですが・・・これはどういう事でしょうか?》


 どういう事でしょうかって僕に聞かれても・・・ぇ、もしかして従魔契約したらリーファに対しては対策出来ないとか言わないよね?!


《此方の方でも対策を練ってみますが、あまり期待に沿えないかも知れません・・・まぁそれはそれで楽しみ方がありますし》


 あとでナビとは真剣に今後について話さねばならぬ。

 それはそうと、そんな僕たちの遣り取りを見ていた、集団ヒストリーを導いた張本人とも言える、そんな扇動解説者のおっさんが、


「な、あれは爆雷幼女のリーファじゃねぇか?!それにあの魔物が受けた魔法は、確かに従魔調教スキルの『おいたわダメよ!』だ。み、みんな落ち着くんだ!!そう言えば先日、爆雷幼女のリーファ嬢が、世にも珍しい喋る仔竜ベビードラゴンを従魔にしたとギルド内で囁かれていたぞ!?だからリーファ嬢が言っていることは本当だ!!良かった。この町イニティブラに脅威な存在が現れて、滅ぼされる未来は無かったんだ・・・」


 とそんな有難い解説をしつつもフラグぽぃ事を散りばめながら声高に叫び、集団ヒステリーを起していた町の皆さんをどうにか鎮める事に成功する、解説者のおっさん。

 ぇっと、あのおっさん一体何者なんだろうか・・・絶対扇動スキル所有者だよね?あのおっさんこそが、この町の一番の脅威では無いかと心配になったのは僕の勘違いでしょうか?

 ぁ、今あのおっさん、僕たちの方を見てサムズアップしやがった・・・憲兵さんこっちです!こっちに無駄に集団を囃し立てる扇動テロ野郎が居ますよ?!誰かマジで手遅れになる前に、あのおっさんどうにかしてよ!!?


「・・・それで、アキク・・・アンタ無事なの?」


 どうにか鎮まり返った町の皆さんをかき分けて来たリーファさんの第一声が、まさかの僕を案ずる内容・・・こやつ本物か?

 と僕が怪しんで居て、つい何も答えないでいると、


 パシン!


 と乾いた音が響いたかと思ったら、僕の左頬に鈍い痛みが生じました・・・リーファにビンタされたみたいです・・・って、なんでさ?!

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