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駄竜転生~幼女様から始まるゆかいなモラルハザード~  作者: ミズタマン♪
第二章 イニティブラのダンジョン下層攻略編
23/63

23-スカイダイビングは、パラシュートがあるから楽しめるんだと思います!安全第一!?

 皆さんこんにちは。

 今日はここ、ダンジョンフォールからお伝えしたいと思います。

 最初こそ、落下する恐怖に阿鼻叫喚でしたが、堕ちた穴の深さが尋常じゃないのか、落ちてから10分ぐらい経ってからは流石に落下の衝撃が全然来ない事に不審に思い、どうにか気持ちを落ち着けて、周りを観察出来るまでには余裕を取り戻すことに成功しました。

 まぁ多分ですが、前にステータス画面を見た時に恐怖耐性なるものがあったので、それの御蔭で今こうして落ち着いて思案出来ているのだろうと推察します。

 いやぁしかしどうしたものですかねぇ。落ち着いたのは良いのですが、これいつになったら下に着くんでしょうか?

 一応、さっき恐る恐る落下地点を見たのですが・・・全然先が見えませぬ。もうどんだけ深いんだよって話ですよね!

 あはははっホント参ったなぁ・・・参っちゃったな・・・・


 死にたくないよぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!?


 ぐぬぅ落ち着くんだ僕!きっと希望はあるはず!!リーファもアンタなら大丈夫って言ってたから、きっと何か下には衝撃を緩和してくれるものがあるはず!あると良いなぁ。あるよね?きっと大丈夫大丈夫だいじょぶぅうわあああああん!!?

 ハァハァ、アカン。確かに恐怖耐性の御蔭で、波が引くように恐怖が消え去るんだけど、それでもまた恐怖が蘇って、それでまた恐怖耐性で消えての繰り返しで、なにこれ凄く疲れるんだけど・・・これちゃんと耐性になってるんでしょうか?

 ハッ!そうか別に無効化ってわけじゃないから、所詮耐える効果しか無いっていうそういう・・・お後がよろしいようで、っての意味って、本当は次の人の出番だから私はこれでお邪魔して失礼しますねって意味らしいよ?勉強になったねぇー・・・ハァもうこんな感じで余計なこと考えてればどうにかならないかなぁと現実逃避を始めた頃、ふと上から何か落ちてくる気配がしました。


 ってまさか!?もしかしてリーファも一緒に落ちてきたの!!


 とこれは流石にマズイと思った僕は、この体で完全に受け止める事は難しいかも知れないけど、少しは落下の衝撃を殺すことが出来るかも知れないと身を挺する想いで、受け止めようと無我夢中に態勢を整えて、そして目に映したものは果たして・・・


 それはリーファが背負っていたはずのリュックサックでした・・・しかも結構大きめの石付きなう。


 ぇっ!?と想像してたのとは違うものが落ちてきて、呆気に取られた僕は、そのリュックサックに付属していた石をただ茫然と眺めることしか出来なくて、気づいた頃には顔面でその重い石を受け止めていました。


「ゴッ、つばんたん!?」


 お疲れ様でした。気絶のシークエンスに入ります・・・3・・2・・1・・・おやすみなさい。。。ガクッ。




 ドスッ!?ぶにゅぅうう・・・パン!!?ドサッ・・・キラキラキラ・・・。


 何かが破裂する音を間近で聞いた気がして、ふと目覚めると、そこには光となって消えていく、粘液生物ことスライムさんが見えた気がしました。

 見えた気がすると言ったのは、完全に覚醒した頃には、そのスライムさんが居たと思われる場所に、綺麗な液体が入った小瓶が落ちていただけでしたので。

 まだフラフラする頭でどうにか現状を把握しようと、周りを注意深く眺めてみたら、どこか薄暗い中にも非常灯の明かりの様な点々とした光があって、その御蔭でここが洞窟の中の様な場所だとわかりました。

 僕が落ちて来たと思われる頭上も眺めてみますが、微かにそこに穴が開いているだろうとしか窺えなくて、地上の光が届いていないみたいです。

 取り合えず、どうにか生きていることだけは、はっきりしているので、まずはその幸運に感謝をしなきゃならないことでしょう。

 ってそう言えば、さっきスライムさんを見かけたんだよね。それで目の前で消滅したかの様に煌めきを残して・・・もしかしなくてもスライムさんが命の恩人です?

 ぅぅっ、身を挺して僕を助けてくれたんだね・・・と感謝の気持ちでいっぱいで泣けてきますが、それがスライムさんが意図した事では無いことは、分かっていますので、今は取り合えず感謝だけの気持ちを抱くだけにします。南無。

 さてっと一頻りありがたや成仏の祝詞も終えたことですし、まずは身辺整理から参りましょうか。

 僕を気絶させ、もしスライムさんが被害・・じゃなかった身を挺してくれなかったら、殺竜事件の凶器となるとこだった、問題のリュックサックを見てみましょう。

 幸いなことに一緒に落ちて来たみたいで、すぐ近くにありました。

 早速何か無いものかとサバイバルゲームに強制的に投じられた気分で、支給品のチェックを開始するのです。

 そう中身を確認しようとそのリュックサックに近づいてみたら、あの忌々しい石が付属していることに気づき、八つ当たり気味にぶん投げたろうとその石をつかみ取ろうとしたら、何やら封筒ぽぃのも一緒に括り付けられていることに気づきました。

 この状況で封筒だとしたら、その中身は便箋に決まっていると相場ですが、もうこれ完全にサバイバルゲームの冒頭ですよね?もしかして僕苛酷なデスゲームに突入したんです?泣くよマジで?

 とその便箋の内容によっては涙腺の決壊も辞さないと、予感じみた事を思いつつ、封筒を開けたら案の定便箋が中に同封されていました。

 さてはて内容はどんなものやら・・・


『魔物を倒して入手したアイテムは「四次元バッグ」に入れる事』

『飲食は基本現地調達。一応魔力回復と体力回復のポーションは各3つあるけど、勿体無いからあまり使わないように』


 吃驚びっくりじゃろ?これしか書いてないんだぜ?

 しかも、勿体無いからあまり使うなって・・・じゃ入れるなし!こんにゃろぉめ、こうなったら無駄に飲んだる!!

 ・・・って事は流石に慎重派を自称してる僕には出来ないので、そんなフラグ立たせてあげないんだからね!!

 ハァ。それにしても非常食すら入って無いってどういう事じゃろか?現地調達って書いてるけど、ダンジョン内ってそんなに食べ物豊富なの?

 ぁーでも確かおつかい組って言われてた子供たちが、大量のお肉を背負ってたから、もしかしたら飲食に限ってはだいじょ・・・いやいやいやあれ生肉だし!!

 さ、流石に生肉はちょっと・・・ん、多分リーファのことだから、僕が生肉でも食べるって思ってるんだろうな。だって一応僕、魔物でドラゴンだし。マジか。ダンジョンから出る頃には野生化してましたってオチじゃないよね?

 ん、場合によってバーサーカー状態になって野生化もありかも知れない・・・フラストレーションが溜まりまくってる今の僕なら容易だと思いますし!

 野生化した僕がダンジョンの主になるのも近いかも知れぬと、冗談半分で思いながら、どうやったら早くダンジョンから出られるかなって思いつつ、その便箋を仕舞おうとしたら、何やら2枚目があったみたいで、どんな内容かなと目を通してみたらそこには、


『ちゃんと稼いで帰ってこなかったら・・・わかってるわよね?』


 ・・・ふむぅ。と取り合えず一息ついて、ゆっくりと便箋を備え付けられていた石と合わせてくしゃくしゃにまとめ・・・



「知るかぼけぇええええええええええええええええええええ!!」



 と投げつけてやりましたよ!へへんそんな事知らぬ存ぜぬってやつですよ!!

 誰がそんなこと真に受けて必死に稼ぐってんですよ!適当にやって「初めてだったからこんなもんだったよ」ってな具合で頑張った感だして報告すれば良いんですよ!!どうせ見て無いしね!!

 なははっと一応はリュックサックは持っていこうと、肩紐に腕を通そうとしたら、そこに何か紙が括り付けられていて、なにこれと開いてみたらそこには・・・


『みてるから』


 吃驚するぐらいゾワッと鳥肌が立ちました。

 どうやってみてるんだよとかどうせ嘘でしょとか思い巡りましたが、でもあの幼女様ならそれも可能かも知れないと、得も言えぬ本能的な部分でそう分からされました。

 ソッとその紙を畳んで、近くに落ちていた、僕の恩人が残してくれた綺麗な液体が入った小瓶をその紙と一緒にリュックサックに入れて担ぎ直し、僕はゆっくりとその一歩を踏み出しました。


 素直なことって良いことだと思うんだ(死んだ魚の様な目で)。

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