21-おんぶにだっことは言いますが、果たしてそれは本当にその者に委ねてる姿なのでしょうか?違う視点で見るとなかなか面白いものがあるかも知れません(安楽抱擁)
最後のシュワビルを飲み干して、一息ついてたら、やっとリーファが用を済ませてやってきた。
あれ?よく見たら、小さいリュックサックみたいなのを背負ってるね。そう言えば、リサさんに何か準備してほしいものがあるみたいなこと言ってたっけ。
ぁ、そっか、このあと用事があるって言ってたから、それに関係してるのかも?・・・ひっく。
「遅くなったわ・・・ってあら?なんでそんなに空のコップがあるわけ?確か1杯分のお金しか渡してないはずだけど」
「んとねぇ、優しい女神さまぁが現れてぇ、可哀想な僕にぃシュわびルを恵んれくれたのらぁ~・・・ひっく」
と僕が呂律が回らない喋り方をしていると、
「なによそれ・・・って、アンタもしかして酔ってるの?!いやでも確かシュワビルは、お酒じゃないはず・・・まさか魔物には飲ませちゃいけなかったの!?」
思ってた以上に慌てふためくリーファの姿に、僕が意図した通りの結果とは云え、まさか本当にこうも上手くいくとは少し驚きかも・・・もしかして思ってたよりアクシデントに弱い?
これは心のメモ帳に書き記して置かねば(わかりました)。
「なんてね!ちょっと酔ってる感じを楽しもうかと思って!・・・ひっく」
「ハァ、本当に大丈夫なんでしょうね?今からちょっと出かけるから、ついてらっしゃい」
いやはやシュワビルがめっさ美味しいくて、見た感じが麦のアルコール漬けに似てるもんだから、ついつい晩酌風に飲んでたら段々と・・・いやいや酔ってないれふよ?(雰囲気酔いってありますよね)
「あぃ、わかりまひたよぉ・・・・ッ、ずびひゅぶぅばぶぢゅ」
「ぇっ!?アンタホント大丈夫なの!!?」
椅子から降りようとしたら、思ってたよりも酔いが回ってたみたいで、つい手が滑って、今朝ぶりに地面さんと熱いキスをしてしまいました。
新婚夫婦も吃驚な熱々ぷり・・・嫉妬しちゃうだろ?
だけどね、僕と地面さんの情事には少しってかだいぶ問題がありまして。
その熱い接吻を繰り返すたびに・・・僕にダメージが入るのですよ・・・しかも今回はクリーンヒットみたいです。
それでは皆さん・・ま・・・た・・・・ガクッ。
「まったくいい加減にしなさいよね!早く立ちなさい!!ほらいくわ・・よ?・・・ぁ、白目剥いて気絶してるわ・・・ぇー嘘でしょ」
ハァ~と深い深い溜息と共に、どうしょうもなく手のかかる子に頭を悩ます、そんな幼女さんが佇んでいましたとさ。
まるで揺り籠の中に居る様な、そんな最近感じた感触に何か少し思う事がありましたが、予感めいたことがあったため、詳細は控えさせて頂いて、安心安全に意識を浮上したいと思います。。。
痛いのは誰だって嫌だもの!毎回痛めつけられると思ったら間違いなんだからね!?
「起きたのかしら?」
と頭上からの不意の言葉にビクッとするのは仕方がありません。きっと傍から見たら楽ちんそうで、某紳士達からは羨ましがられる光景が広がっているのでしょうが、でもなんだろう・・・僕は生きた心地がしないんだけど・・・寝たふりしようかな。
「それで、お、き、た、の、かしら?」
「はぃ!起きました!!」
僕の体をリーファが両腕に抱えて、がっつりホールドしてるため、シュタっと敬礼は出来ませんが、元気よく返事をしたいと心がけるのは決して、服従しているわけでは無いのです!
「起きたのなら起きたと早く言いなさいよ。ハァ~まったくもう・・・」
「あはははっ・・・ちょっと目覚めが悪くてさ?ぁ!べ、別に居心地が悪いってことじゃなくてね!あまりの心地よさについつい二度寝したくなった・・みたいな?」
ここは必死に弁明しないと、昨日の様な惨劇は免れませんので!いやだから別に服従してないってばよ!!
「そ、そう?ま、まぁそう言うならもう少しだけ抱っこしててあげるわ・・・それにちょうど都合も良いし」
「ぇ!?いやいやいやお構いなく!そ、それにリーファ確か荷物背負ってたでしょ?前後に荷物があったら大変じゃない?だからおろして・・・」
「・・・なに?やっぱり居心地が悪いって言いたいわけ?」
ぐげっ!と首をガッツリ締め上げてくる剛力幼女ことリーファさん。ちょちょマジで締まってるから!タップたっぷぅううう!!
どうにか抜け出そうともがくけど、一体この幼い体のどこにそんな力があると言うのかと思い巡らすも、よくよく考えてみたら、ステータスなんて非常識極まりないものがあるのだから、この世界では、この歳でも身体強化も可能なのかも知れない・・・ってホント非常識すぎるよ!?
力を授けるのならきちんと常識を学んで、精神的に熟成してからにして下さい!!
未熟な精神に見合わない力ほど怖いものは無いんだからね!?現在進行形でその脅威に晒されてる僕の意見は真実味があると思います!
ってそんなことよりそろそろ首を絞める力を緩めてくれないとま・・た・・・・
「大人しくしてたらこれ以上の事はしないから安心しなさい。逃げようとしたら・・・分かってるわね?」
ふっと僕の首を締めあげていた両腕の力が緩められ、どうにか気絶は免れましたが、果たして意識がある事が良いことなのかどうか、この生殺与奪を握られてる中、疑問ではあります。
ですが、また気絶してる間に事態が動いていたら、対応のしようも無いので、ここは起きてた方がまだ無難かも知れません。
って事で両手をぶらんとして無抵抗主義を敢行します・・・これが捕虜の気分なのですね、わかります。
「わ、わかったよ・・・それで今どこに向かってるの?ってかここどこ?」
脅迫幼女様ことリーファに抱っこされながら、ふと周りを眺めてみると、何やら縁日みたいな風景が広がっていました。
何かの祭りだろうか・・・にしてはそんな祭り気分って感じがしないし、それにもう一度よく見てみると、混雑時の商店街の風景って感じがしっくりくることに気づきました。
最初こそ、道の両側に縁日にあるような屋台が広がってたから、何か催しものがあるのかなって思ったんだけど、よくよく観察してみると、調理された食べ物だけじゃなく、料理の素材に使われるような、精肉や穀物、果物を始めとした、元の世界ではこんな道端で売られるはずがない、武器や防具などの装備品。それに貴金属も売っていたりして、こんな状況じゃなければ、見てるだけでも楽しめるようなそんな露店市が開かれていました。
「ここはダンジョン前の露天市場よ」
そう僕の疑問にリーファが答えを示してくれました。なるほどダンジョン前のか・・・・ってぇっ!なんでそんなとこに来てるの!?
「ぁ、あのさ、なんでそんなところに来てるんです?」
何やら嫌な予感がするのは気のせいでしょうか?いやいやダンジョン前だからってそう身構える必要ないかな?
ただ単にここの市場に用があるだけかも知れませんし?と僕の淡い期待を裏切るかのように、
「ん?それはアンタがダンジョンに入るからよ??」
「ッ、うぇええええええええええええええええ!!」
「ちょっと!うるさいわよ!!また締め上げられたいの?」
ぐぎゅっ!ってもう締まってるから!!ギブギブ!!
このままだとタップアウトの熟練度が上がって、専用スキルとか目覚めちゃうからヤメテ!?
「まったくもう、分かれば良いのよ」
今回は、僕が直ぐに叫び声を止めたってか強制的に止めさせられたから、早く解放されたけど、やっぱりこの状況って安楽椅子とそう代わりないんじゃなかろうか?
無理をしてでも抜け出すべきかな・・・いや無理だな。もし抜けだしたとしても、あのデスワードを唱えられて終わる・・・これが八方塞がりってやつですね、わかり・・・たくないよぉおおおおおお!!?
もうどうにでもしてと、両手の次は頭も垂れた僕の心中は、刑の執行を待つ死刑囚の気分です、ありがとうございました。
「そうそう、そうやって大人しくしていれば、そう悪いようにはしないんだから」
じゃ行くわよと仰る刑務官幼女様を懐柔する方法をどなたか教えてくれまいか?
やっぱり賄賂が一番なんだろうか・・・ダンジョンで稼いで、袖の下をたらふくにしてやれば解放してくれますかね?
よ、よぉしぃ!正直、そんな未来が全然見えてこないけど、可能性はきっとゼロじゃないはずだから、僕はその小さくも細い希望の糸を胸に、ダンジョンに向かう決心をどうにか高めることにしました!!(現実逃避とも言いますよね)そこうるさいよ!?




