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10-希望が叶わない事が世の常です・・・ですが、それすらも抱けなければ、目の前にある軌跡の道筋すら見えません・・・決して欲望に忠実な事が悪い事では無いのです(虹色教経典全百八章より抜粋)

「あははっ。ごめんね?ついついポチが可愛くてさ。あと年上なんて関係無いよ!僕、ポチのこと大好きだよ♪」


 ピシャーン!!と雷に打たれたような表情になるポチたん。

 あ、あれ?何か不味い事言ったかな??って、そっか。年上に、それも神様に可愛いだとか、面と向かって大好きだよとか失礼だったかな?イケないイケない。礼儀をちゃんと学ばなきゃって思ったばっかりなのに、これじゃダメだね。ん、今後は気を付けようっと。

 と僕が反省をしていると、ポチたんの挙動に変化が。


「ぁ、あにゃ。だ、大好きにゃと・・・う、ウチ求められてるにゃ・・・で、でもウチはにゃ・・・ぁ、でもキョオコの子供にゃら、こんなウチでもきっと・・・そ、そうなると色々と準備が必要にゃ・・・」


 衝撃を受けた表情をしたかと思ったら、今度は頬を染めつつ何やらごにょごにょと独り言を始め、頭上にある猫耳もせわしなく動かすポチたんは、激かわきゅんきゅんでした(にじゅうまる)


「だ、大丈夫?ごめんね。やっぱり失礼な事言っちゃったかな?」


「・・キョオコには何て説明するにゃ・・・ッ、はにゃ!ニャニャ!ぜ、全然失礼じゃないにゃ!こっちこそ何だかごめんにゃ!!」


「ぇ?ぁ、ぅん。こっちも別に謝らなくても・・・ってぁあそうか、ステータスね。ん、気にしないで見てていいよ」


「んにゃ!そ、そうだったにゃ!?ちょ、ちょっと気が急いちゃったにゃ!んにゃこの事はあとでじっくり話し合おうにゃ!!」


「ぅ、ぅん?それでどう、僕のステータス何か気になるとこある?」


 少しポチたんの様子が気になるけど、取り合えず、僕のステータスを確認したいって言ってたから、何か問題があるんじゃないかとちと不安に。

 だって僕でも気になる項目があるんだもの。『煩悩に忠実なる者』とか『殉教者の末路』とかは正直どうでも良いけど、『神に愛されし者』ってのが何だか曲者感がする。何故かって言うと、その称号の隣に『(+?????)』ってのがあるけど、これ何?どこはかとなく嫌な感じがするんだよね。。。


「んにゃにゃ。ちょっと待ってにゃ・・・んー、にゃー・・・んにゃ、やっぱりかにゃ」


 明らかに「こりゃマズイにゃー」みたいな顔のポチたん。かわかわだけど、やっぱり何か不味かったみたい。んー穏便でと願いたいけど、こっち来てから穏便って言葉に縁がなさ過ぎてツラタン。


「んにゃ。。。この『神に愛されしもの』ってのが厄介なのにゃ。通常にゃら問題にゃいどころか、神々からの恩寵が得られるから普通にゃら良い事尽くめにゃんだけど、今回付与された原因が問題なのにゃ。。。あとこの(+?????)ってのもにゃかにゃか厄介にゃ。多分にゃけど、特定の神ににゃにかしら作用するものにゃと推測するにゃ」


 ・・・やっぱりかと思う以上に不穏過ぎる内容に僕が絶句している間にもポチたんの話は続き。


「それでその『神に愛されしもの』が付与された原因にゃけど・・・んにゃ何て説明して良いにゃか。何処から説明すれば良いのかにゃ」


 困ったにゃーと猫耳をペタンとするポチたんはかわかわ・・・って真面目に聞いてないと、今後困るのは僕なので、自重したいと思います!キリッ!!


「んーとにゃ。ちょっと待ってにゃ。んにゃんにゃ・・・んにゃ。そうにゃねぇ。最初から説明するにゃ」


 ポチたんが詳細に僕がここに来るまでの経緯を説明してくれた内容だと、何と!この世界に僕を誘導したのは、ポチたんでした。ぇええまた何で!?


「それはにゃ。君がその・・・死にかけてたからにゃ」


 ・・・やっぱりゲームは、一日一時間ですかね・・・みんなも気を付けるんだぞ?

 ダメ!絶対!!連日連夜のデスワークによる過労!?労基呼んじゃうぞ♪


「んでにゃ。キョオコとの約束で、もしキョオコの子供達がにゃにかしら、あちらの世界で危険に見舞われた時、この世界に避難出来る様にしてたのにゃ」


「そんな約束を母さんとしてたのか・・・あれ?でもなんで僕、ベビードラゴンで、この世界に召喚されたの?」


「んとにゃ。それは・・・んー怒らないで欲しいにゃけど・・・」


 こんなかわかわきゅんなポチたんを怒れるでしょうか?もしそんな奴が居れば、僕が奥歯ガタガタ言わせちゃります!


「大丈夫だよ。何を聞いたとしても、こんな可愛いポチを怒るなんてしないよ!」


「ま、またそんな事言うにゃ・・・うにゃにゃこんにゃ事毎日言われたら子供が沢山出来ちゃうにゃよ・・・あにゃにゃ」


 イヤンイヤンするポチたんかわかわやでぇ・・・ん?何か今凄く変な事言わなかった??気のせいかな???


「もうにゃ!今はちゃんと聞いて欲しいにゃよ!!べ、別にイチャイチャしたくにゃいわけじゃにゃいけど。そ、それに今直ぐは無理にゃけど、色々と準備が終わったあとにゃら、い、いっぱい出来るにゃ!ぅんにゃにゃ・・・楽しみにゃー」


「ぇ?ぁ、ぅん?ぇっと・・・何の話だっけ??」


 んんっ?何だか話が見えないんですが・・・あれですかね、そこまで僕が、ベビードラゴンになった経緯が不味い内容なんでしょうか?うわっ、聞くの何だか怖くなってきたんだけど。。。


「んニャニャ!そうだったにゃ!話を戻すにゃよ!!ぇっとだにゃ、どこまで話したかにゃ・・・そうそうそれでにゃ、君がそんな姿ににゃった経緯にゃけど・・・」


 ポチたんのかわかわな説明を掻い摘んで言うとこういう事だった。

 あちらの世界で僕が極度な過労により死に直面した時、それを察したポチたんが、この世界へと緊急避難させたまでは良かったらしい。

 ただあちらの世界から此方の世界に移動する際、僕の体がその転移のエネルギーに耐えられなくて崩壊寸前だった。

 ところがどっこい、僕の魂の方は、その体と比べたら比較にすらならない程、強大かつ強固な魂だったらしい・・・エヘヘッ、やっぱり虹色教信奉してたから魂が強化されちゃったのかな?ぁでもそれならもう十分だからもう良いよね?今はとある魔導具店の女神さまを信奉しております!!

 ってなわけで、体の方は申し訳ないけど諦めて(その際、ポチたんがすんごく申し訳なさそうに猫耳を垂れてましたが、即許しました!当たり前だよね?)、魂だけでも保護し避難させて、この場所に呼ぶつもりだったらしい。。。

 でもそうはならなかった。それが何故かというと、まぁお分かりかと思いますが、幼女さんことリーファの召喚魔法だった。

 この世界に僕の魂が引き寄せられた時、タイミング良くそのリーファの召喚魔法にリンクが繋がっちゃって、無理やり召喚されてしまったらしい。

 あとそれとドラゴンとの相性も良かったらしく、魂のシンクロ率が前の僕の体より高かったのもその要因みたい。。。

 何それちょっとカッコ良くない?と浮かれるぐらいには、自分の体が無くなってしまった事にそこまでショックを受けなかった・・・ぅん、ごめん。それはちょっと嘘かな?やっぱり人間だった頃の体にもう戻れないってのは辛いもの。。。だってさ、このドラゴンの手じゃ・・・



「ギャルゲー出来ないじゃんよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!?」


「ニャニャニャ!一体どうしたのにゃ!!急に叫び声を上げて!?」


 ぅ、ぅううっ・・・まだクリアして無いゲームとかあるのに・・・ぁあそうだスマホゲーのあの英雄達にも逢えない!!あんまりだよ!?

 あ、アカン。余りの衝撃的な事実に眩暈めまいが・・・・ぇっ?この世界にはどうせゲームは無いから素直に諦めろって??


 バッカじゃないのぉ!?(某映画後期隻眼ツンデレさん風に)


 かわきゅんのポチたんの話をちゃんと聞いてたの?僕が元居た世界とこの世界は、そうそう簡単には往き来出来ないかも知れないけど、少なくとも転移出来る手段はあるんだから、決して諦めて良いはずが無い!!


 諦めたらそこで終了なんだよ?諦めたらダメだ!諦めちゃダメだ!!諦めちゃダメぇえええええええ!!?


 と、言う事で。


「ポチたん!人化って無いかな?もし無いなら最悪、人間の手の様な可動域があるなら何でも良いんだけど!?」


「んにゃ?ぽ、ポチ・・たん?にゃんだかそれ少し嫌だにゃ。にゃんか知らにゃいけど、ちとキモイにゃ」


「ぁ、ハイ。スミマセン」


 素直に謝るのが僕の最大の美徳だと身内によく言われます!だがしかし、ポチたん呼びは心の中でひっそりと温めたいと思います!!(使命感)


「そ、それでどうかな?やっぱり無理・・・かな?(ちと涙声)」


「お、落ち着くのにゃ!ぇっとにゃ。そうだにゃ。人化は出来ると思うにゃよ?」


 やっふぅううううううううううううう!!


 やりました!人化の手段があるようです!!ほらね?諦めなければ夢と希望は君の直ぐ近くに寄ってくるんだよ?

 よし!これで希望は持てた!!待ってろよ!僕のヒロイン達!!?ぁ、その前にどうにか元の世界に居る母さんと連絡取って、私物捨てないようにってか、部屋の物触らないように言わないとね♪あとでポチたんに言伝頼まなければ・・・出来るかな?


「そ、そっかにゃ。そんにゃに人化したいのにゃ・・・分かったにゃ。ウチもそれに合わせるにゃよ」


 と暫くの間、二人でうふふふっと微笑んでいました・・・夢と希望を抱ける日々は何よりの幸福です♪




「それでにゃ、君がベビードラゴンになった経緯は分かって貰ったと思うけどにゃ、話はそれだけじゃにゃいにゃ。むしろこっちの方が問題にゃのにゃ」


 何やらまだ先があるみたいです・・・待て次回!

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