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獣王の息子  作者: 日向夏
5/32

5、定期健診とバケツパフェ

「ああ、もう憂鬱だなあ」


 紅花ホンファは倒した座席の上でだらんとしながら言った。

 座席が広めのファミリーカーとはいえ、車で一時間、それでもってそれから三時間くらい拘束される。


 毎月、第三日曜日は定期検査の日だ。カレンダーに丸をつけておくけど、たまには忘れていいよって思う。


「はいはい、いつものこと。終ったらパフェ食べに行こうか?」

 

 運転している若ママの提案に、紅花は目を輝かせる。


 やったー、と大きく手を上げるが、その喜びはつかの間だった。


 目的の医療施設にて、いつも通りIDチェックを受けて中に入る。財団法人とかいう名前で、けっこう全国的にも有名な病院の関連施設だ。数十年前より共同で医薬品メーカーととある研究をしている。


ただ、その名前はあまり口にするなと言われている。


 そうだろうね。

 

 未来のための医療を作り出すため、ここでは人外を研究しているとなれば、あまり外聞がよくないからだろう。

 わざわざ別名の施設を作って、うちには関係ありませんよ、という顔をしているので、大人はずるい。


 若ママとのパフェを楽しみに、更衣室で検査着に着替える。


 若ママは別の棟で検査するので、しばらく離れる。


 下着をつけないスースーする検査着を着たまま、廊下にでると、同じく検査着を着た気に食わない奴に会った。


「今から検査か?」


 思わず歯茎をむき出しにしてしまう相手に出くわしてしまった。いや、毎日会っている奴だが、こうして家以外の場所で会うと、不愉快さも倍増だ。


 愚兄の不死男ふじおだった。


 紅花ホンファという名前も変わっているけど、不死男という名前もあまりにまんますぎる。

 お父さんに今度会ったら、名前の由来聞いておこうと紅花は思う。


「お前が今から検査するとして、そうなると由紀ちゃんの検査が終わるのは二時間後かな?」

「なに? ちょっと愚兄、何考えているのよ」

「別に。たまにはコブ無しでデートでもしたいと思うもんだろ? 奥さんとは」


 『奥さん』という言葉を聞いて、紅花はギリギリッと歯を噛みしめる。


「若ママがアンタの奥さんなんて認めないからね!」

「妹よ。実に支離滅裂なことを言っているかわかってる?」


 検査着のまま、両手を広げやれやれという顔をする愚兄。実にむかつく。


「若ママは、山田家に養女に来たの。だから私のおねえさんなの!」

「うん、現実は変わらないけど、そう思いたいのなら、思うがいいよ」

 

 ぽんぽんと憐れみの目を向けて肩を叩く愚兄。紅花が両手を広げて怒ると、舌を出しながら廊下を走って逃げていった。

 廊下は走らないでください、と看護師さんに怒られている。


 本当に腹立たしい。


「あの野郎!」

 

 紅花はカルテを持って早足で検査室を回ることにした。


 検査といっても正直、紅花の場合、基本は定期健診に近い。

 身長と体重、その他もろもろを調べて、血液検査や尿検査も行う。少し違うのはMRIみたいな機材があったり、身体に負荷を与えてどれだけの重量に耐えられるかといった体力測定の要素も入っている。


 検査の数はけっこうあるけど、最後のMRI以外はそれほど時間がかかるものでもないのでさっさと行く。

 

 早く検査を終らせて、愚兄の魔の手から若ママを助け出す使命があった。


 だけど、そうそう上手くいかないのが現実だ。


 結局、他のものを早く終わらせたところで、一つ準備が間に合わなければ意味がないとわかった。


 一番、時間のかかる機材はそれだけ高価で、数が少ない。今、使われている最中だと言われたら待つしかなかった。


 だるいわー。

 

 近くの休憩室に入る。

 

 検査のため、今日はまだ朝ご飯を食べていない。とてもお腹がすいた。バケツパフェは三つくらい食べなきゃ気が済まない。


 飲み食いを許されず、携帯も置いてきたままの紅花は仕方なく、部屋にある本を掴む。


 『古今東西妖怪全集』と書かれた怪しげな本は、こんな場所に似つかわしくないようでそうでもない。


 ここで検査を受ける人外は、実際、この中に含まれていたりする。


 ぺらぺらっと頁をめくる。


 怪談めいた話が多いので、これのモデルにされた人外はさぞや不愉快だろうなと思う。

 ぺらぺらと手慰みに開いていると、ある頁で止まった。


 『ほう』と書かれてある頁で、のっぺらぼうみたいな挿絵が付いている。怪談では肉人の話が有名で、身体能力が上がる仙薬になると書いてあるが、この挿絵を見る限りどうにも食欲がわかない。


 絶対、食べたくないよね。


 白けた笑いを浮かべながら、紅花は頁をめくる。


 獣人の欄になってまた指を止めた。


 古今東西というだけあって、広く浅く集めているらしい。狼男といった獣憑ライカンスロープはもとより半魚人や猩々なども含まれている。


 猫又は含まれないんだな。


 紅花はお隣さんを思い浮かべる。キウイでへろんへろんになる姿は完全に猫だった。

 

 ぺらぺらとめくっていくと猫又はそれとは別の頁で解説されていた。さすがに猫耳をつけた人間というより二足歩行をする猫といった挿絵が多い。着物を着ていることが多く、どことなく他の挿絵よりもユーモアにあふれているように見えた。


「獣人に興味あるの?」


 ふと上から声がかかってきて驚いた。

 

 最近、仰け反って反応することが多い。主に、颯太郎少年のせいだが。


 もちろん、声の主はここにいるはずもない颯太郎少年ではなかった。


 雰囲気はどことなく似ていたが、声は低い。痩せぎすの無精ひげを生やした男で、シャツにスラックスの上に白衣を引っかけていた。だけど、足元は合成樹脂製の靴だった、あのサンダルともいえない、履いていて楽なやつだ。


 白衣の胸に名札がぶら下がっている。『研修医 左右田そうだ』と書いてあった。

 

 研修医と言われたら、若い気がする。三十をこえていないだろう。


 新人か、と紅花は目を細めた。


「別にそれほどでもありません」


 普通ならもう少し愛想を良くした方がいいのだろうが、場所が場所だけに素っ気なく接する。

 そういう風に指示されている。これは病院からも、家族からもだ。


 あくまで山田家はあくまで研究に協力をするスタンスであるが、以前、やらかした医師がいたらしい。

 上から目線で接するくらいなら我慢したが、なにを間違えたのか、人道に反する研究に協力しろと持ちかけてきたのだった。

  

 余所の大学病院からやってきたそこそこ名医だったらしいが、それに対して快く思うほどうちの家族はお人よしではなかった。

 しばらくして、その傲慢な医者はこの施設から名前が消えた。


 なにかいろいろあったけど、そういうことである。


 というわけで、あくまでビジネスとして対等な立場をとるために、あまり親しい行動をとるのは禁止されている。


 最初に説明聞かなかったのかな。


 紅花はむっつりしたまま、見ていた本を本棚に戻す。


 しかし、左右田という医師は紅花にくっついて後ろから本棚に手をつける。上段にある重苦しい本をとる。


「興味ないの? これに面白い記述あんだけどさあ」


 全然威厳がない喋り方で、重量感ある本をめくる。


「これとか」


 目の前で開かれたら、嫌でも目に入った。


 そこには二足歩行の虎が描かれ、人間を食らっている絵だった。

 白黒の墨絵だが、その勢いは絵心を持たぬ紅花でも飲まれそうになる。


 内臓を引きちぎられ食われる人々、逃げ惑う人々、弓を射かけその虎を殺そうとするがそのすべてが跳ね返される。

 紙面を飛び出して震え立つ咆哮が響くようだった。


 古臭い装丁の本だが、紙はしっかりしていた。手すきの和紙だろうか、古さの割に痛みは少ない。

 絵も文もおそらく手書きだろう。どれだけ古いものかわからない。


 漢文で書かれているため、紅花にはなんて書いてあるか読めなかった。ただ、その虎がなんと呼ばれているのかは、なんとなく理解できた。


「獣王?」

「そう、獣王」


 反すうして左右田が答える。


 左右田は本を持ってテーブルへと向かう。


 紅花は妙に気になって追いかける。

 

 パイプ椅子に座り、開かれる頁に息を呑んだ。


「虎の伝承は昔からある。もっともこちらには生息していないので、大陸を通じてきたものだ。虎人なる伝承が有名だけど、これはそれとは別物だ」


 低い青年の声が、楽しそうに語る。


「百獣の王がライオンだっていうけど、本当にどうだろうな。虎と獅子が同じ場所に生息しないだけで、たまたまサバンナに住んでいたライオンが一番強そうだって結論だろう?」


 どんどん青年は饒舌になる。不思議と、引き寄せられる喋り方をする。ぺらりぺらりとめくられる頁には、虎が人々を蹂躙する姿しか描かれない。同じテーマしか描かれていないのに、それを飽きさせないのは絵師の力によるものだろう。


「まあ、実際はライオンのほうが強いって話が多い。ライオンは雄同士で縄張り争いをするし、鬣がある。鬣は首を保護するから、首を噛みつかれても致命傷になりにくい。多少の大きさの差であれば、俺もライオンのほうが上だと思う」

「それならさっき言ったのと矛盾するじゃないですか」


 思わず反論してしまった。


「ああ、普通の虎ならな」


 挿絵を見るからに普通の虎には見えない。

 

「獣にあったら一番怖いのはなんだろうか? 爪かな、牙かな。いや、それは、ライオンも虎も持っている。だけど、こいつには他の獣にはないものがあった」


 どこだろうか、とたずねながら左右田は答えを示していた。右手人差し指でとんとんこめかみを叩いている。


「鋭い爪も強靭な顎もあって、そして、知恵もあったら、もうライオンなんて敵わないさ」


 最後の頁をめくり、左右田は笑う。


「まさに獣の王にふさわしい人外・・だよ」


 人外・・という言葉にぴくりとしながら、紅花は青年を見る。青年は、にこっと笑い、書かれてある漢文を指でなぞる。


「ここになんて書かれてあるかわかるかい?」

「わかりません」


 その答えを待っていたかのように、青年はしたり顔をした。


「『獣の王は強大すぎた。その強き血は、それゆえに残ることなく絶えていくだろう。それが強すぎるものの宿命である』ってね。それは一代きりの突然変異で種として確立されなかった。だから、ほとんど記録にも残らなかった」

「普通、それだけ強い生き物ならそれだけでも、伝承にもっと残っていいと思う」

 

 正直な感想がでると、左右田はテーブルに肘をつきながら目を細めた。


「残らなかったんだよ」


 青年の口が開き、尖った八重歯が見えた。


「骨すら残らず食われたからね」


 ぱたんと本が閉じられると同時に、後ろで自動ドアが開く音がした。呆れ顔のおばちゃん看護師さんがいた。


「左右田先生、なにさぼってるんですか! 早く来てください、皆待ってますよ」

「はいはーい。わかってますよー」


 左右田は本を元の位置に戻すと、白衣に両手を突っ込んでがに股で走っていった。そして、廊下は走るなと看護師さんに怒られていた。

 

 なんだったんだろう、あの人。


 紅花は首を傾げながら、自分の番を待った。






 検査を全部終えると、エントランスで若ママと愚兄が待っていた。愚兄が寝たふりをして、若ママに寄りかかっているところを紅花は引きはがす。


 邪魔者が増えたが、約束通りパフェを食べにいくことにした。若ママがすでに三人分予約しているのでついたらすぐ食べられるらしい。


 愚兄の車は一旦、そのまま置いて若ママの車で移動する、助手席は渡さなかった。


 ショッピングモール内にフルーツパーラーがあって、そこにお目当てのパフェがある。お洒落な感じのお店で、今日は日曜日なので人がたくさんいた。若い女の子がたくさんいて、こちらをちらちら見ている。


 ふんっと紅花は思う。


 愚兄はその中身はどうしようもない変態なのだが、見た目はいいらしい。


「予約していた山田です」

 

 若ママが丁寧に店員さんに話しかけると、店員さんが驚いた顔をする。


 うん、なんでそんな顔をするのかなんとなくわかる。


 案内された予約席に座り、メニューを眺める。


「若ママ、なんか頼んでいい?」

「一応、形としては予約したもの食べてからにしておこうか」

「うん」


 しばらくしないうちに、バケツみたいなガラスの器に大量のアイスとフルーツが盛られ、ケーキが刺さり、花火がぱちぱちはじけたものが三つやってきた。ワゴンにのせられて、調理場からやってくる姿はなかなか壮観で、それを抱えてテーブルの上にのせる店員さんの腕が震えている。


 確か、一つ七キロのふれこみだった。


 周りがさっきとは違った意味でこちらを見ている。

 何が言いたいのか心の声が聞こえてきそうだ。


 丸テーブルに三つ、均等に並ぶ巨大パフェ。その間にチョコレートソースと取り皿が入り、真ん中にスプーンが入った器がある。

 ごく普通のフルーツパーラーの光景なのに、そこだけ何故かサバトに見えるだろう。


 ひそひそと話声が聞こえる。

 あれを食べられるのか、と話しているに違いない。


 しかし、ここにいるのは定期健診のために朝食を抜いてきた山田家の面々だった。


 三者三様、涼しい顔をしている。

 さすがに愚兄もこのときばかりは、若ママにちょっかいを出す気ではないらしい。


 目の前の獲物をいかにしとめるか、そればかり考えていることだろう。


 籠に入っているのは柄が長く先が小さなパフェスプーンだ。バケツパフェの前ではどれだけ無力な存在かわかる。

 しかし、弘法筆を選ばずというなら、その通りにするのが山田家だった。


 まず、燃え尽きた花火をとる。普通、店員さんがとってくれるものだが、ジャンボパフェ三つに面食らったままそのまま忘れていった。


「すみません、ごみの受け皿ください」


 近くの店員さんに呼びかけたら、妙にびくっとされた。


「は、はい」


 紅花は大きな皿を一つ受け取ると、テーブルの真ん中に置いて、花火の棒を置く。

 そして、スプーンをアイスの山に突っ込んだ。


「はふう」


 美味しい。これはかなりいける。

 これだけ大量にアイスを使うのであまり期待していなかったけど、これは自家製アイスだ。上に果物のシャーベットがあり、下に行くほどバニラ、チョコと味が濃いものになっている。

 ソフトクリームも生乳をたっぷり使っていた。さっぱりしていて、そのぶん溶けやすいので最初に全部食べてしまう。

 

 果物もその合間に食べる。メロンは多少熟れすぎたものを使用しているが、甘みの点ではソフトクリームに負けない甘さだった。イチゴはちょうどいい酸味で、ちょこんとのったさくらんぼも美味しい。


 ソースはクランベリーだろうか。さっぱりしたソフトクリームと混ぜて食べると美味しかった。

 突き刺さったベイクドチーズケーキは、少し食感がぱさぱさしていたので残念だったが、他は及第点だ。


 ガラスの器から飛び出した部分をあらかた食べ終えると、次はしばらく続くアイスクリーム層だ。まるで、地層のようになった側面を見ると、アイス層、コーンフレーク層、これまたアイス層でスポンジ層が入る、一番下はフルーツのシロップ漬けで詰っている。


 コーンフレークについては、賛否両論がある。冷たいものを食べたあとの箸休めにちょうどいいという派と、そんなもん入れるならアイスでも増やせ派だろう。


 紅花はコーンフレークの食感が好きなので、さくさくとアイスの層を掘り進める。

 

 アイスに接した部分はややふやけているものの、シュガーがほんのりかかったフレークはまだかりかりとした食感を残していた。


 しかし、フレークの層は浅い。次にまた冷たいアイス層を溶けきる前に片付けるとスポンジ層に当たる。


 さっきのベイクドチーズケーキでも思ったが、このお店はフルーツやアイスは美味しいけど、焼き菓子はあまり得意じゃないのかもしれない。そう思いながら、スポンジを片付けたら、最後のシロップ漬けだった。

 

 正直、これが一番おいしいと紅花は思った。

 果物の酸味を損なわない程度に甘く味付られたシロップ。ひと匙ひと匙噛みしめて食べる。


 これだけでも十分美味しいのだが、残念なことにバケツパフェの最下層だ。ほとんどの人たちはこれに行きつくまでにギブアップして、アイスとふやけたスポンジのあたりで、注文したこと後悔しているのだろう。


 紅花が満足した顔でスプーンを置くと、若ママも愚兄もそれぞれアイスココアと紅茶を飲んでいた。


「ちょっとケーキが好みじゃないかな」

「同感」

「なら、タルトたのもっか」

「僕、フルーツカレーがいいかも」


 店員に聞こえない程度のやりとりだ。


 周りは皆呆然としている中、二人がメニューを開く。紅花も負けじと身を乗り出す。愚兄とかぶるのは癪だが、甘くて冷たいものを食べたあとはしょっぱくてあったかいものが食べたくなる。


 卓上の鈴を振って、店員さんを呼ぶ。フルーツカレーを三人前かける二人分と、季節のフルーツタルト一ホールを注文して、店員さんが絶句する。絶句しながらも、なんとか気を持ち直し、注文を繰り返す。

 

「えっと、本当によろしいのでしょうか?」

 

 困惑したまま恐る恐る店員さんが聞き返した。


「あっ、大丈夫です、ちゃんと持ち合わせありますから」


 いや、そんなことを聞いているんじゃないと思う。


 若ママはしっかりしているようで、どこか抜けている。


 店員さんがふらふらしながら、オーダーを持って帰っている最中に愚兄が窓の外を指した。

 ショッピングモールの斜め前にはホテルがある。


「あそこのディナーバイキング美味しいんだって。しかも、早めに五時から始まるらしいよ」

「へえ、ちょうどいい時間だけど、バイキングかあ」


 若ママの気持ちが色々揺らいでいる。紅花はホテル名を携帯で検索して、どんな料理があるか見せてみた。


「……、そうね。もう少しこっちで食べてから、軽く回るのも悪くないよね」


 若ママは大丈夫、大丈夫と言い聞かせている。


 なんとなく大丈夫じゃない気がしたけど、シェフの特製ビーフシチューというのがおいしそうだったので紅花は黙っておいた。






 その後、パーラーでもう一回追加注文したあと、お土産にフルーツジュレ詰め合わせを買ってから、先ほどのバイキングに向かった。


 大変、美味しい料理ばかりで満足だったのだが、帰る際にぼそっと「二度と来ないでくれ」と言われた。

  

 うん、やっぱり大丈夫じゃなかった。


 でも、ビーフシチューは美味しかった。紅花は七杯おかわりして、若ママは九杯おかわりした。愚兄に至っては、十三杯目で今日の分はもう終わりましたと告げられた。


 


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