コレクション5話目〜盗撮とゴット級〜
「・・・・」
集は呆然とステータスウィンドを見ていた。
シュウ・タカラ
年齢 15歳
状態 健康・童貞
スキル
トレジャーコレクション Lv1(ゴット級)
サブスキル
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誕生日を迎える前までのスキルはトレジャーボックスだった。
級等はレアであり、
アイテムを空間内に収納するスキル。
スキルレベルに応じて収納できる量は上下する商人向けの能力だ。
しかし、誕生日を迎えただろう瞬間にスキルが進化したのだ。しかも、3回も。
一回目の進化で出たトレジャールームについて、集は聞いたことがある。
トレジャーボックスとは違い、空間に扉が現れる。そして、自分ごと部屋に入れるスキルだ。
次のトレジャーキャッスル、トレジャーコレクションは聞いたことも無い。
「と、とりあえず、スキル詳細を見てみよう。そ、それしかない」
集はトレジャーコレクションと書いてある部分をタップしてみる。
詳細
アイテムを格納した際にスキルを記憶しサブスキルとしてセットできる。
スキルセットには使用制限数あり。
スキルレベル上昇によりセット数が増大する。
「つまり、スキルの付与されたアイテムを収納すると、スキルをコピーして使えるってことか?」
集はサブスキルをタップしてみる。
しかし、何も起こらない。
アイテム何も入れてないから当然である。
「スキルの付いたアイテムかぁ」
右手でくせ毛をワシャワシャしながらため息を吐く。
集が考え込むのも当然だった。
スキルの付いた武器や防具は高い。
スキルにもよるが、基本普通の10倍の値段で取引されているからだ。
ちなみに、この世界の通貨はカーネである。
100カーネが100円程度。
通貨は
黒銀貨 100万円
白銀貨 10万円
金貨 1万円
銀貨 千円
銅貨 百円
である。
普通の武器ならば、3万カーネ(金貨3枚)程度だか、スキル付きともなると30万カーネ(白銀貨3枚)に跳ね上がるのだ。貴族でもない学生が早々手の出るものではない。
しかし集は考える。別に買わなくとも、1度だけ収納すればよいのだ。ならば、やりようはありそうだと。
「やばい!テンション上がってきた!」
最初は困惑していたが、やはり15歳。こう言うチートに興奮せずにはいられない。
何度もステータス画面を見ながら夜は深まっていく。
・・・・
ステータス画面を魅入っている集を、窓の外からクリスタル越しに見つめる人影が1人。
人影がもつクリスタルは、映像魔石と呼ばれる。
直径5センチ位の魔石で、半分が黒でもう半分が白のクリスタル。白い方に目をかざし魔力を込めると動画を再生でき、黒い方に目をかざすと撮影が出来る。この大きさで約5分は録画可能な大変高価な品物である。
「シュウくん・・・凄い興奮してますね。私も興奮してきました!!」
少女のお宝コレクションは止まらない。