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侵入


 僕は城の背後にある森の中に身を潜めていた。見張り兵の死角に隠れ、息を殺す。

 どれだけそうしていただろうか。夜も大分更けたころ、見張り台の元にもう一人男がやってきた。青い軍服を着た坊主の男だ。

「交代の時間だ、ご苦労さん」

「後、頼みます」

「了解」

 見張り台にいた男は梯子をするすると降りて、坊主の上官と敬礼を交わした。代わりに上官が梯子に手をかける。

(今だ―!)

 僕は駆けだした。なるべく音をたてないように走り抜ける。

「ん?何だ?」

「さぁ、動物ですか?」

 そんな声が聞こえた。だが、ここで止まったらそれこそ不自然だ。僕は心を決めて、走り抜けた。

「風かな」

 よし、ばれずに済んだ。僕は城壁の前まで来ると、思い切りジャンプした。そして壁を蹴って木に飛び移る。木登りをし、ある程度の所まで行ったらまたジャンプして壁に手をかける。懸垂の要領で壁の上に立って、飛び降りる。足に衝撃が走るが、膝を柔らかくして前転する。そうすることで衝撃を吸収する。ローリングという技だ。

 僕は城の門内へと入った。



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