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バトル―ルーク

「僕はお前に負けない!」

 僕はルークに向かって大声で言い切った。僕に殴られたルークは、座り込んだまま僕を睨んだ。そして血の混じった唾を吐いて、人差し指で頭を掻いた。

「あ~、その、何だ。お前は、あれか?俺にたてつこうってのか?」

 ルークはゆっくりと立ち上がった。彼の長身が僕を見下ろす。彼の威圧感が僕の肌を刺激する。

「答えろよ。お前は、俺に、たてつこうってのか?」

 怖い。はっきり言ってしまえば、恐怖が僕を支配している。僕の第六感が言っている。何も言うな。何か言ったり動いたりすれば、間違いなく殺される。

「答えねぇのかよ。…まぁ、一発は返しとくか」

 ルークが言った瞬間、僕は吹っ飛ばされた。空が見えて、顔面に痛みを感じた時、初めて殴り飛ばされたのだと気付いた。

 僕は受け身もとれず、背中から地面に着地した。

「ニルさん!」

 カレンさんの足元に倒れた僕は、なかなか起き上がることもできず、彼女に介抱されるという結果になった。これはこれで嬉しいかも…と思う僕はどこまでも馬鹿だ。

「いてて…」

 手で鼻を押さえると、見事に血がべったりと手についた。

「ニルさん、大丈夫ですか?血が…」

 カレンさんが泣きそうな顔で僕を覗き込む。ルーク、この野郎。よくもカレンさんを泣かせやがって。いや、まぁ僕が弱いのがいけないんだけど。

「大丈夫です。カレンさん、少し下がって。危険ですから」

「おいおい、まだ立つか?殺しちゃうぞ?」

「うるさい」

「ああ?」

「黙れ!僕とカレンさんの仲をお前なんかに邪魔されてたまるか!」

「言うね」

 そう言うと、ルークはポケットから小さな黒い物体を取り出した。それが手榴弾だと視認した僕は、咄嗟にカレンさんを抱きかかえて横に跳んだ。


ドガァン!!


 土や葉っぱが僕に降りかかる。僕はそれらからカレンさんを守りながら、今の体勢を考えて慌ててカレンさんから体を離す。

「ご、ごめんなさい!」

「いえ、ありがとうございます。…ニルさん、気を付けてください。彼は、ルークは、辣腕の爆弾使いです」

 ありがたくて涙が出る情報だった。



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